【感想・ネタバレ】銀橋のレビュー

あらすじ

宝塚という花園の、酸いも甘いも知り抜いた生き字引のような専科のアモーレさん。
どこまでも渋く、成熟した大人のダンディズムを滲ませ、登場するだけで場の空気を締める――そんなプロフェッショナルな職人魂に憧れ、宝塚に入団したえり子。
音楽学校で分担さんだった先輩、花瀬レオが組替えで同じ宙組になり、落下傘でついにトップスターに就任。
レオンさんを幸せに卒業させるまでが自分の任期と思い定め、懸命にレオンを支えるえり子たち。
「本当に美しいものだけが、絶望している人の心に訴えかけて、人の心を救うことができる――こんな素敵な仕事がほかにあるか?
だから私たちのやってることはお嬢様芸ではなくて、つねに命がけの芸術なんだよ」

ひたむきに芸の道に打ち込むジェンヌさんたちの愛と青春を謳いあげた、『男役』『娘役』に続く魅惑の宝塚シリーズ第三弾!

解説・早花まこ(元宝塚歌劇団・雪組娘役)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

「専科」を取り上げるとは、正直憎い…!渋い…!
宝塚と言えば…
トップになるための競争が激しい
トップをみんな目指す
と思われがちだが、実際の舞台はそれだけではないのだ。
必ず、二番手がいて、三番手がいて、脇役がいて…だけじゃない。
演技がうまい人が舞台を引き締め、歌がうまい人・ダンスがうまい人が世界観やムードを作る。
そうやって舞台は成り立っていくのだ。
なので、『銀橋』を読んで「専科」を取り上げていると分かった時、憎い…!渋い…!と思った。
宝塚三部作のラストにふさわしい物語。

0
2024年04月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。面白かったんだけど、文庫でこの価格は信じられん。続き物だから買ったけど、この薄さで1000円近くって……。今の出版業界、よっぽどやばいのかしらといらん感情が湧き出てくる。
内容は、アモーレさんどうなった!?って感じのラストですが続きはもうないそうなので無事でいるんだろうと思っておきます。
『男役』の主人公ナッツがトップさんになっててよかったねぇという親の気持ちになりました。
3作通じて一番魅力的だったのはパッパさん。本当に子どもを産んでたのか、そしてその子が亡くなってしまったのかどうかを最後まで濁していたのがパッパさんらしい描かれ方でよかった。
宝塚では「キザる」って言い方本当にするんでしょうか。なんかツボに入ってこの単語が出てくる度に笑ってしまいました。よく分からないけどなんとなくその様が想像できる面白い言葉でした。

0
2021年12月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

3シリーズ一気に読んだ。ラストのこの『銀橋』で、これまでの2作品で登場したジェンヌたちがどんな立ち位置になって、どう成長したのかが描かれていたのがよかった。
作者は特定の方をイメージしていないとのことだったが、花瀬レオの芸風が先日退団した贔屓と被り、なんか思い出して泣きそうになった。電子書籍版のあとがきに、作者の次のご贔屓様が2021年3月に退団公演真っ最中とのことだったので、もしかして同じ方かもと想像したり…
やはり男役娘役も限りあるから美しい。贔屓の退団という悲しみの中で、本当にすごく尊いものを趣味にもってしまったと頭を抱えつつも、また劇場に足を運びそのきらめきに魅了されてしまうのかな。

0
2021年05月04日

シリーズ作品レビュー

「小説」ランキング