【感想・ネタバレ】こわいもの知らずの病理学講義のレビュー

あらすじ

ひとは一生の間、一度も病気にならないことはありえません。ひとは必ず病気になって、死ぬんです。だとすれば、病気の成り立ちをよく知って、病気とぼちぼちつきあって生きるほうがいい。書評サイト「HONZ」でもおなじみ、大阪大学医学部で教鞭をとる著者が、学生相手に行っている「病理学総論」の内容を、「近所のおっちゃんやおばちゃん」に読ませるつもりで書き下ろした、おもしろ病理学講義。脱線に次ぐ脱線。しょうもない雑談をかましながら病気のしくみを笑いとともに解説する、知的エンターテインメント。

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生きているということ

一部ご紹介します。
・酸素が無ければ生きていけない。が、化学反応性の高い「活性酸素」は、細胞を傷付けてしまう可能性があるため、細胞にとって好ましいものではない。
それ故、細胞の中には、活性酸素を代謝して、無害にするための酵素が存在する。また、ビタミンEやビタミンC、カロテンといった抗酸化物質も、活性酸素を中和する働きを持っている。
・ごく健康に生きているように見えても、我々は、我々の臓器は、我々の細胞は、常に何らかの攻撃を受けている。「人みな骨になるけれど」何とか正常な状態を保とうと、色々なメカニズムを駆使して、やりくりしている、というのが生きているということなのだ。
・知らないことを学ぶときに大切なこと。それは、大きな流れ(物事の原理、大筋)を捉えること。何事においても、原理的なことをしっかり頭に叩き込んでおけば、大きく間違えることはない。細かいことは、後から必要に応じて、原理の幹に、枝葉としてくっつけて覚えればよいのだ。
そうすると、物事の全体がよく見えてくる。
・新しい分野を勉強するときは、言葉の意味をきちんと理解しておくこと。それができないと、なにがなんだかわからなくなってしまう。幹となる事柄や、大事な用語は、自分が考えているほどには多くないものだ。
・医学は、統計的なデータを示すが、あなたの将来を予測しない。それ故、エビデンス(科学的根拠として、これまでに採用された統計的データ。)を基に、自分で判断するしかない。治療法の種類が増えて複雑になってきているうえに、インフォームドコンセント(医学的な説明)を受けて、治療の方針は自分で選択しなければならないのだ。我が身を守るための確率的な考え方と、医学につながる生命科学とを、中等教育くらいから、しっかり教える必要がある。
・病気になったら、自分の病気がどのようなものであるか理解し、最善の治療法を探りながら、自分がどう生きたいかを最優先して、あとは運だと天に任せるしかないのである。

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2022年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

わかりやすく説明されているとはいえ、後半は結構難しい。しかし、何度も読み返したくなる本だ。この本を読んだら、怪しい治療法などに惑わされることは無いと思う。

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2023年04月14日

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