【感想・ネタバレ】武道館のレビュー

あらすじ

【正しい選択】なんて、この世にない。
「武道館ライブ」という合言葉のもとに活動する少女たちが、最終的に“自分の頭で”選んだ道とは――。

様々な題材を通して現代を描き続けてきた著者が今回選んだのは「アイドル」。
視聴者のあいだで物議を醸したドラマ化を経て、待望の文庫化。
解説には、音楽家として多くのアイドルをプロデュースしてきたつんく♂を迎える。

結成当時から、「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。
独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、一曲につき二つのパターンがある振付など、
さまざまな手段で人気と知名度をあげ、一歩ずつ目標に近づいていく。
しかし、注目が集まるにしたがって、様々な種類の視線が彼女たちに向けられるようになる。
そして、ある出来事がグループの存続さえも危うくしてしまい……。

「人って、人の幸せな姿を見たいのか、不幸を見たいのか、どっちなんだろう」
「アイドルを応援してくれてる人って、多分、どっちもあるんだろうね」

恋愛禁止、炎上、特典商法、握手会、スルースキル、無料文化、卒業……
この数年であっという間に市民権を得た言葉たちの中には、
アイドルという存在から発生したものも多い。
新しい言葉が生まれた場所から見えてくるのは、今を生きる人々の様々な一面。
現代社会での生き方を模索するすべての人へ送る、真摯な物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

アイドル好きには是非読んで欲しい。

この世に正しい選択なんてない。
正しかった選択として、選択した方を正解にするしかないという愛子の考えに深く共感した。

アイドルをアイドルたらしめてるものって結局なんなんだろう。ほんとに異物な存在だなと感じ、同情した。

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2025年05月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

巻末のつんくの感想は、やはりプロデューサー視点だなという感じで、実際に作ってきた人の書評だった。

読み始めは、幼馴染と最後武道館で剣道かアイドルのコンサートどちらが行われるか、みたいな話しの流れになるかと思いきや、異なる終わり方だった。

印刷の発注の下請け会社の人の話しとか、ちょっとなんでこれ話しに入れたのか、振り返ってもあんまりわかってない。

アイドル同士がグループ内でたこ焼きパーティするような仲って、実際にあり得るのかなという疑問は読み進めながらあった。

背負わされすぎる足枷の多さに対して、夢を売る仕事だから。というのは、やはり酷なことに感じられる。一挙手一投足見られて、そこまでストイックに何か求められるのことに対して、なぜそこまで応えないといけないんだ、みたいなのはアイドル以外の他の事象にも当てはまりそう。

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2025年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

解像度の高さが、さすが朝井リョウ。

“武道館”を合言葉に活動するアイドルグループ「NEXT YOU」。
主人公はそのメンバーのひとり、愛子。
幼い頃から歌って踊ることが大好きだった愛子と、共に夢を追うメンバーたちが、夢を叶えるために日々活動を続ける物語。

ただ、単純なサクセスストーリーでは決してないのが本作の面白さ。
ファンには見せない裏側が、時にファンにとっては残酷なほど緻密に的確に描かれており、その解像度にただただ感心させられる。
これが10年前に書かれたというのが衝撃。

崩れない前髪、落ちないヘッドドレス。
配信サービスが当たり前になった今だからこそ、その価値が問われるCDと特典商法、
握手会に毎回来る上から目線のファン、
ビジュアルへの固執、SNSの反響、失われる日常、
そして恋愛。

ファンという立場からすれば、大切な時期にその道を脅かす行為はしてほしくないと願ってしまう。でも、それは結局、こちら側の一方的な我儘に過ぎない。
彼女たちも認められない行為だと理解しつつ、それでも感情が先に動いてしまううのだろう。だって、アイドルの前に一人の少女なのだから。

「やりたいこと。夢、いま自分がいる環境、現実。全ては両立しない。
だからは人は選択をする。
ならば、その選択にどうにかしてマルをつけたかった。」

選んだ道が正しいかどうかは誰にも分からないけれど、その選択を自分で肯定しようとする愛子の生き方は、芯が通っていてかっこいいと感じた。

主人公であるはずの愛子のキャラが、ほかのメンバーに比べてやや薄く感じられたのは少し意外だった。
けれど、個性があまり強くない彼女だからこそグループ全体を客観的に捉えられていたのかもしれない。
愛子の、と言うよりはNEXT YOUの成長ストーリーとして読むのがおすすめ。

物語の結末は、賛否が分かれそうではあったが、私自身は割と好きだった。
皆それぞれが選んだ道で、きっと「正解」だと思える人生を歩むことができたのではないだろうか。

「アイドルをアイドルたらしめるものとは何なのか」
表舞台以外の顔を一切見せずにアイドルであり続けてくれる推したちに尊敬の念を新たにした。
そしてこれからも、精一杯応援し、その限られたアイドル人生を見届けようと思う。

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アイドルグループ「NEXT YOU」のメンバー愛子には幼なじみの大地がいる。グループ内にいつもクールな碧がいる。
この2人が念願の武道館公演の直前、恋愛発覚で脱退する。
アイドル事情に疎く、そうなのか…と、思うような裏事情が満載。グループ内の関係性までは想像できても、ファンの望むアイドルであり続けることは厳しい事がわかる。つんくのあとがきにもなるほどと思うこと多し。
愛子のお母さんのエピソードと、愛子と碧が脱退したのに、記念ライブで現行メンバーと和気あいあいなのは少し消化不良。
でも文章が上手いのでさらさら楽しく読めた。

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2025年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・サイリウムを映した綺麗な表紙と「武道館」の文字に惹かれて購入
・朝井リョウさんは『何者』から入って『桐島』『正欲』『インザメガチャーチ』など何冊か読んでいるが、テーマの切り取り方が痛みを感じる程鋭いが、比較的マイルドな作品という印象を受けた
・売れ始めのアイドルグループが、夫々の思いを抱えながら、学校生活、ファン、スタッフなどと向き合いながら武道館ライブを目指す
・主人公以外のメンバーにも焦点を当て彼女らの関係性を絶妙な粒度で描きつつ、学友、ファン、スタッフ、印刷業者などの周辺関係者にまでふれていて、コンパクトにアイドルの世界を俯瞰した様な気持ちになる
・なぜ朝井リョウさんは、こんなに登場人物の客観/主観のバランスを取れるのか、10代の女の子且つアイドルを目指すような特殊な心境を瑞々しく描けるのか(そもそも「特殊」ではない、というのもテーマなのかもしれないが)、その裏でどんな取材をされているのか、など不思議でならない、、、
・これを読んで分かった様な気になってはいけないが、画面の向こう側の人物にも友人/家族/想いがあるのだという当たり前のことを考えさせてくれた
・つんく♂さんが解説を書いているが「読んだ人が『きっと芸能界はこんな世界なんだろうな』と感じられるようなリアリティ」「いっぱいデコレーションしてくれているような感じ」、と書いていることはそのまま理解しつつ、「このまま受け取らないでね」と防御線を意図的に張っている様にも感じる
(というか、彼にしかこの解説は書けないのかな、と思ったり。外野は無責任なことは書けないし、秋元康さんはタイムリーな当事者過ぎるし、関係者は書けないことが多いだろうから)

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2026年01月17日

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