あらすじ
両親のいない姉妹と、放浪生活を営んできた奔放な叔母との奇妙な三人暮らし。拠り所となる家(ハウス)の喪失の悲しみを詩情豊かにつづる、ピュリツァー賞・全米批評家賞作家のデビュー作。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
題名から家のお掃除とか、家政婦とかメイドとか想像した人、まったく違います、この小説は。
ストーリーを単純に言うと、
「両親を失った少女が、ちょっと変わった叔母と同居することになった」
こんな感じ。
つまり、大ざっぱに言うと『違国日記』みたいなモンだ。
ただし、プロットはブチブチ切れて辻褄が合わず、きちんとした小説を読みたい人には苦痛だろう。
主人公は一人称の語り手ルース、
ただし真の主人公は叔母シルヴィだ。
妹ルシールはコントラスト見せるための普通の人、モブキャラクターだ。
ここでシルヴィが波瀾万丈の活躍するなら、よくあるエンタメなのだが、そうはならない。
渡り労働者シルヴィは、町の人から偏見で見られる。
これはAI にきくと、
「白人の国内渡り労働者が激しい差別と偏見に晒された時代があった。それが1930年代の大恐慌と大干ばつ(ダストボウル)の時期」
これが反映してるのかもしれない。
小説は1980年刊行だが、舞台は1950年代だ。白人渡り労働者オーキーの大多数は第2次世界大戦の軍需労働者に吸収され消滅したが、偏見はまだ色濃く残っている時期だろう。
ただ、オーキーは余儀なく、渡り労働者になった人たちだが、シルヴィは自分の意志で、そうしている自由人だ。
ラストは、町の人のお節介な干渉「シルヴィとルースを引き離す」に嫌気がさして、家に火を付けて燃やし、鉄道橋を歩いて逃げる。
いやいや、放火はアメリカでも大罪やろ。