あらすじ
盲目で、耳が聞こえず、口も利けない少女が弘前の旧家にいるという。明治二十年、教育係として招かれた去場安は、その少女、介良れんに出会った。大きな苦難を背負った少女と、人間の可能性を信じて彼女の教育に献身する女教師、ふたりの長い闘いがはじまった――。『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』の著者、渾身の感動傑作!
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Posted by ブクログ
あなたは、目が見えない、耳が聞こえない、話すこともできない三重苦で生きていくことを想像できるだろうか?
さてさてさんのような書き出しにしてみました。
舞台は、明治20年の青森県弘前。
明治維新後、政府は岩倉使節団を派遣し、その中に将来の日本の女子教育のために、女性も派遣される。9歳だった去場安もその一人。安は弱視であったが、持ち前の明るさと探求心から13年間アメリカのホイットニー家で愛されて育つ。
日本に帰国し、安は女子教育を目指すが、なかなかその役割は回ってこなかった。
父のツテで伊藤博文公に弘前の介良家の子女の家庭教師を紹介される。
しかし、その子女は目が見えない、耳が聞こえない、喋れないの三重苦を抱えている6歳の少女で、名を介良れんという。
れんは、座敷牢に閉じ込められ、奇声をあげたり、暴れたりしていた。父や兄からは邪魔者扱いされ、世話をする女中からも親が見ていないのをいいことに、時に虐られたりし、尊厳は守られていなかった。
安は、れんの尊厳を回復するため、まずは座敷牢を掃除し、身なりを整え、食べ物は手で食べず箸を使い、寝起きは早寝早起きの規則正しい生活をさせる。次に、良いこと悪いことを分からせるため、頬に手をあて良いことをしたら縦にうんうん、悪い事をしたら横にうんうんし、意思疎通を図る。また、ものにはすべて名前があることを、指でなぞって教えたり、指でローマ字を作って教えたりと様々な工夫をしながら伝えて行く。時には、れんが癇癪を起こし、引っかかれ、血まみれになったりするが、不屈の精神で乗り気っていく。
一番の成長は、親元から離し、ボサマといわれる乞食同然の盲目の三味線弾きの少女キワと友達になってからだ。
安は、れんとキワを同じように教育していくと、れんは爆発的に能力を発揮していく。
言葉を、遊び通じてたくさん覚えていく。
昭和になり、キワが重要無形文化財になるといわれるが、なかなか受け入れないキワは、れんの前なら弾くと、数十年ぶりの再会を果たす。
Posted by ブクログ
1ページ目開いて2時間半で読み終わってしまいました。読み終わってからも涙が出続けるくらい感動しました。
登場人物の姿はもちろんだけど、それ以上に生きることとか感情を言葉で伝えられることのすばらしさに感動して、同時に私にとっては革命的でした。ヘレン・ケラーはもちろん知ってたけどちゃんと読んだことなかったし、書評にもあるようにそれを日本オリジナルに置き換えることで切迫感と戦慄さと、奇跡の人の意味が肌で感じられて原田マハにしか書けない文章は心つかむというより握りつぶされそうでした。
この本に出会えなかったらと思うくらい、これからの私に根付いていく気がします。おすすめしてくれた友人に心から感謝です。
Posted by ブクログ
7歳の子を持つ者としては特に、涙なしには読めないかも。れんとキワが一緒に過ごした時間がとても短く、離れている間の時がページ上であっと言う間なのがちょっと飛躍感もあったかもしれない。でも安の芯の強さに心打たれる。