【感想・ネタバレ】小説 中江藤樹〈下〉のレビュー

あらすじ

時流に迎合し、立身出世の手段と化しつつあった朱子学に反対し、人間の心の中に本来もっている光明(明徳)を見出し、これを磨き続けることを提唱した日本陽明学の始祖、日本人のこころのありようを形造った近江聖人中江藤樹の思想とその生涯を感動的に綴った著者渾身の名篇。

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Posted by ブクログ

読むべし。人物伝ではあるが、そこここに関連する四書五経の文章が載せられているので、活学の勉強にもなる。いきなり四書五経や陽明学は敷居が高いと感じている人にお勧めの本。たのしく始められます。これからすすんで、大学、中庸、孟子、論語や孝経、翁問答などに進むと良いです。

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2011年08月02日

Posted by ブクログ

●安身立命とは、自分が自分らしく生きられる場所、生きなければならない場所をいう。
●親に孝を尽くすとは、親の言いなりになることではない。親に非があるときは、その非を諌めることも孝。
●明徳は人が置かれた立場、境遇、時に応じて臨機応変に現れる。
●愛敬の愛とは人に懇切にして親しむこと。敬とは目上の人を敬い、目下の人をあなどらないこと。
●孝は宇宙万物の本体・太虚。万事は孝から生まれる。
●太虚神明を悟ることによって時・処・位に対して、相応しい愛敬の心を振舞う事ができる。
●文武は両道ではなく合わせて一徳。文は天下国家をよく治めて人間関係を正しくすること。武はこの分の道を妨げた場合に、力を持って懲罰すること。文は仁道の異名、武道は義道の異名。武士道は文武の道であり、仁義の道である。文武一徳。
●孝に尽くし、やがて宇宙と一体となり、天道に則りえるようになれば、必ず良い時節に出会って、民のために良い政治を行う人物になられ、天下を治める大事業を達成することでしょう。
●不幸にして時が得られず、窮迫する事があっても、わが身の修養完成に努め、人々の教育に尽くせばそれも真の学問だと言えます。

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2011年02月11日

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