あらすじ
五歳になる小春は、常々不思議に思うことがあった。どうして父上には目と鼻と口がないのかしら? 母上は、 「父上はのっぺらぼうだから」と言うけど、顔がなくても小春は父上のことが大好きだ――家族と人間の仲間に囲まれた心優しいのっぺらぼう千太郎が、鋭い勘と特殊な能力で巷の事件を解決する、妖怪捕物帖!
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Posted by ブクログ
Tさんのおすすめ。
可笑しかった。
いや、可笑しすぎる。
妖しののっぺらぼうが、江戸の町で堂々と同心を務めていること自体、
くすりと笑えるものがあるのに、
あとは目茶苦茶だ。
のっぺらぼうなのに髷は結えるし、
父母が人と狐なのはまだしも、
そのさっぱりした顔に一目ぼれした美人の奥方がいて、
さらに、多分人であろう娘がいるのもおかしい。
その娘に対する親馬鹿ぶりときては…。
電車の中で読むのは、やめましょう。
Posted by ブクログ
千太郎はのっぺらぼうのあやかしで、お江戸の同心とはなんと斬新な!!
のっぺらぼうなので、表情等がわからないのだか正悟や伊助のおかけで千太郎の人となりがわかりやすく、面白い。
ツッコミもやり過ぎてなく、くすりと笑える程度なので話の腰を折るような真似にならないところも良い。
短編が三作入ってるのだが、二作目がおもしろかったなー。
Posted by ブクログ
江戸市井人情もの+妖怪というと、畠中恵の「しゃばけ」シリーズをまず思い出す。が、実は俺、このシリーズ途中で挫折してるんねんなぁ。理由はどこまで読んだか分からんようになったから(汗
ってとこで、若干の苦手意識があるタイプの小説だなぁという第一印象で読み始めたが、なんのなんの、これオモロいやん。「しゃばけ」シリーズよりもっと江戸市井に妖怪が根ざしているというか、妖怪を怪異と思わないパラレルワールドという感じ。何しろ主人公は「のっぺらぼう」の同心なんだから。
とはいえ、ドロドロした雰囲気は一切なく、むしろおとぼけ人情ものが前面に出ている温かい感じの小説である。まぁ日本の妖怪はのんきなヤツ(あずきあらいとか枕返しとか)が多いので、おとぼけ人情ものに違和感がないってのもあるんだろうな。落語にものんきな妖怪が出てくる噺もままあるわけで。
ってことで、「しゃばけ」は今のとこ中断してるが、このシリーズは追いかけてみたいと思うぞ。
Posted by ブクログ
(15-40) 江戸の同心がのっぺらぼう!つまりあやかしなのに江戸っ子たちはいちいち驚かず、ビックリするなんて田舎もんだねと馬鹿にするという捕り物帳にはビックリだわ。
これ、人前で読むのはやばいかも・・・、私は何度も笑ったもの。
でもコミカルなだけじゃなくてちょっとほろ苦かったりして、心に残る。霜島さんはやっぱりうまいなあ。
Posted by ブクログ
久しぶりの霜島ケイさん著書。南町奉行所定町廻り同心の柏木千太郎は、のっぺらぼう。冒頭から、江戸っ子はそんなこと気にしないって言われたら、そんなわけなかろうと突っ込みたくなる。なぜのっぺらぼうなのか、意思の疎通はどうしているのか、素朴な疑問を物語に絡ませてうまく説明してるのでストレス少なく読める。喜怒哀楽すべてを織り込んでいるので楽しく読めた。それにしてもモノノケ文庫とは随分とピンポイントで責めたもんです。