あらすじ
アメリカに強要された日米戦争の真実!ペリーが種を蒔き、ルーズベルトが育て、マッカーサーが収穫したおぞましき対日戦略とは。あの戦争の加害者は、本当に日本だったのだろうか。そして、米英蘭の3ヵ国と、その植民地支配を被っていたアジア地域が、被害者だったといえるのだろうか。日米両国の記録を用いて、開戦にいたるまでの出来事を時系列的に対比。公平な検証により、どちらが仕掛けた戦争だったかを明らかにした衝撃のベストセラー、待望の電子化!
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Posted by ブクログ
日米関係を中心とした世界観を一変する驚愕な話。いったい事実なのだろうか。
今日、日本国民の多くが、先の対米戦争が日本が仕掛けた無謀な戦争だったと信じ込まされている
だが、事実はまったく違う。アメリカは日本が真珠湾を攻撃するかなり前から、日本と戦って、日本を屈服させ、日本を無力化することを決定していた
アメリカも日本と同じように、誠がある国だと思い込んできた。それがとんでもない間違いだったと気付くのは、ずっと後のことだった。
セオドア・ルーズベルトは、日露戦争までは、日本に好意をいただいていたが、日本がロシアに勝つと、日本を、アメリカがアジア太平洋においてもっていた、フィリピン、グアム、ハワイなどの領土や、中国大陸にあるアメリカの権益に対する、新たな脅威とみなすようになった。
ルーズベルトは、日華事変が始まると、蒋介石政権が日本と戦うために必要とする巨額の資金を提供した。
後に首相となった、近衛文麿はアメリカを訪問したときに、ルーズベルトと、ハルは極東について、まったく無知だと語っている。
昭和15年(1940年)9月末から10月にかけて、アメリカ陸海軍の暗号解読班が日本の外交暗号すべてと日本会議の暗号の一部を解読することに成功した。これ以降、アメリカは日本政府の動きを刻々と手に取るごとく、知ることができるようになった。
日本を追いつめるための政策、蒋介石政権に可能な限り支援を行う。英米が強力して日本に対して完全な禁輸を実施する。蘭印に日本へ石油を輸出させない。日本を挑発するために、日本近海に巡洋艦を出没させる
開戦前に、ルーズベルト大統領は、日本本土爆撃作戦を立案し、承認していた。
近衛内閣が日米交渉を始めた時点では、陸海軍は日米関係が悪化しつつあったものの、まだ、対米戦争になるとは思っていなかった。そして、陸海軍も日米交渉が成功することを強く期待していた。
開戦直前の昭和19年(1944年)まで日本は南洋諸島に防備を施すことが全くなかった。もし、十分な時間をかけて、これらの島々に防備を施していれば、サイパンや、テニアンをはじめとする諸島に来寇したアメリカ軍に対して、もっと頑強に抵抗することができただろう。少なくとも、短期間で奪われることはなかったはずだ。
日本は短期戦争を行う能力しか、もっていなかった。近衛首相以下の参列者の前で、模擬演習の総合結果について報告が行われ、対米英戦争は日本の敗北で終わるという判定がくだされたことが明らかにされた。
もとより、ルーズベルトは日本と戦うことに決めていたので、日米交渉が妥結することを望んでいなかった。
御前会議で、昭和帝が、「よもの海みなはらからと思ふ世に など波風のたちさわぐらむ」が読み上げられた。平和を希求する明治帝の御製だった。
11月25日にホワイトハウスで会議が行われた 結論は、「アメリカに過大の危険を招かぬように配慮しつつ、日本のほうから攻撃せざるを得ないように仕向ける」であった。
11月26日、ハル国務長官は、野村、来栖両大使を国務省に招いて、ハル・ノートを手交した。政府と軍の誰もが、アメリカの最後通牒だと判断した。
真珠湾にのこっていたのは、アリゾナをはじめ、ほとんどが、第一次大戦からの旧型艦であった二隻の空母は出払っていた。
目次
第1部 アメリカに強要された日米戦争の真実 加瀬英明
第1章 ルーズベルトが敷いた開戦へのレール
第2章 米政府が秘匿した真珠湾の真実
第3章 日本人が知らない日本の歴史的功績
第4章 この教訓から何を学ぶか
第2部 ペリー襲来から真珠湾への道 ヘンリー・S・ストークス
第1章 100年にわたるアメリカの野望
第2章 ペリーが開けた「パンドラの箱」
ISBN:9784396112875
出版社:祥伝社
判型:新書
ページ数:224ページ
定価:780円(本体)
発売日:2012年08月10日初版第1刷
発売日:2014年04月15日初版第8刷
Posted by ブクログ
ペリーが種を蒔き、ルーズベルトが育て、マッカーサーが収穫した。
アジア唯一の独立国日本を、最後の有色民族を刈り取るため。
ルーズベルトが日本からの開戦へと誘導した。
アメリカ国民を欺き、あくまで攻撃される体裁をとるために用意周到に。
決めてはハル・ノート。日本には到底呑めない内容。
経済制裁により石油が枯渇し、今戦うか、枯渇して何もできなくなってから侵略に抗うかの二択を迫られた。
フーバーとマッカーサーはルーズベルトを狂人と呼んでいる。
「経済制裁は殺戮と破壊が行われないものの、戦争行為にあたるものであって、誇りを重んじる国であったとすればどんな国でも耐えられるものではなかった」
もし日本が朝鮮半島を領有し続けたら朝鮮戦争は起こらなかった。日本軍が中国大陸にかなりの期間にわたって留まったとすれば、中国が共産化することもなかったはずである。
国家の独立を自助努力によって守るのは、どのような国家にとっても国家として存立を確保するのにあたって求められる。
第二次世界大戦が終わるまで、アジア・アフリカ諸民族は西洋の侵略を受け独立を失い、数百年にわたって植民地支配のもと辱められていた。人間の価値は皮膚の色で決められていた。
日本が国際社会の仲間入りを強いられたときから夢見たのは、独立を全うしたうえで一流国になること、そして人種平等の世界の到来。
日本が日露戦争に勝ったことで、初めて有色人種が白人の大帝国を打ち負かし、アジア・アフリカ諸民族が闇の中で光を見た。アジア各地で独立闘争の狼煙があがった。
日本は連合国が第一次世界大戦を処理したパリ講和条約会議をはじめとした場で「人種平等の原則」を訴え続けたが、植民地を持つ諸国により拒まれた。アメリカは1960年代まで、黒人を法的に差別していた。
もし日本が日露戦争に勝つことなく、先の大戦を戦うことがなかったとすれば、今でもアジア・アフリカ諸民族は西洋の植民地支配にあっただろう。
日本によって世界のあり方は一変した。それだけに西洋による報復も凄まじいものだった。連合国は日本の輝かしい歴史の抹消を図ったのだ。
大戦を経たアジアの解放が、アフリカ大陸に波及し次々と独立していった。
以降、黒人の差別撤廃運動が広がり、権利を獲得していったのである。
日本が先の大戦で大きな犠牲を払い、幕末から夢見てきた人種平等の世界を招き寄せたのである。
例えばインドネシアでは、
・英語、オランダ語を禁止。
・青年に軍事訓練を課し、規律や忍耐を教えた
・オランダ人を一掃し、インドネシア人に高い地位を与えた
・民族結集組織や奉公会の本部、支部を置き、組織の運営方法を教えた
このようなことを侵略する国にする訳はなく、これが証左である。
また、ジャカルタの独立記念碑には05817という日付が刻まれている。1945年8月17日に署名されたもの。
05とは何か、日本の皇紀である。日本を建国した神武天皇即位の年から数えて西暦1945年は皇紀2605年なのだ。
インドネシアの独立は、その生みの親となった日本の「天皇の暦」で祝福されている。
この事実一つ取ってみても、日本がアジアに対して侵略戦争を行ったという欧米の歴史認識は根底から崩れるのである。
Posted by ブクログ
ここ半年読んだ本の中ではベスト5に入ると思われる内容。真珠湾攻撃の真実、ハルノート、ルーズベルト大統領のやったこと等。中学や高校の教科書にもし書かれていたら、日本人がアメリカに対する接し方は全く変わっていたと思われる。アメリカ人全体というよりも、欧米各国の指導者のあり方だろう。日本国憲法に対する考え方もこの本を読むと変わってくる。購入して再読するのもよいかもしれない。
Posted by ブクログ
戦争の犠牲者となった人々の命を無駄にしたくないという気持ちがあるが、そのために自分でできることは、「少しでも真実に近づく」ことであると考えている。今まで、東アジアに関する様々な本を読んできたが、いつもどちらかに片寄っている気がして、読んでいて疑問を感じることが多かった。「日本は悪である」という考え方がある一方で、「東京裁判は間違いである」という考え方もある。世界史の中の人種差別・植民地・戦争の歴史のひとつとして太平洋戦争を大局的に見ていきたい。
この本は、加瀬英明さんとヘンリー・S・ストークスさんの二つの視点で書かれているので、より客観的で信頼できる部分が多い気がする。世界史の一部としてアジアの歴史を学ぶにあたって、できるだけ多くの人に読んで欲しいと思った一冊である。
Posted by ブクログ
2人の著者による新書。前半は加瀬氏、後半はヘンリー・S・ストークス氏に分かれている。
加瀬氏の内容については他の本で知った内容が多く特に目新しい点はなかったが、やはりアメリカという国の欺瞞を感じる。
ヘンリー・S・ストークス氏の内容については、インドネシアの独立の流れ、また岸田秀氏やチャンドラ・ボース氏のことにも触れており、英国の方とはいえ客観的に歴史を見られている印象を持った。
今現在、弱体化しているとはいえアメリカの覇権が続いており、次の覇権国は何処になるのか興味深いところではあるが、おそらく自分がその世界を観ることは無いのだろうと思う。
Posted by ブクログ
この作品が扱っている出来事は,とても地理的な範囲が広いとともに,時間軸でも長いものです。それだけ,いろんな見方ができると思います。それについて読んで,知り,考えることは大切だと思って読んでいました。
Posted by ブクログ
「それまで鎖国状態でほとんど農民漁民で温厚な日本人がなぜ明治維新後わずか30年ほどで西洋諸国にケンカをふっかけたのかの原因を知りたい」マニアな私にはとても参考になる一冊。日本が対英米開戦に踏み切った原因を、日米の公式記録をもとに分析したもの。今や東京裁判が茶番で国際法上も根拠の無い裁かれ方をしたことは理解されつつあるが、それでも行き過ぎた自虐史観は根強く、こういう事実もきちんと把握すべき。憲法解釈の問題が喧しい昨今だが、盲目的に護憲を唱えるのはいかがなものか。残念ながら世界はそれほど「誠意」に満ちた場所ではない。
Posted by ブクログ
むっ茶偏っている。
アメリカがいかに日本を追い詰めて行ったかというのは面白いが、日本は誠の国とか、人種差別をしたことが無いとか、気持ち悪い描写も多い。
Posted by ブクログ
"戦争を仕掛けた"のはアメリアで”奇襲”した日本ではなかったという論調。開戦前から過酷な経済制裁をかけておりこれは”戦争行為にあたる”ということ。さまざまな証言や当時の記録がいろいろ紹介され、早い時期からルーズベルトが対日戦争を計画していたのは確かだろう。一方日本ではロシアは仮想的としていたが他の国は想定せず準備していなかったという意見はどうだろう。アメリカも仮想的として想定していたという意見もある。 戦争にけし掛けた日本が(白人側の?)予想以上に初期に戦線拡大して、多くのアジア諸国の民族自立の方向をつけた、というのは歴史の皮肉か。そうはいっても洋の東西をとわず敗者には歴史評価は厳しいので、日本が戦前偉大なことをしたといってもやはり説得力には欠ける。 この本はどこか無知なものへの噛んで聞かせるような言い回しがあるが、アメリカが民主的な平等国家であるので外交戦略に謀略を用いないなどと信じる日本人がいまだ、いるだろうか、と思った。