【感想・ネタバレ】孫子に経営を読むのレビュー

あらすじ

グーグル、サムスンの勝利は『孫子』にある
戦略の聖典を達人が縦横無尽に読み解く

正の戦略と奇の戦略を組み合わせて勝利したグーグル、「やむを得ざる状況」を作ってJALを再生させた稲盛氏、 日本企業を巧みに誘導したサムスン――。
彼らの選択は、『孫子』によって説明できます。

「算多きは勝ち、算少なきは勝たず」
→論理的積み上げの大小が、未来を決める(ヤマト運輸・小倉昌男、本田技研工業・藤沢武夫)

「戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ」
→まず正攻法、そこに奇手を組み合わせる(グーグル)

「兵の形は実を避けて虚を撃つ」
→物理と心理の、両方の虚を撃つ(アップル・ジョブズ)

「兵に常勢なく、常形なし」
→経営とは、リズムである(曹操)

など、伊丹氏が感銘を受けた30のキーワードを抽出。

経営者の役割、リーダーシップ、戦略的思考などの6つの章に大胆に整理し、チャーチル、韓信、西山弥太郎、本田宗一郎、三枝匡、數土文夫、トヨタ自動車、ソニー、コマツ、東芝、本田技研工業、3Mなどの、実在のリーダー、企業のエピソードを交えて、真に学ぶべき点は何かを解説、競争を勝ち抜くための実践的ヒントが満載のビジネス書です。従来の『孫子』の解説書は、軍事研究者、中国研究者が当たることが多く、戦略を熟知した経営学者が真正面から解説することはありませんでした。本邦初の対決をお楽しみください。

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Posted by ブクログ

140814伊丹敬之 孫子に経営を読む 第一章 経営の本質
1.兵は国の大事なり・・・国防・戦争・兵士
企業の大事は何かを考えるのが経営者
(1)少数のポイントに絞って合理的に考える
(2)大事だから、君主の責任
戦争を管理するのも政治 企業経営者は技術を理解して経営する責任
2.「道」「天」「地」「将」「法」
(1)理念 
(2)(3)「環境」(外部要因)→戦略 
(4)指揮官 
(5)経営システム
理念・戦略が良いと「人が育つ」 →松下幸之助・稲盛和夫
3.算多きは勝ち、算少なきは勝たず 戦は始まる前に勝負がついている
(1)戦は実は論理である
(2)事前に深く考えた人が結局は勝つ
経営者の仕事で特に大切なのは、「企業の発展の構想を創る」こと
→歴史に恥じない算をせよ
(1)歴史の流れを踏まえて考えよ
(2)大きな地図の中に自分を置いて考えよ
4.勝ちを知るに五あり
(1)状況における自分の立ち位置   戦うべきかの判断ができる者
(2)現場での人や資源の運用  
(3)人心の統一 ベクトルを揃える
(4)自分の側の準備や蓄積
(5)現場への権限委譲  君は将にいちいちコントロールしない
→君は何について考えるべきか、到達点は
どんな状態の姿に国を、組織をもっていくべきか
5.君がやるべきでないこと
(1)現場を知らずに口を出す
(2)複数の司令は現場を惑わす
(3)君の指示で成果が出ないと現場は疑う
←君の御せざる者は勝つ[4-(5)]
 自律感こそ、大切(モチベーション)
経営システムをきちんと作る事 松下幸之助「任せて、任さず」
The Captain bites his tongue until it bleeds.
船長は、血が出るまで舌を噛んで、我慢する(孫子 英米海軍 3M )

140815伊丹敬之 孫子に経営を読む 第二章 将のあるべき姿
1.将とは、智・信・仁・勇・厳なり
智が最上位 「戦とは論理である」
孫子vsマキャヴェリ(恐れられるべき)
恐れられれば、当面は人は従う。しかし、長期にわたって国家の安寧を考えると、信や仁をより重視する方が、兵士や民が納得してついてきてくれるであろう。
2.戦わずして勝つ
競争戦略の極意 
争いのマイナスインパクト双方に大
競争の害を知り、利を知る
智・信・仁を備え、戦の実態知る将が大事
現場の指揮官は、働く人々の運命を左右する存在で、企業の安危を決する存在
現場の指揮官はいたずらに現場を疲弊させてはならない
3.戦では、兵をあえて危険な状況に投入することが必要なこともある
勝算のある戦略を作るべし
自社の資源の展開の仕方を考え抜け 大胆かつ細心に
4.君命に受けざる所あり 志ある抗命
将には、それだけ現場の責任がある
福島原発所長 吉田昌郎氏 情報の豊かさと動機の公正さ
死ぬ覚悟で事故の悲劇的拡大を防ぐ決意 「国の宝」
気概をもって君命を受けない将 それで自分の評価が落ちることに頓着しない将
5.将のやってはいけない五危 「視野狭窄」全体の状況をみず 大きな展望が無い
(1)必死になること
(2)必生 消極になるダイナミズム喪失
(3)短期・怒りっぽい
(4)廉潔
(5)愛民

140815伊丹敬之 孫子に経営を読む 第三章 兵の情
1.とにかく勝つ 拙速・小さな勝利
スピード第一で、小さな勝ちで良いから勝つ
兵は勝つことを貴ぶ←疲労感・猜疑心
⇒バブル崩壊 勝ち戦を忘れた 負け続き
2.追い込まれて初めて出るエネルギー
危機意識 JAL稲盛和夫氏 意識改革を実現
3.クールヘッド・ウォームハート
アルフレッド・マーシャル
Cool heads,but Warm heart.
butでつながる Cool headはCool heart
4.まず太陽、しかも北風も
兵は恩徳で心を合わせ、刑罰で統制する
cf曹操の陣は、粛然、しかし陰である
自発性が小さく、生き生きとはしない
「文」と「武」→「共感」
5.百言は一行に如かず

140815伊丹敬之 孫子に経営を読む 第四章 戦略の真髄
1.戦略の基本は「正」そこへ「奇」を加えると勝てる
まず正の意味
?柔軟な行動への基盤の準備
?敵の側の予想の誘導
奇を加える意味
?正だけの消耗戦の回避
?奇正の組合せ無限 柔軟・ダイナミック
2.戦略の本質は「事前の仕込み」
戦いの前に勝てる態勢と状況を作る
その上でタイミングを見て実際の戦いを
→仕込みが不十分となりがち
?事前準備の負担感 判断の甘さ
?局面対応を優先 とりあえず目の前の敵
派手狙いは、人目は引いても、機能し難い
3.「虚」を撃つ  物理と心理
相手が困る、驚く戦略を取る
4.主導権を握る 
ex日産自動車2010年電気自動車に賭ける
(1)準備を整えておく
(2)変幻自在スピーディ 相手を翻弄
顧客に対しても提案で主導権を握る
⇒戦略は「主導権」 「人に致して、人に致されず」
5.兵とは詭道 サプライズこそ戦略
(1)戦は単なるきれい事だけでは済まない
  しかし、清冽な部分が基本になければ、長期的には持たない
(2)顧客を驚かす
「イノベーションとは感動である」SONY

140815伊丹敬之 孫子に経営を読む 第五章 戦略的思考とは
1.己を知り、天を知る
敵と己を知る、百選連勝
その前提は環境条件を踏まえることが条件
?天 気候・天候・時間
?地 地形
⇒経営では「顧客」
 3C Customer Competitor Corporate
「自己中心的に地図が歪む」
exニューヨーカーのアメリカ地図
⇒「己」を知ることが戦略の基本
自分の見えざる資産をよく知ることは難しい 戦略の難しさ
2.害の全体、次に利
利と害の両面を考慮し、総合的に判断せよ
3.大胆直行
4.まず動き情報を集める
5.学習する能力が死命を制する

140815伊丹敬之 孫子に経営を読む 第六章 勢いは経営の肝
1.現場は勢いが基本
2.タメを作り、一気に放つ
3.勢いは人材を超える
4.組織崩壊の力学
5.経営とはリズム

140815伊丹敬之 孫子に経営を読む
一読しただけでは、理解は行き届かないのが古典
それにしても伊丹先生の読解・解釈には心の底から脱帽と敬意
世界に通じる経営学者は、野中郁次郎先生と伊丹敬之

0
2026年06月21日

Posted by ブクログ

・一に道、二に天、三に地、四に将、五に法(一が理念、二と三が戦略(環境)、四が現場の指揮官、五が経営システム)
・将とは、智・信・仁・勇・厳なり
・君命に受けざる所あり―将には、兵士の命と民に安寧を預かる責任がある。その責任の大きさに鑑みれば、将は臨機応変の処置で君命に反することを辞さないくらいの気概をもて
・犯(もち)うるに事を以てして、告ぐるに言を以てすること勿れ―兵には任務を与えるだけで、理由を説明するな。有利なことを告げるだけで、害になることを告げるな―理由を説明しなければならないのは、日常的な状況でのマネジメント。重大な状況、危機的な状況に追い込まれた際には、経営の現場でも詳細な説明などしない方いいことも多い
・勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む―派手ねらいは、人目を引いても、機能しにくい。事前の仕込みだけが、勝ちの秘訣である。しかも仕込みでは、外からは見えにくい小さなこと、微妙なことが勝負の鍵を握る
・彼を知りて己を知れば、勝ち乃ち殆うからず。地を知りて天を知れば、勝ち乃ち全うすべし―己をしることがじつは戦略的思考の基本。とくに、工場設備や軍隊の武器、従業員や兵士の数、といった目に見える資源としての己ではなく、目に見えにくい自分の技術、兵士や従業員のスキル、そして組織の風土やモラール、そうした自分の「見えざる資産」をよく知ること―戦略を考えるとは、己をまず知る、そのうえで彼を知り、そして天と地を知る、というじつに繊細な思考を要求される作業なのである
・智者の慮は、必ず利と害を雑(まじ)う―まず、利と害をともに考える、という発想をもつ
・迂を以て直と為し、患を以て利と為す―迂直の計の三つのキーワード「大胆直行」「迂という詐」「迂による蓄積」
・善く戦う者は、これを勢に求めて人に責(もと)めず

0
2018年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本の経営学の第一人者、伊丹敬之氏
が経営の視点から読み解いた一冊。

孫子から経営について含蓄のある言葉
を30選び、トピック毎に再構成した
内容。

それにしても、著者が選ぶ言葉が秀逸。
「兵は国の大事なり」「兵は詭道なり」
等の有名な言葉が選ばれている一方、
「おっ!それを選びますか!」と感心
する言葉も選ばれている。

例えば「勝ちを知るに五あり」。これ
は有名な謀攻篇の一説「彼れを知りて
己を知れば、百戦して殆うからず」の
直前の言葉。通常は名文句に隠れて
しまう所だが、著者は敢えてこの言葉
に注目し、経営学者らしい視点で、
この一説の意義を考察する。

又本書は、孫子の言葉を岩波文庫版の
金谷治の新訂「孫子」から引用し、頁
が記載されてるため、岩波文庫版を
メインに孫子を読んでいる私にとって
本文を参照するのに大変便利であった。

経営学者視点の解説が非常に参考に
なる一冊。

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2015年06月29日

Posted by ブクログ

世界最古の戦略書(?)である孫子が、企業の経営戦略にも役立つと言われるが、実際に孫子を読んで、その内容を企業経営向けに理解しようとすると、意外に難しいものである。そもそも「戦争」を前提にして書かれた戦略書なので、競合企業との戦いをイメージするが、単純には対応させられないことが多いと思う。本書で取り上げられている原書である「金谷版の孫子」も何回か読んだが、上記のような感想を持っていた。
本書は、経営学者である筆者が、単に孫子と経営学を結びつけるのではなく、経営学の視点から逆に孫子を読み解いている。したがって、多少強引な論理展開でも、役に立つ孫子の解釈で面白い。筆者の言うとおり、孫子は「深い」読み物だと感じた。
章建てが、孫子の章建てではなく、経営学としての章建てになっているのもユニークで面白いと感じた。
孫子を読んだことがあっても、無くても、いろいろと示唆を得ることのできる一冊。

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2014年10月20日

Posted by ブクログ

経営学とくにMOT関連の論文・書籍の多い
伊丹氏による孫子の解説本。
面白く読みましたが、特に新たな発見はなく。。
孫子の解説本は何回か読みましたが、そんなに
心の奥には入ってこず。。これは原典を読むしかないか
と思ったりします。訳本しかよめませんが。

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2014年12月21日

Posted by ブクログ

何度読んだかわからない、孫氏の本。

著者の癖が強く読みづらいけど、過去一番網羅的にわかりやすかったりもした。
基本的に目次に書いてあることがすべてで、目次でわからないところを本文で補うだけで十分。
孫子の原文は、漢語でエッセンスだけ書かれているので解釈には幅があり、伊丹さんの解釈が書いてある。

誰かに経営レイヤーの勉強をさせたい、そしてその対象が歴史好きである。という場合におすすめしたい本。

0
2025年01月07日

Posted by ブクログ

面白いし、赤線も引きまくったけど、
僕には『落とし込みにくい本』ではありましたね。

やはり『兵法』なので、
敵との対峙(僕の場合ならライバル店との販売対決)にはとても役立ちそうだったけど、
もうグルメイベントへの出店も無いだろうから、
実践することはないと思う。

『お客さん』は『敵』ではないので、
お客さんに対して孫子の兵法を用いれば、
お客さんを欺いたり裏をかくことになる。
それはむしろ、信用を失えかねないのでお店としてはマイナス。

大きめの会社や、常にどこかと競争してるような会社やお店のリーダーにオススメです。
(๑¯◡¯๑)

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2020年01月12日

Posted by ブクログ

紀元前6~5世紀の中国で書かれた兵書とされる「孫子」の言葉を、経営の観点から読み解き、現代のビジネス事例にも当てはめながら、今日の経営者が学ぶべきポイントを簡潔にまとめた、"ありそうでなかった"一冊。

軍事と経営には、戦略を策定・実行することで勝利を目指す点においては共通項が多いが、春秋時代に書かれた書物に、現代の経営にも活かせる示唆が溢れていることに驚きを禁じ得ない。個々の事例が示す教訓はもちろん、戦において、時に「戦わない」ことも含め、"何を考えるべきか"をとことん突き詰めた理論の「幅と深さ」が、「考える」という基本姿勢のあるべき姿を示しているようにも感じる。

もちろん本書が経営学者の視点からみた「一つの解釈」だという点は、著者自ら認めているところであり、また経営学的な学びということであれば、他の数多あるビジネス書を紐解けば済む話でもあるが、「孫子って最近よく聞くけど、何がすごいのだろう」という(自分のような不勉強者の)素朴な問いに対する回答として、或いは原典にあたる前の入門書として、一読の価値があるのではないかと思う。

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2015年06月08日

Posted by ブクログ

面白い切り口でした。
現代に置き換えるパターンがAppleかSAMSUNGに限られててバリエーションが乏しかった感もあります。
孫子は奥が深くてまだまだよく分かりません。

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2014年11月05日

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