【感想・ネタバレ】機巧のイヴ(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

天府城に拠り国を支配する強大な幕府、女人にだけ帝位継承が許された天帝家。二つの巨大な勢力の狭間で揺れる都市・天府の片隅には、人知を超えた技術(オーバーテクノロジー)の結晶、美しき女の姿をした〈伊武(イヴ)〉が存在していた! 天帝家を揺るがす秘密と、伊武誕生の謎。二つの歯車が回り始め、物語は未曾有の結末へと走りだす――。驚異的な想像力で築き上げられたSF伝奇小説の新たな歴史的傑作、ここに開幕!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

普段あまり手にすることのないSF、時代物、そんな一見して交わることのなさそうな2つのジャンルが掛け合わさるととんでもない作品が生み出されました。

その名は「機巧のイヴ」。

主人公を変えながら進む5作の連作短編が生み出す衝撃の面白さ。

江戸時代を匂わせる時代設定の中で、現在の科学技術でも創り出すことが出来ない人知を超えた技術の結晶、美しき女の姿をした〈伊武〉が存在!

いわゆる人型ロボット(アンドロイド)なのですが、無論、ICチップもコンデンサも、モーターさえも入っていません。

所謂、からくり人形です。

しかし、この伊武がなんともいえないぐらいに魅力的なんですよねー。

続編買わなくちゃ。

説明
内容紹介
SF×伝奇=未体験ハイブリッド小説!!
「歴史的傑作! この女に命が無いのなら、命とは一体なんなのか」(?大森望)
天府城に拠り国を支配する強大な幕府、女人にだけ帝位継承が許された天帝家。二つの巨大な勢力の狭間で揺れる都市・天府の片隅には、人知を超えた技術=オーバーテクノロジーの結晶、美しき女の姿をした〈伊武(イヴ)〉が存在していた! 天帝家を揺るがす秘密と、伊武誕生の謎。二つの歯車が回り始め、物語は未曾有の結末へと走りだす──。驚異的な想像力で築き上げられたSF伝奇小説の新たな歴史的傑作、ここに開幕!
目次
機巧のイヴ
箱の中のへラクレス
神代のテセウス
制外のジェぺット
終天のプシュケー
解説 大森望
出版社からのコメント
大森望、絶賛!!
ロボットと時代小説。一見、ほとんど正反対の両者をみごとに溶け合わせて、ほとんど前例が見当たらないほど独創的な物語を組み立てたのが、本書『機巧のイヴ』。古今のSF時代小説の中でも指折りの、まさにインスタント・クラシックーーこの先、SFの歴史に古典として長くその名が刻まれるだろう名作だ。
内容(「BOOK」データベースより)
天府城に拠り国を支配する強大な幕府、女人にだけ帝位継承が許された天帝家。二つの巨大な勢力の狭間で揺れる都市・天府の片隅には、人知を超えた技術の結晶、美しき女の姿をした“伊武”が存在していた!天帝家を揺るがす秘密と、伊武誕生の謎。二つの歯車が回り始め、物語は未曾有の結末へと走りだす―。驚異的な想像力で築き上げられたSF伝奇小説の新たな歴史的傑作、ここに開幕!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
乾/緑郎
1971(昭和46)年、東京生れ。2010(平成22)年、『完全なる首長竜の日』で『このミステリーがすごい!』大賞を、『忍び外伝』で朝日時代小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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2022年12月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

先の時代を垣間見る様なストーリーで
からくり人形を通してそれぞれの心情を垣間みせ
心を宿すのかという問いかけている。
日本はAIロボットに愛着がある民族なのですんなりと読めると思います!

0
2023年11月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分で自分を決められる、たった一つの部品だ。無くすなよ。
ってあれは泣いた。


きっと、どういう仕組みで動いているか、それをひとつひとつ解明していっても、じゃあそれが何故動いているのか、って問いには誰も応えられないのだろう。
ひとも機巧も。



SF…でありファンタジーであり、時代小説であってミステリである。
……胃もたれするわね!

SFとしては非常にオーソドックスなテーマを、各章で角度視点を変えて丁寧に描いている一方、衒学的時代小説感がそこになんとも云えない艶を出していて。なんというか、やけにヱロい。本来の意味でのエキゾチック、というか。


最終章で、神器(と呼ばれているもの)の行動に、機巧は機巧でしかないのか、という絶望を感じてしまったのだけれど…これは本当かなぁ。
なんだかこの部分にだけ、大きな違和感が残っている。

いのちのありか、こころのありか。

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2019年08月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人間と、機巧人形と。そのどこに違いがあるのだろうか、とぼんやり思った。
いろいろなかたちの関係が、連作短編のかたちで描き出されている。だが、技術について、情の交らないように表現したうえで、ふとした瞬間にたましいの要素が交ざるというのがとても興深く感じられた。
ちがいというのは、「本来異なるものが一緒に居るにはどうしたらいいか」を考えるときとくに意識されるものなのかもしれない。春日が好き。

0
2018年09月27日

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