あらすじ
天府城に拠り国を支配する強大な幕府、女人にだけ帝位継承が許された天帝家。二つの巨大な勢力の狭間で揺れる都市・天府の片隅には、人知を超えた技術(オーバーテクノロジー)の結晶、美しき女の姿をした〈伊武(イヴ)〉が存在していた! 天帝家を揺るがす秘密と、伊武誕生の謎。二つの歯車が回り始め、物語は未曾有の結末へと走りだす――。驚異的な想像力で築き上げられたSF伝奇小説の新たな歴史的傑作、ここに開幕!
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
SF時代物ミステリ。
①機巧のイヴ
人そっくひの機巧人形を作りたい。
仁左衛門が頼む。
遊女の羽鳥、そっくりの機巧人形を作る。そのため、身体の隅々まで調べられた。色々な言葉を喋らさせ、爪や髪、陰毛、唾液なども採取。
羽鳥を自由の身に。
伊武。出来上がった機巧人形。
久蔵に騙されていると気づく?
伊武を斬ると生身の人間。
仁左衛門自身が機巧人形。
すでに一度、羽鳥と心中沙汰を起こしている。死んだのは仁左衛門。
②箱の中のヘラクレス
人気絵師。
捔力の天徳。
清十郎、天徳の腕を斬る。「見せしめだから命をはまではとらねえよ。だが、捔力としては今日出終わりだな。湯屋で客の背中を流すのに、腕は二本もいらねえだろう」
伊武がみつけて、天徳を連れてきた。
久蔵。
腕を作ってもらうことに。
また、相撲に戻れた。
土俵で勝手に右手が動き、行司が止めなければ相手を殺していた。
清十郎がまた襲ってきたので返り討ちにして、殺した。
逃げる。
女に会う。自分を捨てたかつての母親?
右手が勝手に動き、女の首を絞める。
追手がくる。
天徳、力尽きる。
戈尹斎、絵師。伊武の名前から、人でないものが描いた絵だということで伊の字から 人編をとり、武の止め部を削ってほこがまえを残し、上下入れ替えた洒落。
③神代のテセウス
いつも願掛けをしている女、伊武。
甚内は声をかける。
いつか釘宮久蔵の本当の娘になれるようにと観音様に願掛けしている。
天帝家に伝わる「神代の神器」
甚内、雇い主の
垣田の屋敷に行く。一家惨殺。
番所が来る。はめられたか?
濡れ衣を着せられるが、逃げる。
甚内、垣田が殺された理由に興味を持つ。
伊武にまた会う。
伊武、甚内が釘宮久蔵のことを探っているのに気づいていた、
甚内「釘宮久蔵は、比嘉恵庵とどのような関係にある?」
見当違いのことで動いてるようですね、と伊武。去っていく。
甚内、精煉方の敷地に忍び込み、天帝家の「神代の神器」に関する書物を探ることに。
『其機巧巧之如何を了知する能ず』と書かれた書物を盗む。釘宮久蔵に会わねば。
甚内、釘宮久蔵に聞く。
「今、御所におられる天帝は、人ではないな?」
甚内が見た書物が人と寸分違わぬ機巧人形を作り上げるやり方。
『神代の神器』を細部まで見聞し、修繕と称して部品を取り替えた。古い部品を新しい部品に少しずつ取り替えた。最期にはすっかり全部取り替えた。本物はどっち?
甚内、伊武の瞳の奥に神代の数千年の記憶を垣間見たような気がした。
④制外のジェペット
御公儀の中でも天帝が機巧人形であることを承知しているのは、貝太鼓役の他は甚内と、あとは釘宮久蔵くらい。
天帝の身の回りの世話をするものが少ない。身近に接していれば、天帝が人間でないことを看破してしまう者もいるがらその娘の運命は死。
帳内の娘、春日。
春日に天帝が言う。「朕が人ではないことな、もう知っていますね。長いこと朕の身体は修繕を受けていません。生みの親である比嘉恵庵様がこの世を去ってしまったから。間もなく、朕の体の機巧は動きを止めると思います」
甚内の計画。
春日を用意していた死体とすり替える計画。
バトルの末、春日を連れ出す。
甚内、久蔵の屋敷に。伊武に頼まれた長須鯨の絵が書かれた箱。
梅川喜八に会う。
甚内、捕まる。
甚内、ボロボロになって伊武の元に戻る。「会わせてくれ、拙者が春日だと思い込んであた、あの娘に」
春日だと思われていいた娘が帝国の機巧人形だった。
⑤終天のプシュケー
甚内はかつて、喜八に拷問を受けて両手両足の指を何本かを失ったが、生えていることに喜八は驚く。
甚内、今は機巧師見習い。
久蔵、昔を思い出す。
女が子を身ごもるとき、二つの魂が体に宿っていることになる。どこかで、魂が宿るのだとしたら、機巧にも魂が宿ることもあるのでは。
イヴの胸を揉みしだく。→人間とほぼ同じ設定だから胸も柔らかいのか。ちょくちょくエロシーンはあるので、そこは人を選ぶかな。
幕府清煉方手伝、釘宮久蔵。
比嘉恵庵が「神代の神器」である伊武に似せて作った機巧人形。
甚内、蟋蟀を踏み潰して気づくり戦蟋会の場に現れた神器は、この〈鳶梅〉を探していた。恵庵の手によっえ、天帝凌に神器が再び封印された時、この機巧虫も一緒に封印された。
神器にとっては、暗く閉ざされた天帝凌の中てま唯一、孤独な時を共にしてきた友がこな機巧虫だったのでは。
→時代物にSFの人型ロボットを混ぜる圧倒的世界観。それだけでなくミステリ要素もあるので、展開が面白い。
Posted by ブクログ
完全なる首長竜の日の乾緑郎さん、ということで読破
メチャクチャ面白かった
時代物xSFということで楽しめるか?と思ったが良かった
短編集のようになっているが絶対最後まで読むべし、続編もあるらしいので読む
人とアンドロイドの違いは何か、心とはいつどこで発生するのか
Posted by ブクログ
普段あまり手にすることのないSF、時代物、そんな一見して交わることのなさそうな2つのジャンルが掛け合わさるととんでもない作品が生み出されました。
その名は「機巧のイヴ」。
主人公を変えながら進む5作の連作短編が生み出す衝撃の面白さ。
江戸時代を匂わせる時代設定の中で、現在の科学技術でも創り出すことが出来ない人知を超えた技術の結晶、美しき女の姿をした〈伊武〉が存在!
いわゆる人型ロボット(アンドロイド)なのですが、無論、ICチップもコンデンサも、モーターさえも入っていません。
所謂、からくり人形です。
しかし、この伊武がなんともいえないぐらいに魅力的なんですよねー。
続編買わなくちゃ。
説明
内容紹介
SF×伝奇=未体験ハイブリッド小説!!
「歴史的傑作! この女に命が無いのなら、命とは一体なんなのか」(?大森望)
天府城に拠り国を支配する強大な幕府、女人にだけ帝位継承が許された天帝家。二つの巨大な勢力の狭間で揺れる都市・天府の片隅には、人知を超えた技術=オーバーテクノロジーの結晶、美しき女の姿をした〈伊武(イヴ)〉が存在していた! 天帝家を揺るがす秘密と、伊武誕生の謎。二つの歯車が回り始め、物語は未曾有の結末へと走りだす──。驚異的な想像力で築き上げられたSF伝奇小説の新たな歴史的傑作、ここに開幕!
目次
機巧のイヴ
箱の中のへラクレス
神代のテセウス
制外のジェぺット
終天のプシュケー
解説 大森望
出版社からのコメント
大森望、絶賛!!
ロボットと時代小説。一見、ほとんど正反対の両者をみごとに溶け合わせて、ほとんど前例が見当たらないほど独創的な物語を組み立てたのが、本書『機巧のイヴ』。古今のSF時代小説の中でも指折りの、まさにインスタント・クラシックーーこの先、SFの歴史に古典として長くその名が刻まれるだろう名作だ。
内容(「BOOK」データベースより)
天府城に拠り国を支配する強大な幕府、女人にだけ帝位継承が許された天帝家。二つの巨大な勢力の狭間で揺れる都市・天府の片隅には、人知を超えた技術の結晶、美しき女の姿をした“伊武”が存在していた!天帝家を揺るがす秘密と、伊武誕生の謎。二つの歯車が回り始め、物語は未曾有の結末へと走りだす―。驚異的な想像力で築き上げられたSF伝奇小説の新たな歴史的傑作、ここに開幕!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
乾/緑郎
1971(昭和46)年、東京生れ。2010(平成22)年、『完全なる首長竜の日』で『このミステリーがすごい!』大賞を、『忍び外伝』で朝日時代小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Posted by ブクログ
先の時代を垣間見る様なストーリーで
からくり人形を通してそれぞれの心情を垣間みせ
心を宿すのかという問いかけている。
日本はAIロボットに愛着がある民族なのですんなりと読めると思います!
Posted by ブクログ
自分で自分を決められる、たった一つの部品だ。無くすなよ。
ってあれは泣いた。
きっと、どういう仕組みで動いているか、それをひとつひとつ解明していっても、じゃあそれが何故動いているのか、って問いには誰も応えられないのだろう。
ひとも機巧も。
SF…でありファンタジーであり、時代小説であってミステリである。
……胃もたれするわね!
SFとしては非常にオーソドックスなテーマを、各章で角度視点を変えて丁寧に描いている一方、衒学的時代小説感がそこになんとも云えない艶を出していて。なんというか、やけにヱロい。本来の意味でのエキゾチック、というか。
最終章で、神器(と呼ばれているもの)の行動に、機巧は機巧でしかないのか、という絶望を感じてしまったのだけれど…これは本当かなぁ。
なんだかこの部分にだけ、大きな違和感が残っている。
いのちのありか、こころのありか。