あらすじ
「千三つ」と呼ばれるほど、新規事業を当てるのは難しいと言われています。
これまで、新規事業は成功を収めた企業や経営者による「戦略論」によって語られてきました。
しかし、戦略が良くてもコケるのが現実。では一体、何が真の問題なのか…?
本書では、その答えを探るべく、暗中模索の新規事業を統計データと質的データを用いて解剖し、新規事業をめぐる現場と組織を科学的に分析しました。
その結果見えてきたのは、新規事業部に配属された人々の孤独な茨の道。
「新規事業を成功させるのは斬新なアイデアではなく巻き込み力」
「新規事業の敵は『社内』にあり」
「出島モデル、ゼロイチ信奉の罠」
など、定説を覆すような、“人”をとりまく現実が明らかとなりました。
本書は、新規事業の担当者、現場マネジャー、経営幹部を成功に導く最先端の「見取り図」です。
[目次]
・はじめに
・「事業を創る人と組織に関する実態調査」の概要
・序章 事業創造の実態を探る
・第1章 新規事業は「人」で決まる
・第2章 データで見る、創る人の実像
・第3章 創る人を発掘し、任せる
・第4章 創る人を支える
・第5章 創る人と事業を育てる組織
・第6章 Interview 事業を創る先進企業の最前線
・おわりに
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Posted by ブクログ
新規事業系のセミナーで紹介があった本。
紹介でもあった通り、人と組織に着目された本であり、どのような構造を作ることが大事であるかについて記載されている良著。
メモ
・新規事業の敵は組織の構造
・新規事業は数の勝負。挑戦母数をいかに増やすか
・新規事業を任せるとは、権限を付与し、新規事業を創るプロセスを伴奏しながら支援し、結果に対する責任を共有するということ
・既存事業との関連を無視して新規事業を考えることはできない
社内外の様々な利害関係主体を巻き込み、資源を動員する組織的なプロセス
経済成果を生み出す活動
・新規事業には市場開発、新製品サービス開発、多角化に分類可能
・新規事業、アイデアの創出以上に社内の理解・巻き込みに苦労しているケースが多い。
・資源動員の仕組みが伴っていない新規事業・アイデアは報われることなく機能しない。プラン採用後に資金や人員を動かせることを保証するメカニズムが重要
・新規事業の4つのジレンマと11の問題
既存事業部門ジレンマ
既存事業部門とのミスコミュニケーション
既存事業部門からの批判
経営層上司ジレンマ
経営陣の反対
上司による場当たり的なマネジメント
上司による必勝前提としたマネジメント
部下ジレンマ
戦力人材を確保できない状況下でのマネジメント
後手に回る部下の育成
モチベーションの低い部下のマネジメント
自己ジレンマ
新規事業プランを生み出せないジレンマ
過去の成功体験に基づく施工体系の適用と失敗
新規事業部門の解散、または解散の危機
・新規事業には分析アプローチとポジティブアプローチどちらも必要。
・キーマンは経営者、新規事業経験のある上司、社外の新規事業担当者。
経営層が管掌している新規事業ほど業績が上がりやすい
・社外の創る人と関係を持つことの効果
事業での成果に対する効果
知の探索による外部資源獲得
事業アイデアに対する客観的評価の獲得
著名効果の(社内政治効果)の活用
事業を創る人の成長学びに対する効果
置かれた境遇の相対化
自己の市場価値の認識(自己効力感の増大)
自組織に対するエンゲージメントの促進
・新規事業に肯定的な組織風土は新規事業業績にポジティブな影響
・風土づくりのキーワード
会社の本機をトップ自らが示す
創る人が損をしない仕組みを創る
全員が事業を創る人になる仕掛けを用意する
新規事業を前者で育てる育成事業と捉える
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