【感想・ネタバレ】八甲田山 消された真実のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2019年08月17日

小説はあくまでも創作物であり、事実ではない。
小説にはヒーローが付き物だが、現実にはなかなか出現しないものである。

八甲田山の遭難は、冬山に物見遊山感覚で挑み、やるべきことをやらず、やってはいけないことをやった結果の最悪の結果。

そして残念ながら、偉い人が要らぬ口出しをして現場を引っ掻き回すのも...続きを読む、問題が発生した時に隠蔽しようとするのは、今も多くの組織で起こっている。

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Posted by ブクログ 2018年03月17日

映画「八甲田山死の彷徨」を見た人なら、徳島大尉に憧れたことだろう。高倉健演じる徳島は冷静沈着、用意周到で、寡黙ながら思いやりを感じさせた。ところがどっこい資料を丹念に調べると全く正反対だったりする。この企画そのものが福島氏(映画では徳島)の出世欲と虚栄によって成立した側面もあるようだ。ただ確かに冷静...続きを読む沈着で用意周到ではある。案内に立った地元の村人への扱いが苛烈極まることが映画との決定的な相違で、村人たちは後遺症に苦しめられ、悲惨な余生を送った者もいたという。もう一方の神成大尉たちのダメさは言うに及ばず。著者は現役自衛官時代に八甲田山の雪中行軍を実体験しているのでその経験も活かした叙述には信頼を置けるように思う。資料も丹念に読み込み、映画や新田次郎の小説との相違を次々指摘する。幻滅すること請け合いだが、興味持った人は読むべき。それいにしても現在も青森第5連隊や弘前31連隊が競うように雪中行軍をしているとは面白い。

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八甲田山遭難の原因がわかる!

あんこ 2020年07月21日

当時の新聞や、生き証人の証言をもとに書かれている。八甲田山の遭難の原因が、何であったのかが検証されていて、よくわかる。大変読みごたえのある一冊!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年06月02日

事故報告の隠蔽や捏造は現在でもよくあること…。
また第五聯隊が遭難中に関わらず、転出将校の送別会を優先というのも、問題が起きてもゴルフや会食を継続する現政府に通じるものがあります。助かった第五聯隊の殆どが下士官であり、一般兵卒でなかったところもまた、今も昔も犠牲になるのは下の者なのだな、という印象で...続きを読むす。
計画は師団長からの命令ではなく、福島大尉の考えであったこと、それに対抗した津川聯隊長が第五聯隊第二大隊に命じたこと、というのが「八甲田山死の彷徨」と大きく解釈の異なる点と思います。小説では第三十一聯隊の徳島大尉(福島大尉)が人格者であり、計画に際しても少数精鋭を選び抜いた印象でしたが、実際には見習士官と下士官による教育隊であり、単に人数がそれだけしかいなかった、と。
「八甲田山死の彷徨」は小説としてとてもよく出来ているので、ついそちらを真実のように思い込んでしまいがちですが、こういった当時の新聞や、資料を元にしたノンフィクションを一緒に読むのも面白いなと思いました。まあ作者は元自衛官で青森第五普通科連隊勤務だったとのことなので、こちらはこちらで第三十一聯隊を非難しすぎな向きもありますが…。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年03月25日

こういう解釈もあるというところが、妥当かと。
映画「八甲田山」やその原作小説が史実のように思われるのに憤慨するのはわかりますが、キレてどうすると。
5連隊長の捜索の遅れですが、二次遭難を考えたのかもしれません。ただ、200人遭難して、1人の救助に13人と仮定すると、連隊規模を越えるので、さっさと師団...続きを読む案件にするべきではありました。
凍傷対策における情報の共有がなされていないのは、組織としてどうなのかと。
証言、当時の新聞、公式資料を基にしていますが、それらの信頼性は低いと思います。
助かった人の証言も、低体温症で空腹の状態で日時、場所、誰が何を言ったなんかを憶えていられるものでしょうか。
文中に"大本営発表"とあったのですが、事件当時に大本営は無かったので、慣用表現として使ったと思われますが、紛らわしいです。
地図無しで行軍したとのことですが、露営場所をプロットした地図の出典はどこなのでしょう。
専門用語に説明が不足しています。
5連隊とか31連隊の連隊番号は通番なので、陸軍では一意に決まります。つまり、第1師団とか他の師団には5連隊という連隊は無いのです。
小銃の残置にこだわるのは、30年式は知りませんが、38年式だと菊の紋が刻印されていて、要は天皇から預かった体の扱いなのかと。それだけ重要なものなのです。
衛戍病院と陸軍病院(旧衛戍病院)を混在させるのは紛らわしいし、衛戍病院なんて普通は知らないかと。

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