あらすじ
血なんか繋がってなくても大丈夫。魔法のことば「お帰りなさい!」を大きな声で叫んだら、大好きなあの人は、たちまち大切な家族に変わるから。離婚し親にも勘当され、親友の父子家庭宅に居候しながら、家事と子育てに励む元シェフ渡辺毅と、再婚にも失敗し、愛情を注いで育てあげた前夫の連れ娘と引き離されたキャリアウーマン児島律子。それぞれの奮闘に温かな涙がとまらない2つの物語!
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Posted by ブクログ
鷺沢さんの本の中で一番か二番目に好きな本。
読みやすいしね。
特にひとつめの話は温かくて好き。
二つめはなかなか苦しい気持ちになるけど、ハッピーエンドなので。
Posted by ブクログ
本当に大好きな1冊
なかなかへんてこな家族構成をしていて、幸せなんだけど
世間の常識と比べると・・・と考えてしまう主人公
いろんなことがありながらもお互いに助け合いながら
絆を感じ、その形に感動する
Posted by ブクログ
笑ってるのに泣かされたり、泣いてるのに笑わされたり忙しくも楽しい読書でした。ココロはとても大満足。温かくなりました。
血の繋がりのない親子のお話2作。
親友の親子の家に住み家事全般を受け持つタケシパパのお話と、夫の連れ子の娘に愛情を注いだのに、別れてしまったことを後悔しているバリキャリの律子さんのお話。
どちらもじーんと胸にきました。実は初めて読む鷺沢萌さん。解説の三浦しをんさんの文章も素敵です。
Posted by ブクログ
『渡辺毅のウェルカム・ホーム』
憲弘(小学生)の家は少し変わっている。
お父さんがふたりいるからだ。
本当の父親である英弘と、その友人である毅がふたりの父親ということになるが、英弘は働きに出、毅が主夫(在宅で働いてもいるが)をしている。
そのことを憲弘が正直に作文に書いていることに焦る毅。
毅は英弘にマズイと相談をするのだが、それは自分が同性愛者だと誤解を受けているということではなく、自分が男としての沽券を大事にしているコンプレックスが浮き彫りにされる。
事実、毅は自分の収入だけでは生活が厳しくなったがために、忙しすぎて家事も子育てもできない英弘の家事を分担してくれれば養う(ほぼ)という条件を呑んだのだから。
この物語りは一瞬、ゲイカップルの子育て奮闘記かと思うのだが、そうではなくて血の繋がりがなくても家族というあたたかい共同体はできるのだと教えてくれる物語りだ。
『児島律子のウェルカム・ホーム』
キャリアウーマンの律子の元に、ある日突然訪れた若者。
「僕、セイナさんと結婚しようと考えている者です」
突然の告白に仰天するが、何より驚くのは読者だろう。
この時点で、律子は結婚もしていなければ子供もいない雰囲気なのだ。
しかし、そこから過去に律子が結婚しており、相手の連れ子(セイナ)を育てていた時期があることがわかる。
しかしあることをきっかけにセイナとはケンカ別れ。
夫とはその前からダメになっており離婚していた。
それから年月が経っての話である。
こちらも血の繋がりのない家族の物語。
読んでいて、よかったねぇと素直に感想が出る。