あらすじ
「猫の蚤とりになって無様に暮らせ!」主君の逆鱗に触れた長岡藩士・小林寛之進は、猫の蚤とり――実は“淫売夫”に身を落とす。下賤な生業と考えていた寛之進だが、次第に世に有用な、むしろ崇高な仕事だと確信する。ところが政権が変わり、蚤とり稼業が禁止に。禁令の撤廃を願い出る寛之進だが……。(表題作)江戸の浮き世を懸命に生きた愛すべき人々の物語、全六編。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
面白かった。
映画はまだ見ていない。
短編集でどの話の主人公も、頼りなげでありながら何か持ってる筋の通った話だった。
年季奉公はつらかった。この話だけ後味が悪かった。
時代小説もいろんな作家さんを通じて、知らない風景に出会える面白さがある。
初めての作家さんの本を手にするのに、結構勇気がいる方だが、うまくいけば違った楽しみを見つけることができることを知った。
【追記】
映画を観てきました。
少し驚きました。短編のそれぞれの登場人物が一緒に登場して、しかも知り合いになってしまっていて…でも、それがとても面白かったです。
間違っていることは間違っていると、誰に向かってでも正々堂々と言える強さに感動しました。
子育ての中で、よく繰り返したのが「してはいけないことはしてはいけない」(関西弁で「したらあかんことはしたらあかん」)「自分がされて嫌なことは人にするな」でした。
いうのは簡単なことだと、自分を振り返って恥ずかしくなりました。
毎日の生活の中で繰り返される日常を、もう少し丁寧に過ごしてみようと思いました。
Posted by ブクログ
時代小説は
ほぼ限られた作家しか手にしない
山本周五郎
藤沢周平
澤田ふじ子
池波正太郎
…
かなり偏っているなぁ
と自分でも思ってしまう
小松重男さん
初めて手にする一冊
昨年、行きつけの名画座に映画を観に行った時に
この「蚤とり侍」を予告編で観た
映画は何となく行きそびれてしまった
先日、書店の本棚の一冊の「背表紙」が
目に留まった
ちょっと と 思って
読みだしたけれど
いゃあ
これは これは
取り上げる 侍(主人公)たちの
なんと魅力的なこと
剣豪ではない
うだつの上がらない
その人物が
なんとも愛おしく
描かれる
映画「蚤とり侍」
あぁ 見落としたなぁ
と 改めて思っている
Posted by ブクログ
ハッピーエンドが続いた後、最後の話は主人公が亡くなってしまい、チョッと残念でした。
「鰈の縁側」は畑中さんの「ちょらちょら」に出てきたはなしですね。畑中さんのほうの参考文献にこの話は載っていなかったので、話し自体が史実なんでしょうね。
Posted by ブクログ
なんでこんな短編が映画化されたんだろうってよくよく調べると数本をセットにして映画化したというので納得。ただ、セット内容がどれも強烈な下ネタ揃いで映画大丈夫だったのか?とちょっと心配になった。まぁ観ませんけどね笑
本のタイトルは「蚤とり侍」だが、実際は短編集で落ちぶれたお侍さんを主人公とした物語が紡がれていて、どれも短編ながら十分に唸らせらる粒ぞろいで、どっちか言うと表題の「蚤とり侍」以外がすべて面白かった。江戸末期はお侍さんにとっては完全な氷河期で大変だっただろうなと思いを馳せながら読んだ。