あらすじ
魔術師養成学院を卒業したシオニー。ところが希望とはまったくちがう「紙の魔術師」に師事して修行することになってしまい……!? 第二巻『硝子の魔術師』2018年1月、第三巻『真実の魔術師』3月刊行予定
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Posted by ブクログ
表紙に惹かれて読んでみましたが、面白かったです。
紙の魔術師という設定がまずすごい。あしながおじさん的要素と恋愛小説、それと魔法要素が素晴らしいバランスで組み合わされている。
特に折り紙に親しみが強い日本人には読みやすいのでは?と思いました。
正直主人公のシオニーとヒーローのセインの絡みはそこまで多くないのですが、それ以上の結びつきが出来てしまう構成がすごい。
続編も気になります。映像化も決定しているとのことなので、動く折り紙がとても楽しみですね。
Posted by ブクログ
ファンタジー3部作の1作目。
魔法が公認されている世界で、才能のある女の子が活躍します。
1900年代初頭の雰囲気があるロンドンが舞台。ただし、女性が長いスカートをはいているぐらいで、歴史はほぼ関係ないです。
魔法学校で優等生だったシオニーは、金属の魔術師になることを目指していましたが、あまり人気のない紙の魔術師の所へ配属されてしまいます。
しかも、折り師である師匠のエメリー・セインはどうも変わり者らしい?
ここで実習して師に認められなければ、一人前にはなれません。
不満と不安を抱えつつ、同居しての研修が始まります。
ガラスの魔術師、など物質に即した魔術がいろいろあるという設定が面白いです。
紙の魔術は、折り紙が動き出す、ような要素もあって、日本人にはなじみやすいかも。視覚的にも楽しいですね。これも映画化権は取得されているそう。
エメリー・セインが紙で犬を作ってくれたりして、しだいに親しくなっていく師と弟子。
世の中にいくつか不穏な兆候はあったものの、ある日、まさかの大事件が起こります。
師匠の心臓の中に入っていく、という魔法にしても想像を超えた設定がすごい。‥だって、紙の魔術師なのに?
これがなかなか上手く描写されていて、その発想と表現力に感心しました。
意外とダークな世界だったんです。
甘いロマンス要素でエンディングへ向かうのは好き嫌い分かれるかな?
「カラヴァル」より好みだな~と連想して、アップしました。
もう最後まで翻訳されているしね☆
Posted by ブクログ
紙がどんな魔術になるかと思ったけれど、面白かった!
折り紙だけでも魔法みたいなものよね
内容はなかなか血みどろでした
1900年代はじめのロンドンなんて大好物の舞台のはずが
きわめて現代アメリカ的な社会的規範と環境。
ヴィクトリア朝の最晩年からエドワード朝初期なんておいしい時代なのに、時代考証含めまったく反映されてない。作者は王様のいない国の人なので仕様がないのかもしれません。
現代アメリカが舞台ではいけなかったのかな?
どこでもいいやと思えば、面白かったです。
Posted by ブクログ
紙を媒体にする魔術師の物語。
折り師というのが、日本の折り紙のようなものを作るところが、ファンタジーとして独特な感じ。
また、主人公シオニーが戦う場所があまりにも奇抜で斬新であった。
Posted by ブクログ
普通に面白かった。
が、魔法・魔術がバンバン出てくるかと思いきや、出てこなかった。
魔術が普通に存在するためファンタジーではあるが、1巻目は心理描写や背景説明が多い。
登場するキャラクター数が少ないため、一人一人のキャラがたち、登場人物が魅力的だった。
次回作に期待。
Posted by ブクログ
学校卒業したばかりの魔術師見習い女子と師弟関係になった師匠が30才位の男ってだけで、先が読める。
「ニューヨークの魔法使い」シリーズを思いだす
軽く読めます。
疲れた時いいかな
Posted by ブクログ
希望と異なり、人気のない紙の魔術師の実習生になった女の子と、師匠である変わり者の紙の魔術師の話。
恋愛要素強めのファンタジー。
王道のストーリーではありますが、とにかく頑張る主人公が可愛い。
変わり者の先生に最初は引いていたシオニーが、
師匠のセインの心に触れてちょっとずつ惹かれていくところが可愛かったです。
三部作とのことですが、本作だけでも完結して読めます。
ただ本作だけだとセインは本当に守られヒーローですね…。
光属性の女の子が頑張って頑張って、闇の中にいる男性を引っ張り上げる話でしょうか。
その手のストーリーが好きな人には性癖に刺さると思います。
Posted by ブクログ
読んでたけどあんまり良くないよ(泣)
ネットの評判(誰かがあのスネイ○プに擬されていた)が芳しい
映画化できるのね
シオニーの性格はタイムトラベラーよりマシに見えさせるけど変わんないよ
Posted by ブクログ
■魔法きらめく歴史ファンタジイ
魔術が高度な専門技術とみなされている1900年代初めのロンドン。魔術師養成学院を卒業したシオニーは、金属の魔術師になりたかったのに、人気のない紙の魔術の実習を命じられた。そのうえ師匠の折り師セインは変わり者。だが気の進まない勉強を続けるうちに、彼女は紙の魔術の魅力と師匠の優しさに気づきはじめる。そんなある日、セイン師が禁断の魔術の使い手に襲撃され……! 魔法きらめく歴史ファンタジイ三部作開幕!
Posted by ブクログ
・最近のファンタンジーは魔法に新機軸を求めてゐるのであらうかと思つたのがチャーリー・M・ホームバーグ「紙の魔術師」(ハヤカワ文庫FT)であつた。魔術は魔法と言ひ換へるべきかもしれないが、本書ではmagicianといふ語が使はれてゐるから、ここはやはり魔術師なのであらう。そして、 なぜwizardやwitchでなくてmagicianかといふのはよく分からない問題なのだが、それでもここはやはり魔法使ひではなく魔術師なのであらう。その魔術師に「紙の」とついてゐる。魔術に紙は合わはないのかどうか。それなのにこれはなぜだといふので読んでみたら案外おもしろかつた、これが本書の感想である。さう、意外におもしろいのである、「紙の魔術師」。
・では「紙の魔術師」とは何か。これを簡単に言へば、「人によって作られし物質よ云々」(25頁)といふ誓詞であらうか、これを唱へて紙と結びついた結果、できるやうになる魔術とでも言へば良いのであらうか。主人公の場合はそれが紙であつたから「紙の魔術師」となる。これだけのことである。よくある、魔法を学ぶ学校で云々といふのも物語中にはある。しかし、それ始まりに過ぎない。この誓詞を唱へて何かの物質と結合しなければ魔術師にはなれない。「ガラス、金属、プラスティック、ゴムでさえ」(10頁)魔術師になれるのである。人間が作つたものであると否とに関はらず、その物質に結合してしまへばその道の専門家、紙の魔術師、ガラスの魔術師等々になれる。主人公、いや正確にはアヴォイスキー師がいふには、現在は紙の魔術師になり手がゐないために、「現役の魔術師がたった十二人という状況では、実習生の一部を振り分けるしかない」(7頁)のだとか。それで主人公シオニーは紙との結合を選ぶか、魔術師をあきらめるかの岐路に立たされたのであつた。その結果、結合することができた。無事に紙の魔術師になれたのである。では紙の魔術師は何をするのか。問題はここである。ごく簡単にいへば折り紙をするのである(らしい)。然るべき人間が然るべき手段を以て然るべき方法で折れば、それは魔法になるといふ。シオニーの師たるセイン師は紙で外骨を作り、それに執事役を仰せつけた。これなど分かり易い例で、紙から作つたものを自らの用を足す存在に仕立て上げたのである。折り鶴らしきものも出てくるが、これは折り鶴を武器に使つている。つまりは、何とでもなるのである。その時と状況によつて、紙で折つて作つたものが武器にもなれば家事をもこなす。要は目的次第なのである。ここらへんから本文のライラが関係してくる。つまり悪役の登場である。悪役たるもの……いかなる存在なのであらうか。ライラはセイン師の元妻であつた。それがどこでどうしてかうなつたのか、これは分からない。いづれ分かるではあらうが、今はまだ分からない。 そのライラがセイン師を襲撃する。初めはどうであつたか分からない。シオニーが気づいた時には、セイン師はライラの術中に落ちてゐたらしい。そんな状況で も紙の魔術を駆使して、と言つてもシオニーにできることは少ないが、とにかく撃退する。これによつて紙の魔術に目ざめ……となつて物語は続くのである。いづれにしても本書はまだ入り口である。シオニーがセイン師の下で技を磨くのであらうが、それがいかなるものとなるのか。折り紙如きものの練習だけですむの かどうか。そしてライラはどうなるのか。更に、次は「硝子の魔術師」ださうである。硝子の魔術の登場となる。これがいかなるものであるのか。本題はともかく、脇道等に興味津々の魔術師のシリーズである。乞ふ、ご期待かどうか。
Posted by ブクログ
"まるで喉から臍まで胴に弦が結びつけられたように、体の奥でなにかがびいんと鳴った。シオニーはやんわりとたずねた。「その腕はどうしたんですか?」
折っていた指が止まった。セイン師はちらりとこちらを見てから、自分の腕をながめた。手のひらで袖をひきおろす。「ぶつかっただけだ」と言った。「歩くのにどれだけ集中力が必要かよく忘れるものでね」
シオニーは眉をひそめた。さっきの弦がねじれる。あきらかに師匠はなにか隠していると感じた。
あの腕は痛むのだろうか。"[p.100]
セイン師が偶然の箱でみた"冒険"は何をどこまで見たのだろう、船を教えたと言うことは海辺まで追いかけていくあたりまでなのだろうか。
シオニーが川(というか大きな水の溜まり?)が嫌いな理由、後悔の吐露の中で出るかと思ったけどでなかった……?首筋を触る癖も少し気になる。
3部作の第1部がこの本「紙の魔術師」で、1月刊行の「硝子の魔術師」が第2部。
刊行されるであろう第3部は3月予定で「真実の魔術師」。次が楽しみ。
"「でも、わたしがここから出るのを手伝ってくれたら、助けてあげられると思うわ」シオニーは立ちあがってつけたした。「道の終わりに出口がないかと思ってはるばる進んできたのよ」"[p.270]