【感想・ネタバレ】紙の魔術師のレビュー

あらすじ

魔術師養成学院を卒業したシオニー。ところが希望とはまったくちがう「紙の魔術師」に師事して修行することになってしまい……!? 第二巻『硝子の魔術師』2018年1月、第三巻『真実の魔術師』3月刊行予定

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Posted by ブクログ

ネタバレ

紙がどんな魔術になるかと思ったけれど、面白かった!
折り紙だけでも魔法みたいなものよね
内容はなかなか血みどろでした

1900年代はじめのロンドンなんて大好物の舞台のはずが
きわめて現代アメリカ的な社会的規範と環境。
ヴィクトリア朝の最晩年からエドワード朝初期なんておいしい時代なのに、時代考証含めまったく反映されてない。作者は王様のいない国の人なので仕様がないのかもしれません。
現代アメリカが舞台ではいけなかったのかな?
どこでもいいやと思えば、面白かったです。

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2018年05月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・最近のファンタンジーは魔法に新機軸を求めてゐるのであらうかと思つたのがチャーリー・M・ホームバーグ「紙の魔術師」(ハヤカワ文庫FT)であつた。魔術は魔法と言ひ換へるべきかもしれないが、本書ではmagicianといふ語が使はれてゐるから、ここはやはり魔術師なのであらう。そして、 なぜwizardやwitchでなくてmagicianかといふのはよく分からない問題なのだが、それでもここはやはり魔法使ひではなく魔術師なのであらう。その魔術師に「紙の」とついてゐる。魔術に紙は合わはないのかどうか。それなのにこれはなぜだといふので読んでみたら案外おもしろかつた、これが本書の感想である。さう、意外におもしろいのである、「紙の魔術師」。
・では「紙の魔術師」とは何か。これを簡単に言へば、「人によって作られし物質よ云々」(25頁)といふ誓詞であらうか、これを唱へて紙と結びついた結果、できるやうになる魔術とでも言へば良いのであらうか。主人公の場合はそれが紙であつたから「紙の魔術師」となる。これだけのことである。よくある、魔法を学ぶ学校で云々といふのも物語中にはある。しかし、それ始まりに過ぎない。この誓詞を唱へて何かの物質と結合しなければ魔術師にはなれない。「ガラス、金属、プラスティック、ゴムでさえ」(10頁)魔術師になれるのである。人間が作つたものであると否とに関はらず、その物質に結合してしまへばその道の専門家、紙の魔術師、ガラスの魔術師等々になれる。主人公、いや正確にはアヴォイスキー師がいふには、現在は紙の魔術師になり手がゐないために、「現役の魔術師がたった十二人という状況では、実習生の一部を振り分けるしかない」(7頁)のだとか。それで主人公シオニーは紙との結合を選ぶか、魔術師をあきらめるかの岐路に立たされたのであつた。その結果、結合することができた。無事に紙の魔術師になれたのである。では紙の魔術師は何をするのか。問題はここである。ごく簡単にいへば折り紙をするのである(らしい)。然るべき人間が然るべき手段を以て然るべき方法で折れば、それは魔法になるといふ。シオニーの師たるセイン師は紙で外骨を作り、それに執事役を仰せつけた。これなど分かり易い例で、紙から作つたものを自らの用を足す存在に仕立て上げたのである。折り鶴らしきものも出てくるが、これは折り鶴を武器に使つている。つまりは、何とでもなるのである。その時と状況によつて、紙で折つて作つたものが武器にもなれば家事をもこなす。要は目的次第なのである。ここらへんから本文のライラが関係してくる。つまり悪役の登場である。悪役たるもの……いかなる存在なのであらうか。ライラはセイン師の元妻であつた。それがどこでどうしてかうなつたのか、これは分からない。いづれ分かるではあらうが、今はまだ分からない。 そのライラがセイン師を襲撃する。初めはどうであつたか分からない。シオニーが気づいた時には、セイン師はライラの術中に落ちてゐたらしい。そんな状況で も紙の魔術を駆使して、と言つてもシオニーにできることは少ないが、とにかく撃退する。これによつて紙の魔術に目ざめ……となつて物語は続くのである。いづれにしても本書はまだ入り口である。シオニーがセイン師の下で技を磨くのであらうが、それがいかなるものとなるのか。折り紙如きものの練習だけですむの かどうか。そしてライラはどうなるのか。更に、次は「硝子の魔術師」ださうである。硝子の魔術の登場となる。これがいかなるものであるのか。本題はともかく、脇道等に興味津々の魔術師のシリーズである。乞ふ、ご期待かどうか。

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2018年02月04日

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