【感想・ネタバレ】リトル・シスターのレビュー

あらすじ

「行方不明の兄オリンを探してほしい」突然現れたオーファメイと名乗る若い娘は、私立探偵フィリップ・マーロウにそう告げた。娘のいわくありげな態度に惹かれマーロウは依頼を引き受けるが、調査に赴いた先で、次々死体が……。事件はやがて探偵を欲望渦巻くハリウッドの裏通りへ誘う。『かわいい女』新訳版。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

フィリップ・マーロウ・シリーズ

マーロウの元にやってきた依頼人・オーファメイ・クエスト。行方不明の兄オリンの捜索。オリンの住んでいたアパートの捜索。オリンの部屋を物色するヒックスと名乗る男。捜索中に殺害された管理人クローゼン。クローゼンが電話をかけた相手。ホテルに呼び出されたマーロウの前にあらわれたヒックスの遺体と謎の女。女優メイヴィス・ウェルドとオリンの関係。殺害されたギャング・スピンクの秘密。オリンの遺体発見。マーロウの手に入れた写真とネガの秘密。スティールグレイブの秘密と死。依頼人オーファメイの謎とラガーディー医師の秘密。

0
2012年09月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

兄を探して欲しいという女の言動に「あれ?」と思ったマーロウ。結果として、それは正しかった訳だが。
絡んで複雑になっていく話に、どんどんのめり込んでいった。プロットが素晴らしいなこれは。シリーズで一番ミステリ色が強かったのは、水底の女だと思うが、これは女たちの心情が一番素晴らしかったと思う。

ここで漸く気付いたのだが…シリーズを通して、どんな形にせよ、女の愛がどの作品にも色濃く漂っていて、それが事件に大きな関わりを持っているのが、とても面白い。殺してしまえば、永遠に自分のものになるとか、愛した男でも自分の過去を知っていれば、口封じに殺してしまうとか、愛とは…

そして、美しいと思える表現の数々。私が、所謂"村上主義者"だと言うことを差し引いても、読む価値はあると思う。

0
2021年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主な舞台はハリウッドなのだけど、この作品からは土地の愛を感じなかった。それは作者であるチャンドラーが、あるいは主人公であるマーロウが、その両方かがハリウッドを好きではない(むしろ嫌いに思える)からなのだろうが、それがこの作品全体の雰囲気を決定させているように思える。

読んでいて、マーロウがとても居心地が悪そうに感じ、持ち前の「タフさ」もここでは虚勢に思え、やはりこういった類の人間は慣れ親しんだ土地である種の「井の中の蛙」的に、伸び伸びと日々を送るほうが性に合っているのではないか。

この作品はどうも堅苦しく(小難しいとか格式ばっているとか、そういう意味ではなく)、迷いを感じた。しかしだからといってダメな作品かといえばそうではなく、「マーロウもの」としては必要な作品だし、むしろマーロウという男の深さを感じさせてくれた。

ただ、ほかの作品と比べるとやはりというか、読むのはつらかった。

0
2012年09月30日

「小説」ランキング