あらすじ
イスラーム世界から過去、現在、未来を見つめると、西洋中心の視点とはまるで異なる歴史が浮かび上がる。肥沃な三日月地帯に産声をあげる前史から、宗教としての成立、民衆への浸透、多様化と拡大、近代化、そして民族と国家の20世紀へ――。シーア派とスンナ派の起源とは? パレスチナ問題はなぜ生じた? 宗教と政治の関係は? 「歴史は誰かがつくるもの」とするイスラーム史の第一人者が日本人に語りかける100の世界史物語。
*『ビジュアル版 イスラーム歴史物語』改題。
【目次】
はじめに
1 イスラーム以前の西アジアと環地中海
2 イスラームの誕生
3 民衆のイスラーム
4 拡大するイスラーム世界
5 革新のイスラーム
6 民族、国家、そしてイスラーム
おわりに
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Posted by ブクログ
文庫化にあたり改題したようだけれど、個人的には元々の『イスラーム歴史物語』のほうがしっくりくるなと思った。
1話から100話までイスラームの歴史を辿っていくという内容で、人類の農業と牧畜のはじまりから語る。一冊読み終わってみると、今の世界の動きがこれまでの歴史の延長線上にあることが分かった。一時代だけを見ても真に理解したことにはならないのだな。
人類の歴史って戦争の歴史と言ってもいいんじゃないかと思うくらいずっと争っていて、うんざりする部分は少なからずある。でも語り口が落ち着いて淡々としているので、遠い昔のおとぎ話を聞いているかのような感覚だった。でもそれは確実に今に繋がっている。
神やその使徒の話を読んでいると、本来、信仰と政治は切り離せないものなのかもしれないなとふと思った。信仰をもつ場合それはその人の生き方そのものなのだから。
民主主義の国家の大部分は植民地を支配して繁栄していた、という指摘にはハッとした。西洋視点での歴史の捉え方に偏っていることを自覚した。この本によってイスラーム世界の歴史の大まかな流れを知れたことは良かった。