あらすじ
まほろ市は東京都南西部最大の町。
駅前で便利屋「多田便利軒」を営む多田啓介と、
居候になって丸二年がたつ行天春彦。
二人のもとに、かつてない依頼が……
それは、夏の間、四歳の女の子「はる」を預かること。
慣れないことに悪戦苦闘する二人に、忍び寄る「魔の手」!
まほろ市内で無農薬野菜を生産販売する「家庭と健康食品協会」の幹部・沢村。
まほろの裏社会を仕切る、若きボス・星。
地元のバス会社・横浜中央交通(横中)に目を光らす岡老人。
彼らのおかげで、二人は前代未聞の大騒動に巻き込まれる!
文庫特典 短篇「サンタとトナカイはいい相棒」収録。
解説・岸本佐知子(翻訳家)。
太っ腹の全528ページ。見た目は「最厚」、中身は最高!
『まほろ駅前多田便利軒』『まほろ駅前番外地』に続く、
三浦しをんが心血をそそいだ「まほろシリーズ」
堂々の完・結・篇!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
『まほろ駅前』シリーズ第3弾。
どうやら今回が最後のお話のようです。
第2弾にも出てきたキャラクターたちが勢揃いして(と言っても残念ながら岡夫人は登場しませんでした)、「狂騒曲」の文字通り「狂おしく騒がしい」感じでしたが、最終話にふさわしい内容だったと思います。
しかし、終盤で南口ロータリーに岡さんたちが出向いたシーンは、何度読んでも面白くて笑ってしまいました。本人たちは真面目にやっているので失礼だとは思うのですが(^^;
「時刻表遵守!」と書かれた旗をなびかせながら行進し、野菜を販売する団体、看板持ちの三つ巴の場所取り合戦は、ぜひ映画でも見てみたいです。
ちなみに「野菜を間引いてもバスは間引くな!」は名言です(。'-')(。,_,)ウンウン
「まほろ市」という架空の街で、一癖も二癖もあるキャラクター達によって繰り広げられる群像劇。
先が気になりすぎて、500ページ超えとは思えないほどサクサク読み進められる疾走感。
あなたもぜひ、多田さんたちと一緒にまほろの街を駆け抜けてみてください!
…と言っても、ネタバレ防止フィルターを使いながらおすすめしてもあまり意味はないですが( ̄▽ ̄;)
岡さんたちの話をどうしても入れたくて、ネタバレにせざるを得ませんでした(*_ _)人スミマセン
Posted by ブクログ
まほろ市で便利屋を営む多田と居候の仰天。三部作の完結編だったんですね。読む順番を完全に間違えました、、、
凪子からの依頼で始まる。仰天の遺伝子上の娘ハルを預かって欲しいという超難題。過去の経験から子供が大嫌いの彼の心を溶かすべく多田は苦心する。
毎日舞い込む便利屋業務のてんやわんやが楽しい。
横中への反旗を掲げてバスジャックを仕掛ける岡じいさん。なますを大量に作る駅裏で夜の仕事をしているコロンビア人ふたり。
「風が強く吹いている」の時に感じたこのチームに混ぜて〜羨ましい〜気持ち、アゲイン!
まほろ市民となって便利屋さん達と友達になりたい!
登場人物がそれぞれに暖かくて面白くてみんな好き。息子を亡くして離婚歴のある多田も過去の傷を抱えているが、新しい恋に出会って変化が起きる。
過去を乗り越えるために慎重に前を向き進んでいく。ほろり涙したり、うっかり声出して笑いそうになったり、明るく前向きになれる読後感最高の一冊です。
Posted by ブクログ
読み始めてから、多分これの前作(多田便利軒)読んだ事ないな、これ二作目だなって気付いたけどまあ良いや。
多田が全部説明してくれるから読んでなくても大丈夫。
行天が好き過ぎる。可愛い。
屋根から布団に乗って飛び降りて失神して
「これ、魔法の絨毯にはなんないよ。かなり痛い」
って言う行天。
凪子さんも多田も、割と嫌いだ。
約束を破った癖に、お前の為になる、なんて。
勝手過ぎる。
自分だったらうざいけど、結果的に行天の為にはなったね。
物語だからこれくらい優しくてもまあ別にいいよね。
Posted by ブクログ
3部作の完結編。今までしっかりとは明かされていなかった行天の過去が明らかになり、それと関係した新たな問題が生まれる。1作目の頃と比べると多田と行天の関係は、お互いがお互いにとってなくてはならないものになり、2人が交わったことで2人ともが前に進めるようになった感じがして、読んでいてほっこりした。
Posted by ブクログ
便利屋シリーズ第三弾。
多田と行天は、行天の実の娘のはるちゃんを1ヶ月半預かることになる。過去にトラウマのある2人がはるちゃんと距離を縮める様子にホッコリ。
またHHFAの活動で困っている裕弥のために便利屋に助けを求める由良公や、前々作から続いている岡のバス間引き問題などが重なり、南口ロータリーで騒動になる場面にハラハラ…
小指にケガを負い、病院からいなくなった行天がまた多田の隣に引っ越してきた時、1つの希望が見えた気がした。多田と行天はお互いに実は必要としている存在なんだろうな♪