【感想・ネタバレ】幻夏のレビュー

あらすじ

「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」毎日が黄金に輝いていたあの夏、同級生に何が起こったのか――少女失踪事件を捜査する刑事・相馬は、現場で奇妙な印を発見し、23年前の苦い記憶を蘇らせる。台風一過の翌日、川岸にランドセルを置いたまま、親友だった同級生は消えた。流木に不思議な印を残して……。少年はどこに消えたのか? 印の意味は? やがて相馬の前に恐るべき罪が浮上してくる。司法の信を問う傑作ミステリー。日本推理作家協会賞候補作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 奇妙な印を残して失踪した少年と23年後に起きた少女失踪事件から「23年前に本当は何が起きたのか?」を紐解く構成が読み応え抜群で、同時に冤罪という重い題材を真正面から切り込んだ社会派サスペンスの要素も面白く、やりきれなさと一抹の希望を感じさせるラストもグッときた。

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2026年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

冤罪とそれに巻き込まれた家族の話。「23年前にいなくなった子どもを探してほしい」依頼を出した時点で母の香苗は尚が生きていること、そしてとんでもないことをしているのではないかと気づいていたとは…辛すぎる…。自分の死期が近づいても母の子を思う気持ちは永遠だなと泣けた。
拓は当時8歳。何も知らない無邪気で逞しい子どもだった。何も知らないから、尚が危ない目にあってる守らなきゃ!という気持ちだけで、以前尚に助けてもらった時と同じやり方で近づけさせることなく大人をやっつけた。でもそれが自分たちの父親だった。しかも冤罪だということが証明されて自分たちに会いに来ていたときに…。辛すぎる、
そして尚は、父を無自覚に殺してしまった弟のこと、警察から疑われてしまっている母香苗を守るために、最終的には自分が「存在しなくなる」ことを選ぶ。12歳でそんな悲しい選択できんて…。尚が早くに大人になりすぎたこと、頭が良かったこと、思い切りの良さと行動力と、弟の父がわりとして、母にとって頼れる存在として、生きていたことが仇となって、自らが消えて罪をなかったことにした。本当は船を見て帰ってくるはずだったのに、なんて時に台風来てるんだよもう少し船待ってくれよ…泣
尚と拓と一夏を過ごした相馬は刑事として尚を探し、最後の殺人を止めた。楽しい夏の思い出に友達の失踪という出来事が加わり、この小説の中で描かれる23年前の夏が、周りの雰囲気も会話も今と対比してより鮮やかで夢心地に感じた。いなくなる日が近づくにつれて、真相が分かるにつれて、どこに救いを求めればよかったのか考えて苦しくなった。警察という組織がこの一家にとって敵だったために悲劇は起こった。冤罪は怖い。1番の被害者は間違えて逮捕された人だけれど、その家族の人殺しの家族として生きてきた時間に対しての罪は、対価は、誰が払うのだろう。尚が生きててよかったけど本当に辛い。寝込みそう。

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2026年04月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

幻夏

端的に、面白かった。
冤罪、司法制度がテーマになっていると思うが、それに巻き込まれた家族の想いは想像するに余り有る。
特に、家族を守るために名前を捨てた尚と、父の死の真相を知った拓は、何を想い何を考えたのか。
言葉にならない。

個人的には香苗の元にマスカットのケーキが届いたシーンと、最後に指笛を鳴らすシーンが好き。
また、これは嫌いだが良いと思った展開として、父の時間に関わった人間が結局は普通に良い人生を歩んだところがある。安易に復讐成功!ざまぁ!としなかった展開を書けたのは素晴らしいと思う、感情的には没落展開になって欲しかったけれど、幻夏はそういう話ではない。

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2026年03月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

尚の人生を想ったら、言葉が出ない。幼い彼を大人が早く大人にしてしまって、誰もそれを止めることができなかったことが悔しくて悲しい。それでも相馬と尚と拓と3人で過ごした夏の日の間だけは、ただの子どもだったのだろうと思う。最後の一文を読んで、それを本当に思った。最後の一文に子どもの尚が見れてほんとうに、涙が止まらない。良作。

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2026年03月18日

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