あらすじ
香港の暗黒街九龍城砦でストリートファイトに明け暮れる少年・朝丘剛。独力で形意拳の一つ「崩拳」を身につけた剛は、香港に売られて死んだ母の怨みを晴らすため、日本へ密航を図る。船内での労役に耐え、上陸した少年を待っていたのは、横浜中華街の老人・劉栄徳だった。劉より中国武術の極意「功夫」を学んだ剛は、今、復讐の鬼と化す。入魂の格闘小説、待望の新装版!
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Posted by ブクログ
漫画「拳児」を想起させられる、中国拳法を使う少年が主人公の格闘小説。あちらは八極拳がメインの使い手でしたが、本作主人公は形意拳の使い手。しかも、郭雲深ほぼそのまんまの来歴という設定は……個人的に大好物すぎてワクワクして読み進められ、五百ページくらいあるのに一日で読み切ってしまいました。
格闘部分の描写は期待通りの内容と臨場感。実際の五行拳や十二形拳の動きを知っていないとわかりづらい部分はあるのですが、今はYouTubeなどでそれらは簡単に知ることができるので、それらを見た後ならアクションシーンを頭の中で再現ができます(というより、自動で再生されますw)。
話の構成としては……本作は全五巻中の一作目で、起承転結の「起」にあたる巻なので、まだ登場人物の紹介に終始している印象。
朝丘剛(そういえば「拳児」の主人公の苗字も“剛”でした…)とマリアや劉大人の再会。松原青年とはどのように関わっていくのか。松任組との争いはどうなる?
単純明快な内容ではありますが、そうした未解決要素がどう展開されていくのかが楽しみでなりません。九月刊行予定の二巻が待ち遠しいです。