あらすじ
中東情勢の基本が驚くほどよくわかる。
国際紛争の震源地ともいえる中東。
イスラム過激派によるテロが頻発し、大勢の難民が欧州に流入。
なぜこんなことになってしまったのか?
その答えを見いだすには、歴史のどの地点から見直せばよいのか?
池上さんは、現在の中東の混乱は、1978年のソ連によるアフガニスタン侵攻から振り返るとわかりやすい、と言います。
自称「イスラム国」(IS)が誕生して世界でテロが頻発するようになるまで、約40年の間に何があったのか?
大国の身勝手、イスラム教の宗派対立、土地や資源をめぐる争い。
理解しがたい中東の真実が、池上さんによって鮮やかに解説されます。
本書は、池上彰が選ぶ独自のテーマで、世界の国と地域を解説する『池上彰の世界の見方』シリーズの4冊め。
中東とイスラムの基礎・基本がよくわかります。
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Posted by ブクログ
①アフガン侵攻、クウェート侵攻、9.11、イラク戦争、タリバン、IS、シリア内戦&難民、石油絡み、②ユダヤ、シオニスト運動、三枚舌外交、パレスチナ問題、、。 つい最近のことなのに忘れがちな基礎をしっかりと復習、再認識できました。相変わらず分かりやすいです。
Posted by ブクログ
中東の現状を知るためにイスラーム教への知識欲が優っていたが、「石油の利権関係に国家の発言内容が左右される」という一文(意訳)で、石油の動きなど経済的観点から中東問題(に限った話ではないが)へ目を向けることの重要性を改めて実感した。
Posted by ブクログ
この本は中高生向けに書かれたということですが、それでも中東は、宗教や民族のあたりが難しく、理解しにくい箇所もありました。でも、今まで全く知らなかったことがかなり理解できました。中東を理解する1冊目の本としてはかなり良書だと思います。
第一章「混乱の始まり」から見る中東
第二章「戦争とテロ」から見る中東
第三章「地理・民族・歴史」から見る中東
第四章「イスラム教」から見る中東
第五章「石油利権」から見る中東
第六章「難民大発生」から見る中東
特に一番の問題点であると思われる「戦争とテロ」の項目のまとめを覚書のため、以下抜粋します。
ソ連が「国境を接している国に、自分たちのいうことを聞く政権をつくろう」という勝手な都合で、アフガニスタンに攻め込んだことがそもそもの発端でした。東西冷戦でソ連と対立していたアメリカは、これはソ連を叩く絶好のチャンスだと考え、アフガニスタンの反対勢力を支援した。その反対勢力の中からオサマ・ビンラディンという鬼っ子が生まれた。
湾岸戦争をきっかけに、オサマ・ビンラディンはアルカイダを使ってアメリカに対し大規模なテロを仕掛けた。それに怒ったアメリカが、アルカイダのいるアフガニスタンを攻撃し、さらにブッシュ大統領の私怨もあってイラクも攻撃し、フセイン政権を倒した。しかしアメリカのいい加減な統治で、イラク国内は大混乱し、内戦が勃発。その中からさらに過激な自称「イスラム国」が生まれ、世界中でテロを起こしてきた。
要するに、ソ連とアメリカの身勝手な思惑によって、中東の大混乱が引き起こされたということです。
とりわけアメリカの責任が大きい。
いろんな国の思惑や民族・宗教が複雑に入り混じって、理解するのは容易でないと著者も語られています。
あとは第五章「石油利権」の問題もわかりやすく、興味深かったです。