あらすじ
著者・長江俊和が手にしたのは、いわくつきの原稿だった。題名は「カミュの刺客」、執筆者はライターの若橋呉成。内容は、有名なドキュメンタリー作家と心中し、生き残った新藤七緒への独占インタビューだった。死の匂いが立ちこめる山荘、心中のすべてを記録したビデオ。不倫の果ての悲劇なのか。なぜ女だけが生還したのか。息を呑む展開、恐るべきどんでん返し。異形の傑作ミステリー。
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Posted by ブクログ
面白かった。
まず設定が好き。
評価は星4.5だけど四捨五入で星5にしました。
本来出版されないはずだったものを読むという設定で作り話の物語よりかは複雑なニュースを読んだ感じ。
250ページくらいでインタビューメインで書かれるのでサクサク読める。後半は奇妙な展開になって没入感マシマシで読めた。最後は全てを明かされないまま終わるので考察の余地を楽しめる。
Posted by ブクログ
終わったあとに自分で読み返して考察したりするのが好きならお勧め。
個人的には物語は道中に謎解きがたくさんあっても最終的には解は明瞭であって欲しい派なので、ふわっと終わったな、と感じた点がちょっと合わなかった。
Posted by ブクログ
とあるルポライターが追いかけた心中事件と、その遺された中心人物である女性、そしてその中に秘められた真実のお話。前半は記者と女性のインタビューなどが載せられているが、だんだん展開が怪しい方向に向かっていき、とんでもない結末になってしまう。ルポライター本人がカミュの刺客であること、やはり心中ではなく殺人事件であること、そこらへんは理解できたけど、あれこれ入り組みすぎてて難しかった。あとラストのグロ表現が苦手な人いるかも。わかはしくれなり、という名前にも理由があるのかな。
Posted by ブクログ
七緒まじ可哀想すぎた。
七緒の遺書を読む限りは若橋のこと本当に愛してたように思える。だけど殺された、、
2月20日七緒が二回目の発作を起こした時、そこら辺から文章に違和感感じてんー?これはここで七緒死んだのでは??ってなったけど
ほんとにそうだった、、!これはいい感覚を働かせた気がする
けど実際の真相(多分)を知るともっっっとえぐいし、鍋のとこなんかは全然気づかなかったなぁ
つまり、七緒と熊切の心中は永津佐和子の指示で七緒ははなから死ぬ気はなく生還したのも計画通り。
若橋が依頼を受けてルポを書くきっかけになった人物は、神湯側の高橋の手下で多分その時点で七緒を疑ってた可能性があって探らせた
若橋が高橋に取材しに行った時多分催眠術的なことをされた。高橋が異様な人物であるように書かれてたからその可能性がある。
若橋も実際七緒の負の魅力に取り憑かれ愛してたことは確かだけど、高橋からの無意識下の催眠効果によってカミュの刺客とさせられてたから
七緒を殺した。体を食べたり頭を運んだりしたのは本当に頭がおかしくなったからとも思えるけど、ルポの中に児戯の如きトリックを仕掛けてるあたり多分頭はしっかりしてて
自分が殺人罪にならないよう頭のおかしいふりをしていた。
けど七緒に対する愛も本物だったから結局生還することはできずに自殺した。
最後の文でカミュの刺客としては失格ってあったのは、皮肉かと思いきやマジの意味だったんだ、、ってのが考察読んでああああー!!!!って思わず叫んでしまった
そして文末の名前が若橋呉成ではなくわかはしくれなりで、アナグラムでわれはしかくなり
新藤七緒はどうなしおんな
これもびっくりすぎ。なんなんこれ
なんで最後ひらがな???とは思ったけどスルーしちゃった
叙述トリックマシマシのモキュメンタリーえぐすぎ。おもろかったけど怖かった!
七緒かわいそう、、
Posted by ブクログ
モキュメンタリーミステリってやっぱ良い。謎を追ってる時のリアル感がサスペンスしてます。この作者さんはそれが抜群に上手いと思います。
「刺客の刺客」やら例の叙述トリックやらは予想できてしまったのですが、楽しく読めました。(ルポの著者と被害者の人名アナグラムはしょうもないなとは思いましたが笑)
同じシリーズの「るろるの村」の方が僕は好きでした。
Posted by ブクログ
続きが気になってどんどん読めた。かなり読みやすかった。途中何度かこれって実話なのか?と思った。最後の最後まで真相が散りばめられた物語だった。
Posted by ブクログ
心霊スピ系のどんでん返しでオチないでくれ〜と願いながら読んだので好みの結末でした。
刺客じゃない自分の中の人格(潜在意識?洗脳?多重人格?)が縦読みとかアナグラムを仕込んだとは思うけどはっきりとした答えがないのはやっぱり歯痒い。放送禁止時代からそうだったけど歯痒い。
今回のオチ:
心中でなくなった監督は最初から死ぬつもりがなく、愛人と心中をするという映像作品を撮っているつもりで演技していた。愛人(七緒)はそれ利用して監督を殺した。動機は暴力被害者の監督婦人を助けるため。七緒は刺客だった。
主人公のライターは監督の親である政治家(神湯)が送り込んだ刺客。心中の真相を暴いて犯人を殺すという使命があったが七緒を愛してしまう。
ライターと七緒は心中を決行するが、実は七緒は2週間前に殺されており、ライターに食べられている。(七緒がまるで生きて共に行動しているように書かれているが実はずっと生首だったという叙述トリック)
ライターは獄中で自殺。残されたルポはなんとか出版されたが真相は各自考察エンド。
Posted by ブクログ
作者が手がけた『放送禁止』を観た事があり、そこはかとない恐怖を感じたのを覚えている。
この作品はモキュメンタリーシリーズとのことであるが、結末は二転三転するところはちょっと詰め込み過ぎた感はあるが若干の意外性と共にドキドキ感はあった。
こういったミステリーの作りも悪くないと感じ、他の作品も読んでみようとは思う。