あらすじ
1行目から真犯人の名前をズバリ公開!?
極北を行く麻耶ミステリーの最高傑作
「犯人は〇〇だよ」。
クラスメイトの鈴木太郎の情報は絶対に正しい。
やつは神様なのだから。
神様の残酷なご託宣を覆すべく、久遠小探偵団は事件の調査に乗り出すが……。
衝撃的な展開と後味の悪さでミステリー界を震撼させ、
本格ミステリ大賞に輝いた超話題作。
他の追随を許さぬ超絶推理の頂点がここに!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
神様ゲームの続編。
神様の鈴木は全知全能。殺人事件の犯人を主人公の桑原淳にだけ教えてくれる。初めは信じていなかった主人公も何度も繰り返されるご信託に段々信じざる得なくなってくる。
後半は怒涛のどんでん返しの連発。主人公は女だった!親友が殺された!神様の性格、性質を利用する小学生たち!などなど、読む手が止まらなくなる。
最後に真相に気づいた主人公はすでに恋する乙女になっていて、神様が入り込む余地がなくなっているというのも面白い。鈴木が主人公だけ特別扱いしたのは闇を抱えて、神様を信じてしまうほど、心に穴があったということだろう。
終わりのフレーズは「さよなら、神様」でタイトル回収。終わり方として素晴らしい。
Posted by ブクログ
神様ゲームの続編。
これを読めば、神様ゲームでの神様である、鈴木君の意図が、人間にも分かる言葉や意味として理解ができます。
ああー。まぁ。そうだよねぇ……そりゃそう、神様だって神様が楽しいと思える出来事を楽しみたいもんね……。
そう考えると、神様ゲームのラストの意図もわかるというものです。
いやあ。怖い。ぞくぞく。楽しいですね……。
最後のフレーズは鈴木の肯定とも否定ともとれるものだからなかなかにくい。
Posted by ブクログ
前作「神様ゲーム」の内容が内容だっただけに、腹を括って読み始めましたが、さすが麻耶さん。相変わらずの容赦のなさ。残酷。
序盤から容赦ない感は出てるんだけど、中盤くらいから加速して終盤は超加速。バレンタイン昔語りからはノンストップで読み終えた。流石の牽引力。
探偵団のメンツが大人びてるから設定が小学五年生である事をたまに忘れちゃうんだけど、終盤で淳がいじめられる所なんかは急に小学生らしさを出してきて、その辺りのコントラストも残酷さに拍車を掛けているように感じた。
市部くんはいい男だと思う。淳が坊主になっても虐められても離れなかった。その一途さに狂気じみたものも感じてしまうが。
最後の最後でタイトル回収があるが、そういうテンション感なのかwとそこも裏切られて面白かった。
面白いんだけど残酷で容赦がない。読後感は最悪。この感じを楽しめるかどうかで評価が分かれそう。私はなんだかんだ一気に読んでしまったので、楽しめてしまったのでしょう。ネタバレなしで書きたかったけど、ちょっと触れてしまったからネタバレにしておきます。
Posted by ブクログ
前作が面白かったので手にとる。
謎解き本なのに
「謎がすべてわかる神様」
がいる環境が斬新で、その環境ならではのトリック仕込みが面白かった。
Posted by ブクログ
本作は神様ゲームの続編かつ連続短編集。
神様1人がいるだけで、特に終盤のこれだけ色んな角度から事件を予想できてしまうロジックが非常に面白かったです。
匿名
神様ゲームの続編。神様鈴木による犯人当てから始まる連作短編集。
バレンタインの話が短いながらも病院での取り違えや時間軸の叙述トリックが使われていて、後味の悪さも含め好き。
物語の最後のセリフが気持ち悪く、ゾッとする。神様への当て擦りのようであり、でも神様だからこの未来も当然知っていたわけで。市部の主人公への執着も、全部を知りながら受け入れているのも共依存っぽくて健全だとは思えないし、
主人公が無駄に踊らされているようで滑稽に感じて後味が悪い。
Posted by ブクログ
前作の神様ゲームに引き続き、答えだけ提示され、過程がわからないミステリー。
今作の鈴木君は見た目も変わっていて、立ち回りも異なっていたが、面白さは健在。
Posted by ブクログ
連作短編集。
前半3作は神様から犯人のみが伝えられ、逆説的に無理やりアリバイ崩しを行うことになる。実際に何が起こったかは明かされずモヤモヤとしたまま終わる。犯人の自供がないと推理が正しいとは確定しないという、後期クイーン的問題(第一の問題)を逆手に取ったかのような構成。
後半3作は凄い。
『バレンタイン昔語り』は神様に誤謬がないことが前提となり、2人の赤子の取り違えによる人物の誤認、神様の発言により結果的に未来の殺人が起こってしまうSF的パラドックス、主人公の性別誤認叙述トリック(これは読んでいて分かった)が詰め込まれている。
その後の『比土との対決』『さよなら、神様』は神様の性格を逆手に取って完全犯罪を成し遂げる探偵団2人がそれぞれ犯人となる話。後者ではそれまでの伏線も回収しながら神様を欺き主人公を手中に収める市部に舌を巻く。ラストの主人公の「残念でした♥さよなら、神様」は衝撃。タイトルは神様の転校だけでなく、この市部と主人公による勝利宣言でもあった。
Posted by ブクログ
前作「神様ゲーム」では片鱗が見えるくらいだった鈴木くんの邪悪さが、連作短編という形をとったことでより鮮明になる。「神様」であるがゆえの反論のできなさ、人間に対する無味乾燥さが作品全体を意地悪く飾っていて、不快指数がかなり高い。
同じ導入を繰り返すため、自然と思考実験的な側面も強くなってくる。特に因果論・決定論にさらっと踏み込む「バレンタイン昔語り」は秀逸。テッド・チャンを筆頭にSFではよく扱われるテーマではあるが、ミステリという舞台で展開されると味わいが違う。小説全体に対する「どうしてこんな短期間に殺人が連続するんだ?」というイチャモンに対してもそれは神様が託宣をしたからだよ、と答えられてしまうようなところもある。SF的マインドをミステリとして描く姿勢は作家性ということなんだろう。
Posted by ブクログ
面白かった。
初っ端で犯人を名指しして、どうやってそこに着地させるのかというミステリー。その展開にこれだけのバリエーションを与えられるものかと感心しながら読んだ。
シリーズ前作「神様ゲーム」の方が、当然中編として内容に奥行きがあるように思うが、こちらは連作短編ならでは色とりどりなところに魅力がある。
共通しているのは暗鬱な方向に一直線のストーリーで、神様こと鈴木の存在は実際のところ厄介以外の何者でもない。
本書ではさらに一歩踏み込んで、最終的に非常にグロテスクな「真相」の想起を経た主人公が、神様と訣別する境地に至る。
この結末をせめてもの救いと捉えるか、救いの無い開き直りと捉えるのかは読者次第。自分にとってはハッキリと後者で、作者の底知れぬ悪意が満ち溢れた「ハートマーク」に唖然とし、胸糞悪さに悶絶。容易に忘れ難い一冊になった。
Posted by ブクログ
神様ゲームの時とは違った鈴木くん(神様)だったけど、中身の冷静で人間味のないところは同じで、1話1話の初めに犯人を伝えるところがあって読み進むたびにドキドキが味わえた。ちょこちょこ伏線回収もあって面白かった。
Posted by ブクログ
んーーーーなんか面白かったような面白くなかったような…????あんまりハマりませんでした…
結局神様がなんだったのかとかそういうミステリーじゃなく、人間のメンタル的なそういう…???
思ってたのと違ったな〜
Posted by ブクログ
【2024年89冊目】
「犯人は――だよ」同じクラスの鈴木は、自称神様を名乗っている。確かに鈴木のおかげで事故が未然に防がれたこともあり、その美貌はクラスメイトを惹き付け、名実ともに神様と煽てられている。俺こと桑町淳は彼のことを神様だとは思っていない、けれど事件が起こる度に彼に問うてしまうのだ。犯人は誰か――と。「神様ゲーム」の続編、連作短編集。
前作で衝撃を受けたので、これは続編を読まねば!と思って読みましたが、終わりは前回とは違った意味での「えええ?」が出ました。最後まで油断出来なさすぎ。
ジャンルはミステリーですが、はっきりと解決する方が稀で、ずっとモヤモヤしつつ読み進めていましたが、途中で思い込んでいた事柄にはっとしたりするなど、やはり一筋縄ではいかない感じでした。
なお、前作のラストに繋がる何かしらが書かれているかと言われたら全然書かれてないので、全く別物な話と思った方がいいです。
しかし、騙されてた…!って思わせられるのは嫌いじゃないですね。そして、タイトルも「そんなテンションの声音の台詞なんかよ」って思うなどしました。
Posted by ブクログ
「少年探偵団と神様」★★★★
「アリバイくずし」★★★
「ダムからの遠い道」★★★
「バレンタイン昔語り」★★★★
「比土との対決」★★★
「さよなら、神様」★★★