あらすじ
仕事も恋愛も上手くいかない冴えないサラリーマンの貴生。気晴らしに出掛けた店で、勧められるままに覚醒剤を使用し、逮捕される。仕事も友達も住む場所も一瞬にして失った貴生が見つけたのは、「家賃5万円、掃除交代制、仕切りはカーテンのみ、ただし美味しい食事付き」のシェアハウスだった。だが、住人達はなんだか訳ありばかりのようで……。
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Posted by ブクログ
それぞれ何かを抱えて生きている。犯罪を犯してしまった人々が本当の意味で復帰することはなかなか難しい。でも必死に足掻いて日常を取り戻すために懸命に生きる、そんな話。あきらが最後の告白通りに行動できたらなと、読み終わってから思う。
Posted by ブクログ
前にドラマを見たことがあって、今回原作を読んでみました。ドラマを見たのは大分前なので記憶は定かではないけど、ラストは違ったような‥「マジかぁ」てなった。とても面白かった。
現実とは、光と同等の闇であり、死に囲まれた偶然の生であり、残酷なまでに一方的な時間の流れだ。
人を思うということは、むしろ相手にあたえるということさ。
本当に怖いのは、静寂をなくすことだ。孤独を選ぶ自由すら奪われることだ。
Posted by ブクログ
前科者専用のシェアハウスと聞いて、これはしんどい展開になるぞと覚悟した。
ところが…全くもって読みやすかった。
自身の罪と向き合ったり、住人同士の心の交流に重きを置いているからかな。
たとえ罪を償っても過去の過ちを無かったことにはできない。
それでも社会に戻るため、彼らは努力する。
そんな彼らをサポートするべく、この『プラージュ』という場所は存在する。
そういう温かい場所を用意した潤子さんはすごい、と思った。
フィクションだと分かっているけど不覚にも涙が出た。
物語の終盤、彰の部屋で暴れた美羽も印象的だった。
ずっとロボットみたいに振る舞っていたのに。
あの瞬間、彼女の感情が揺れたんだなと思ったら、また泣けた。
Posted by ブクログ
前科のある人が生きづらい日本社会をテーマにした内容で、登場人物それぞれの人柄や機微を、細かく描写しているところが印象的でした。
ただ最初読んだときには、誰が潜入記者なのか。その潜入記者も殺人を犯していたこと。美羽と貴生(主人公)が恋に落ちるのが雑な流れだと感じましたが、いやいや、どうして。もう一度読み返すと、だから記者もプラージュに入居したのだと、改めて深く考えた上でのストーリーだと、感心しました。
ちなみにタイトルのプラージュは前科ものが集まるシェアハウスです。そして、特に印象に残ったフレーズも、タイトルのくだりでした。
「プラージュ」はフランス語で「海辺」。海と陸との境界線。曖昧に揺らぎ続ける、人と人との接点。男と女、善と悪、真実と嘘、愛と憎しみ。そして、罪と赦し。
タイトルも含め、このような着想からまさにプラージュなストーリーを紡いでいく誉田哲也という小説家の魅力を、再認識した一冊にもなりました。
プラージュで提供されている食事も食べていみたい。みんなで焼き肉を食べるシーンも、ほっこりしました。
ドラマ化もされているようなので、こちらも観たいと思います。
うーん
誉田さんの作品は元々好きだったのですが、ドラマを先に観てから読みました。
……源さんも仰ってたけど、私も貴生は好きじゃないです。
弱くても屁っ放り腰でもかっこ悪くて良いから、せめて美羽を助けに行って欲しかったなー。
っていうか、そうなると原作の貴生の存在感薄すぎる。むしろ居なくても全然ありだな、と。
ドラマの貴生、めちゃくちゃ好きです!