【感想・ネタバレ】大相撲殺人事件のレビュー

あらすじ

相撲と本格ミステリ、奇跡の邂逅!

ひょんなことから相撲部屋に入門したアメリカの青年マークは、将来有望な力士としてデビュー。
しかし、彼を待っていたのは角界に吹き荒れる殺戮の嵐だった!
立ち合いの瞬間、爆死する力士、頭のない前頭、
密室状態の土俵で殺された行司、連日殺されていく対戦予定の力士……。

2017年、衝撃的なあらすじがネット上で話題沸騰!
本格ミステリと相撲、その伝統と格式が奇跡的に融合した伝説の奇書が電子書籍で登場。

解説・奥泉光

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Posted by ブクログ

本格ミステリの王道。初心者におすすめ!!そんなことはありません。
バカミスだということ以外、いまいち的を得ない噂が出回る本作。なるほど。これはバカミス最高峰だ笑

マークという青年がこの物語のメインキーパーソンである。とんだ爆笑もんのひょんなことから、相撲部屋に入門することになる。

さて彼がみた力士とは…土俵で爆破された力士笑。首を切断された力士笑。女人禁制の土俵密室笑。連続力士殺人事件が多発笑。黒相撲笑笑。
しかも名探偵マーク笑。聡子と御前山の無能爆笑コンビときた。もう無茶苦茶である。だがしかし。大傑作である。

まったくもって本格ミステリである。(いや、正確にはコメディミステリ…
ページをめくるたびに、力士が死ぬことに気を取られてしまいがちですが、しっかり不可解な謎があり、トリックがあり、きちんと解決がある…文句のつけようがない!!(いや、あるんだけどさ笑

もう愛しかない。絶対布教するわ。
ここで名シーン↓

「一年前に幕内にいた力士も、この一年で四十パーセントくらいいなくなっちゃったわねぇ」

1
2017年12月19日

Posted by ブクログ

大相撲の千代楽部屋を中心にした6つの短編が入っている。それぞれの短編で少なくとも1人、多いときは14人が殺される。1人だけ土俵を清める儀式を行っていた神官がいるが、それ以外は力士ばかり。犯人も力士だったりするので、角界の存続が危ぶまれるレベル。なんとなく昭和の時代の推理小説みたいと思ったけど、ノベルズ版の発行が2004年。思ったよりも新しかった。探偵役は、日本文化を大学で学ぼうと来日したのに、間違えて相撲部屋の門を叩いてしまったアメリカ人と親方の娘。帯には本格ミステリとあるけれど、本格というにはコミカルすぎる。

0
2025年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

相撲縛りでマダミスやってみました、ってここまで書けるのは凄い。全話相撲ならではのトリックだったり、縛りがある。
割と猟奇的な殺人がありつつも、子供が読んでも問題ない(推理系の児童書)くらいの雰囲気。

海外から大学と間違えてうっかり相撲部屋に案内されてしまった留学生マークが、アンジャッシュのコントのようなすれ違いで力士見習として活躍する、と思いきや名推理で犯人を見つけ出すという、相撲版名探偵コナンみたいな小説。マークのポテンシャルが凄すぎる。推理の時、拙い日本語でそれを伝えるのが面白い。
物凄い謎解きやトリックがある訳では無いし、推理も少なく結構直ぐに犯人が割り出されてしまうのが勿体ない気もするが、逆に読みやすい。ただかなり殺人事件が多いので物騒ながら『トリック』のようなコメディチックな感じが良い。癖のある御前山とツッコミの聡子。そして、出てくる度ほぼ推理ばかりのマーク。

ラストはなかなか特殊なトリックだったが、やはり最後まで鋭いマークの推理。的はずれな見解の中に割と良い指摘をする御前山。ツッコミの聡子。シリーズ化しても良いくらい、読みやすくて面白い。続きがあれば、マークの今後、千代楽部屋の今後が気になる。

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2025年06月12日

Posted by ブクログ

あらすじで話題になった本だが、本編の文章もパワー溢れる描写が多くて面白かった。ミステリーはミステリーなんだろうけど、コントのネタかな?と思ってる。

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2024年04月29日

Posted by ブクログ

バカミスではあるけど、ちゃんとミステリらしくて面白かった。
ヒロインの聡子が図太くて結構いい性格をしているのもいい。

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2020年11月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

相撲を題材にした本格ミステリ。と、言ってもジャンルとしてはバカミスであり、肩肘の凝らないユーモア感覚に満ち溢れた作品で、突拍子もない展開を成立させるだけの無駄のない文章力に驚いてしまう。読後感としてはややあっさりしてはいるものの、まさにがぶり寄りのごとき勢いで押し切った感じがあり、このテンポの良さこそ本作の最大の魅力だろう。加えて、非常に読みやすいため、人を選ばずにオススメできる作品であり、キャッチーでもあるため、Twitterでバズったのも理解できる。

立ち会いとともに爆死する力士を皮切りに、密室となった女人禁制の土俵上など、相撲であるという設定を活かした異形異様の事件のオンパレード。力士の殺し方にも躊躇は一切なく、一年で40%の力士がいなくなったという説明には笑い転げてしまった。災難で済ませられるレベルじゃない。はては黒相撲や黒力士などの歴史改変ネタをぶっこんできたわけだが、これは昨今の江戸しぐさに¥などに代表される「もっともらしいウソ」への皮肉なのだろうか?

陰惨な事件が多いのに展開に歯止めが効かず、作者の手加減も一切ない。また全体的な雰囲気が妙に明るいのもツボで、いい意味で狂っている作品。単なるネタには終わらず、本格魂の息吹を随所に感じ、事件としては一番面白かったのは「頭のない前頭」でタイトルの洒落っ気もさることながら、仕掛けたトリックも面白い。インパクトが大きいのはやはり「対戦力士連続殺害事件」で、夏場所で一人ずつ取り組みの相手が殺されていくという、考えついても普通はやらない事件を描いている。背景もなく、箇条書きで淡々と殺された力士の説明をするのは本格の無慈悲さが伝わると同時に、それによる世間の反応などを思うとそれだけでおかしみがこみ上げてくる。

次作は黒相撲、黒力士などの所謂「黒歴史」が明らかになったところで一旦終わったわけだが、次作の中相撲殺人事件や小相撲殺人事件も楽しみである。余談だが、本作の探偵ポジションである金髪と黒髪のまだら髷の外国人力士マークの存在感は素晴らしく、彼がいるだけで異物感があるのが凄いと思った。キャラとして面白いのは御前山で、キャラクターとして動かしやすそうな上、ああいうネタキャラがいたおかげで作風が陰惨にならず明るくなったんだろうと思う。次作も読みます。

0
2019年05月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あらすじがSNSで話題になっていた本。
とにかく力士が死にすぎ!対戦予定の力士が連続で死んでいくけど防げない。警察は何やってるの 笑
マークが主人公でメインかと思ったが、後半は聡子と御前山のコンビが活躍(?)
マークが名探偵すぎる。そして、マークが来たことにより角界で大量殺人が……コ〇ンくんか?
前山、最初は何言ってんだこいつレベルのキャラだったが、読み進めていくうちに憎めないキャラに。

人が死んでも驚きの少ない人たち。聡子、度胸ありすぎ。
死人の生首を使って検証するなんて!(ここは笑うポイントか?)
黒相撲館で千代楽親方が寝込んでしまった時に、やっと少しの人間らしさを感じた。

最終的には、あぁこことここが繋がってるのね、とスッキリ。
ヨシノブは今後どうなるんだろう……。

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2025年08月08日

Posted by ブクログ

あらすじがぶっ飛んでてつい読んでしまった。力士が殺されすぎ。各章で事件が起きて、解決していく流れ。設定がぶっ飛んでるという意味で面白く、一気読みした。

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2025年01月29日

Posted by ブクログ

大相撲とミステリが融合したバカミス

あらすじの荒唐無稽さが興味を惹かれるとtwitterで話題になったり
それがきっかけでちょっと売れて増刷がかかったり
さらにそのエピソードから、タモリ倶楽部で「文庫本の裏にあらすじあり!!ウラスジ大読書会」が放送されたりと、出版業界にちょっとした影響をもたらした本作

ちなみに、文庫のうらすじ
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ひょんなことから相撲部屋に入門したアメリカの青年マークは、将来有望な力士としてデビュー。しかし、彼を待っていたのは角界に吹き荒れる殺戮の嵐だった!立合いの瞬間、爆死する力士、頭のない前頭、密室状態の土俵で殺された行司…本格ミステリと相撲、その伝統と格式が奇跡的に融合した伝説の奇書。
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内容的には、うらすじに書かれていない、取り組み相手連続死亡事件、力士四肢持ち去り事件、力士見立て連続殺人事件(館もの)の3つをプラスした6つのエピソードの連作短編になっている

タモリ倶楽部では、ストーリーをそのまま文章にしただけと編集さんが言ってたけど、読んでみたら実際にそのストーリーだったわ(笑)


・本場所の立ち会い時に起こった爆発
・密室の浴室で発見される力士の頭部
・公表される取り組み対戦相手が次々と殺されて不戦勝が続く主人公
・女性が立ち入ってはいけない土俵の真ん中で殺された神官
・体の一部分が持ち去られた力士の遺体
・密室殺人が連続して起こる怪しいいわくつきの館


外国人のマークは日本文化を学ぶため、大学を受験しに来日したが
相撲部屋の「千代楽」を「センダイガク」と読み間違った結果、そのまま力士として学費を稼ぐために在籍することになった

探偵役は主にマークと、部屋住みの万年幕下の御前山
そしてマークの通訳的に、高校でESS部に所属する親方の娘の聡子

トリックに関してはありがちなミステリなんだけど
大相撲殺人事件と銘打ってるだけあって、場所中の事故、取り組み表、大柄な人は通れない通路、女人禁制の土俵という心理的密室、相撲の裏歴史(大嘘)などが事件の制約や解決の糸口になっている

角界に対する批判めいたものも含まれている
観客の安全管理、付き人への虐待、女性府知事のアレ、外国人力士等々


部分的には本格ミステリで、大筋ではバカミス
この作品の荒唐無稽な動機やトリックも、本格ミステリでも同じように「おいおい……」とツッコミを入れたくなるようなものもあるので、本格ミステリ批判としても読める
各タイトルでも有名ミステリのパロディがいくつかあるしね

ただ、バカ方向への突き抜け感がいまいち足りない
京極夏彦の「どすこい」の方が、もっとバカで他作品のオマージュの要素が感じられる

ただ、こんなに荒唐無稽な事件が起こっているにも関わらず
中盤の聡子の発言で「一年前に幕内にいた力士も、この一年で四十パーセントくらいいなくなっちゃったわねぇ」などと結構呑気な感じのヌケ感は好き


黒相撲とか黒力士の大嘘に関しては、マンガの「ケンガンアシュラ」に通じるものがあるな

それにしても、ここまでヘンテコな小説でありながら、結末ぶん投げて終わりにしていない
解説でも書かれてあるように、続編として「中相撲殺人事件」や「小相撲殺人事件」も予定されているとのこと
実際に単行本で「中相撲殺人事件」は発売されている様子

幕内力士が激減したから、大相撲から中相撲になったとかって設定なんだろうか?
文庫化されて機会があったら読むかもね

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2021年09月24日

Posted by ブクログ

馬鹿馬鹿しいー!だがそれが良い。

アメリカからやって来た青年が勘違いから入門した相撲部屋、だが彼が見たのは角界に吹き荒れる殺戮の嵐……という設定で、その時点で真面目に読む気がなくなるが、読むと意外に本格の皮を被ったミステリーだった。や、作中で幕内力士は半減するほど殺されてるし、全体、事件も展開もトンデモではある。でも実はミステリーってよく考えたらトンデモだし、だから面白いわけで。

相撲を愛し、本格を愛して、きちんとメソッドに沿った上で崩しに来ているのがなんとも痛快。ミステリーのあり方を考える一作だった。

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2020年10月23日

Posted by ブクログ

冷静に殺人状況を想像すると、爆破させられたり、バラバラ死体だったりと結構グロい。それにしてもお相撲さん死にすぎです。。

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2018年11月12日

Posted by ブクログ

タモリ倶楽部の「ウラスジ大読書会」の回で紹介されていたので。小森健太郎自体は13年ぶり。初期作品を読んだことがあるので、そのあたりの、タイトルにカタカナが入っている作品を想像しながら読み始めたものの、まったく異なる印象。冷静に考えれば分かることだけれど、黒相撲がもしかして史実なのかと思って調べてしまって、作者の思惑にまんまとはまった形。巻末の解説にもあるように、一体何人の力士が亡くなっているのかを考えると、現実にはこんな大量殺人は起き得ないけれど、フィクションだと割り切って考えればリアリティは置いておけるのかもしれないという考えに至った。

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2018年07月14日

Posted by ブクログ

以前、ネットで話題になって一瞬入手困難になった本。普通に古本屋で買えました。
簡単にいえばバカミス。事件それぞれにインパクトがあるし、お話の中心人物になるマークも最初は派手でツカミはOK(後にだんだん目立たなくなるけど)
バカミスがどういうものか分からない人には分かりづらいノリかもしれないけれど、マンガでミステリーを表現しようとすると絵面勝負でヘンテコでツッコミどころの多いものができることがある(コナンや金田一少年であっても)
そういうのがずっと続く。馬鹿馬鹿しいまま。そんなノリ。

で、この小説はもちろん作者が狙って書いている。だから読みやすい。でも読み終わっても何も残らない(いや、インパクト大なシーンやセリフは残るかな)一応、有名なミステリーのパロディがあったりするけど、知らなくてもいい。むしろ元ネタ読んでないなら読まずに忘れて、忘れた頃に偶然読んでください。もったいないので。

読んで腹は立たないけれど、時間の無駄である、正しいバカミスでした。

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2018年01月29日

Posted by ブクログ

『これは、犯人は、最強力士の人肉人形(アゾート)を作ろうとしているのではないでしょうか。』

角界が不穏な空気に包まれている今だからこそ読むべき作品。というわけではなく、冒瀆的でふざけた内容。でも、ミステリのパロディ満載なのでかなり面白い!特に「最強力士アゾート」と「黒相撲館の殺人」は歴史的名著のパロディネタなので、それだけで嬉しくて震える。

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2017年11月26日

Posted by ブクログ

2014.4.16処分

日本の大学入学を希望している外国人マークが、勘違いから相撲部屋の門を叩き、そのまま入門して力士になる。
角界に次々と起こる殺人事件を解決するマーク。
しかし力士たちの大量殺人で角界は壊滅状態では⁉︎
という馬鹿馬鹿しくも本格の要素も入った?ミステリー。
小森先生と同僚でもある奥泉先生の解説がまた面白かった。

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2014年04月17日

Posted by ブクログ

2008/11/10 ジュンク堂シーア住吉店にて購入。
2013/4/27〜4/30

久しぶりの小森本。五年ものの積読本。小森氏といえば、歴史に題材を取った密室もの、というイメージであったが、今作は相撲部屋が舞台のユーモア系。角力さんが主役というと、筒井康隆氏の「走る取的」、京極夏彦氏の「どすこい」などを思い出すが、それらとは違った感じ。

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2013年04月30日

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