あらすじ
攫われたユナを追い、火馬の民の族長・オーファンのもとに辿り着いたヴァン。オーファンは移住民に奪われた故郷を取り返すという野望を抱えていた。一方、岩塩鉱で生き残った男を追うホッサルは……!?
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Posted by ブクログ
再読。
ついに犬たちの正体。
犬たちを遣わした人々。
2巻でホッサルたちが辿り着こうとしているところが明確になりました。
追い詰められた人の狂気。
初めは被害者であっても、意思を持って仇をなそうとすれば加害者になってしまうこと。
科学の時代ではない(科学の思考のない)人の、宗教観・思想の偏り。
なんだか最近聞いたような構図で浮かび上がってくる怖さ。
この怖さをヴァンは「妄執」と呼びました。
そう思っていても、その妄執を正義だと妄信している者の気持ちに浸かってしまえば、同調もできてしまう。
それぞれの立場があって、いろんな国、戦、そこに生きる人、支配者、そういうものの中で、登場人物達の位置付けと動かし方に3巻目でまた深さを感じます。
それぞれがそれぞれに、自分の立場の中で、自分にできることをするしかない。
自分にできることに一生懸命になるしかない。
それを感じました。
↓ネタバレ
p.150
ヴァンの言葉
「……戦は」
「自らの手を汚してやるものだ。おのれの身の丈で……おのれの手が届くところで」
妄執に取り憑かれた人の気持ちを理解しつつ、共感もしつつ、またそこに近しい人がいたにも関わらず、やはりヴァンは強かった。
身の丈に合った行動をすること。
ヴァンは足るを知る人物だからこそ、自信を持ちすべき事を見失わないんだろうな。
Posted by ブクログ
p.29 色彩が消え、物の輪郭が濃淡で浮かび上がる灰色の世界で、音と匂いが、異様な存在感をもって迫ってくる。
ヴァンとホッサルがついに対面。物語がさらに絡み合っていく。
ここから先がさらに楽しみ。