感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
再読。
ついに犬たちの正体。
犬たちを遣わした人々。
2巻でホッサルたちが辿り着こうとしているところが明確になりました。
追い詰められた人の狂気。
初めは被害者であっても、意思を持って仇をなそうとすれば加害者になってしまうこと。
科学の時代ではない(科学の思考のない)人の、宗教観・思想の偏り。
なんだか最近聞いたような構図で浮かび上がってくる怖さ。
この怖さをヴァンは「妄執」と呼びました。
そう思っていても、その妄執を正義だと妄信している者の気持ちに浸かってしまえば、同調もできてしまう。
それぞれの立場があって、いろんな国、戦、そこに生きる人、支配者、そういうものの中で、登場人物達の位置付けと動かし方に3巻目でまた深さを感じます。
それぞれがそれぞれに、自分の立場の中で、自分にできることをするしかない。
自分にできることに一生懸命になるしかない。
それを感じました。
↓ネタバレ
p.150
ヴァンの言葉
「……戦は」
「自らの手を汚してやるものだ。おのれの身の丈で……おのれの手が届くところで」
妄執に取り憑かれた人の気持ちを理解しつつ、共感もしつつ、またそこに近しい人がいたにも関わらず、やはりヴァンは強かった。
身の丈に合った行動をすること。
ヴァンは足るを知る人物だからこそ、自信を持ちすべき事を見失わないんだろうな。
Posted by ブクログ
p.29 色彩が消え、物の輪郭が濃淡で浮かび上がる灰色の世界で、音と匂いが、異様な存在感をもって迫ってくる。
ヴァンとホッサルがついに対面。物語がさらに絡み合っていく。
ここから先がさらに楽しみ。
Posted by ブクログ
素直に次のページが気になり、読む手が止まらない。
人はなぜ病に罹るのか、そして治る人とそうでない人がいる。
『病にかからぬ人もいるのに、なぜ、妻と子は罹ってしまったのか。なにか悪い事でもしたと言うなら、まだ納得もできただろうに、何の理由もないからこそ、どうしても問わずにいられない。』
『長く生きることができる者と、長く生きられぬ者が、なぜ、いるのか。』
『長く生きられぬのなら、なぜ生まれてくるのか。』
運命の不公平
言わずもがな、解説が素晴らしい。
『私たちの身体は、ひとつの国みたいなものなんだ』
『このひとつの身体の中に、実に様々な、目に見えぬ、ごくごく小さなモノたちが住んでいて、いまも、私の中で休むことなく働いている。滑らかに連携を保ちながら。そうやって、私の体
身体は生かされているんだ。』
Posted by ブクログ
国や部族間の思惑、善悪が露わになってきて入り乱れる。それぞれの想いを見ると、何が悪いと一概に言えない。読みながら、思わず考えてしまった。どうすれば、平和に安心して皆が暮らせるのか?