あらすじ
「リボンモデル」「不の発見」「価値マネ」「ぐるぐる図」「価値KPI」「型化」……
次々と新しい事業を生み出す「リクルート式」を、
トップコンサルタントが徹底分析!
数々の新規事業を生み出してきたリクルート。
「結局リクルートだからできるのであって、我が社には役立たない」と思い込んでいる人たちは少なくない。
しかし、それは大きな誤りだと著者は言う。
リクルートには、個人のアイデアを拾い上げてブラッシュアップし、
驚異的なスピードと爆発力で展開するしくみを組織全体で共有しているのだ。
昨今話題の「リーン・スタートアップ」「アジャイル」と似た手法を、
シリコンバレーに先駆けて実践していたのがリクルートである。
本書は、第一線の戦略コンサルタントが、その手法を分析し、一般の企業に応用する方法を解説する。
リクルートは自由な発想とユニークな人材の活用が出来ており、やはり組織として、会社として、上手くできているなと思う。
新規事業を成功させるためには「計画に時間をかけるのではなく、未完成の事業でも走りながら修正を加えながらボトムアップしていくということ」「計画できないこと、達成できないこと、実現できないことは計画値の中にいれてはいけないということ」「事業を成功させるためにはとにかくブラッシュアップでおかしいと思うことや、改善した方がよいことは意見を出し合い最大限ブラッシュアップしていくということ」などがわかりやすく書かれている。
また経営陣のありかたとして「決してトップダウンではなく、現場の能力を生かすことに最大限尽力しなければいけないということ」など行動から組織のあり方、新規事業進め方などリクルートのその成功の秘密を丁寧に解説した書である。0→1よりも1→10に強みがあること、リクルートが一般の企業とあきらかに異なるのは、個を尊重し、人を活かす企業文化が徹底されているところだ。
リクルートで必ず言われる言葉「お前はどうしたい?」など、競争しながらも共有し一般企業がどこまでリクルートに近づくことができるか、考えさせらせる書である。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
リクルートの強さがわかる一冊。常に読める。
・経営陣の仕事はいかにメンバーのパフォーマンスを最大化することを考え、細かな点は口出ししない。
・価値のあるKPI=成果に徹底的にこだわり、進化させる。KPIがシンプルで行動指標にもなる。
・KPIは外的要因へ左右されてはいけない。自らの行動が直結し、成果のわかりよいものにする。
・Speedによる優位性を担保するために型化があり。型化があるからこそ速く強く成長する。
・人事評価:will、can、must。mustは会社から求められるもと=給与への対価=最低ライン。willはさらに未来の為の目標。この間をどう埋めるか?こらがcanである。その評価が個の売上最大化となる。
Posted by ブクログ
事業創造から育成、存続までリクルートから生み出された様々なサービスを用いて説明している。
「ホットペッパービューティーのAirレジ導入」や「スーモカウンター設置」など、リクルートが「なぜ?」を問い続け、世の中の不を解決し、勝ち残って来たノウハウが外部コンサルタントにより解説されている。
良書。
Posted by ブクログ
事業企画に関する名著。その考え方、設計の仕方は元より、KPIについての考え方についても非常にわかりやすい。
また、一番重要な文化とその醸成に繋がる裏側の仕組みを紐解いてくれているのが印象的であった。
人におすすめできる一冊。
<メモ>
・新規事業の成功には数とスピードが不可欠。
最終的に何がうまくいくかはやってみないければわからないため。
計画に時間をかけすぎる。
・上がったアイデアをブラッシュアップする。
新規事業を創出できる人材を育てるという発想。
クリエイティブな天才が画期的な事業を考案し、
成長する偶然が重ならないと新規事業は生まれないと考えている。
・できるだけ筋のいい新規事業をたくさん市場に出すしか成功の可能性を上げるための方法はない。一つ一つについて言い出しっぺに失敗の責任を取らせて敗者のレッテルを張ると社員が萎縮して事業アイデアを出さないし、うまく行っていない事業の撤退を決断することもできなくなってしまう。
・リクルートの工夫
リボンモデルで業界構造全体を捉え、それを共通認識として社内での議論ができる。
PDSのPではなく、何を検証するかに議論を集中させ、とりあえずテストマーケティングやスモールスタートの形で市場に出してテストマーケティングを行う。
PDSの回転単位は日時であることも
新規事業開発手法・メソッドが確立されている。
たとえ既存領域を脅かすことになっても、ボトムアップによる新規事業開発をやるとトップマネジメントがコミットメントする。一定の段階で予算組みと権限を新規事業開発のトップに渡す
うまくいかない事業はある段階で見切られ、スパッと撤退する。
それをどの事業へも厳格に適用する。
アイデアを出し、チャレンジすることが賞賛される文化。何度でもチャレンジできる。
・リボンモデルの本質。消費者の不の解消のみならず、産業構造全体が持つ不、社会が持つ不へも着目すること。リボンモデルを設計することでビジネスの視野を自然にグッと広げる。既成概念に囚われず、業界全体、社会全体を変えるほどのイノベーションにつながるような斬新なアイデアを生み出すためのツールになる。
・新規事業には3つのステージがある。世の中の不をアイデアにする段階、勝ち筋を見つける段階、爆発的な拡大再生産を行う段階。
不の発見、テストマーケティング、NEW RINGで1段階目をサポート
マネタイズ設計、価値KPI設定、ぐるぐる図で2段階目を
価値マネ、型化とナレッジ共有、小さなS字を積み重ねるで3段階目をサポートしている。
・不の発見。あるべき社会実現につながる潜在的な不を探す。不を産んでいる産業構造の暗黙のルールを突き止める。不を解決するための新たなお金の流れを見つけ出す
・テストマーケティング。本当に人の心を動かす事業アイデアなのかを検証する。顧客がお金を払ってでも解決したい課題なのかを検証する。検証を段階的に設計し、規模を拡大しながら次へ進める。リソースをどれだけ与えるのか、いつまでに結果を出す必要があるのか、何を達成すれば次の段階に進めるのかを明確にしておかなければならない。
・New RING。ボトムアップによる新規事業の起案を賞賛する。アイデアを事業へとブラッシュアップし、軌道に乗せる。起案者の志を尊重し、実現への覚悟を問い続ける。
・リクルートの不は誰も目をつけていなかったもの、既存の産業構造を変えるもの、収益につながるものと、所謂ニーズより深い概念。
・アイデアが集まったとしても、そのアイデアをどのように事業化に繋げるか、道筋が仕組み化、構造化されていなければ、新規事業は生まれない。
いいアイデアがあれば応募するではなく、応募すると決めてからアイデアを練るケースも。
・NEW RING最初の審査で問われる基準。市場規模、ユニークかどうか、志の3つ。
市場規模。リクルートは数億ー数十億の規模では小さすぎると判断されてしまう。100億以上の市場と市場の圧倒的シェア確保が必須。
ユニークかどうかはなんとなくではなく、国内初、世界初レベルを求める
志はあるべき社会の姿に照らし合わせて、真に解決すべき不が存在しているのだということを説得力を持って伝えられるか。自分自身がその解消に向けて取り組む覚悟を持っているか。
・マネタイズ設計。誰がなぜ、いくらで、どの予算で買ってくれるかを突き止める。ユーザーの行動、顧客の売上、自社の活動を方程式でつなぎこむ。市場を継続的に成長させることができるお金の流れを作り出す。
・価値KPI。事業の価値を上げる鍵となる指標を顧客評価から探し出す。価値 KPIへの因果関係の高い実際の行動を探り出す。全員での高速なPDSによって指標と行動の仮説を変更し続ける。
・ぐるぐる図。現場からの市場変化の兆しを経営へとつなぎ、タテの知恵を回す。
異なる役割の人材が並行して洞察を加え合い、ヨコの知恵を回す。現場に価値筋への兆しがなければ潔く撤退の決断を下す。
・マネタイズ設計の3つのポイント1クライアントが明確であること2お財布までが見えていること(前提条件まで明確に)3利益を生むオペレーションモデルが確立できること。
・勝ち筋とは事業化して本格展開するための構造づくり。
・リクルートの多くの撤退事例については、撤退後もその過程が詳細に記録、分析され、一部は事例化されて研修の教材に使われたりしているほど。
・KPI設定ではきちんと価値につながるものかどうかを真摯に検証し続けること。ロジックは通っているが、オペレーションにまで落とし込めるのか、実行段階までを見据えてしつこく見直す。
・KPIに必要な条件
1 整合性 最終的な目標に向かってロジックが通っていること。
2 安定性 指標が安定的・継続的に取れること。検証できること
3 単純性 指標が少なく覚えやすいかどうか(運用にあたり非常に重要)
・価値は自然に生まれるのではなく、意識的に生み出すもの。能動的かつ積極的にマネージし、最大化、最適化を測るもの。という意識。事業に本質的な価値を与える要素は何かを見極め、事業に関わる社員が共通認識できるわかりやすい数値目標に落とし込む。売上ばかりに目を向けず、顧客への提供価値について意識合わせすること
・新規事業創造に向けてリクルート経営陣が行なっていること。人を活かす。若さを保つ。器を揃える。
・人を活かすはリボンモデルを組織に刷り込み、自主性を解放させること
悩んでいてもお前はどうしたいに答えることをひたすら求められる。
共通の理念を徹底的に刷り込み、個人を追い込むことでその潜在力を引き出さなければならない
・大企業病に陥らずに組織の若さを保つためには、常に内部での競争を奨励し、成功者を称え、全員がそこから学べる仕組みを埋め込んでおくことが有効。
・未来を予測し、必要になるであろうケイパビリティを磨く。大きな成長機会や自社にとっての脅威となりうる存在を取り込む。
Posted by ブクログ
当たり前のことを理解し、その通り実行することの難しさ。
会社の文化としてそのことが染み付いているのはすごいと思う。
リクルートという会社の社会貢献がどうかとはまた別の話だと思うが。
Posted by ブクログ
経営陣の役割
①人を活かす
・個の尊重=自由奔放とは違う
・明確な方向を打ち出し、刷り込んでいくことで何をすべきなのか、何をすべきでないのかが組織全体として共有される
②若さを保つ
・賞賛の文化
・ノウハウの共有
③器を揃える
Posted by ブクログ
圧倒的な売上を誇る事業がいくつも創出され、市場にリリースされる秘訣を覗いてみたくて読み始めた。頭の切れる人たちで創り上げているのだろうと当初は思っていた。しかし、単純にそれだけではなく、地道なPDCAの積み重ねや徹底的な分析・テストによる賜物なのだと思い知らされた。当社の特徴である「圧倒的な当事者意識」について垣間見ることができた。
Posted by ブクログ
リクルートの新規事業立案に関する内容が書かれた本。
一部の天才が新規事業を考えてると思われがちだが、リクルートは組織的にうまくサポートできるようにリボンモデルといった集める・動かす・結ぶというフローで上手く事業化していることが理解できる。
Posted by ブクログ
リクルートがいかにして新規事業を生み出すかが書かれた本。
「不」を正当化しがちなので、それを起点に事業を起こす発想を心掛けたいと思った。
組織の意思決定とそのスピードについてはまだ経験がないから、知識の一つとして置いておく。
1→10のプロセスの復習がしたいので、しばらく経ったらもう一度読むと思う。
Posted by ブクログ
■感想
本書冒頭でも書かれていますが、リクルートは真似できないと思われがちですが、ある意味真似できるよ、というのを言語化してくれているので、何が行われているか分かります。
リクルートの強さの秘訣は、経験上得られ、ものすごく練られている戦略があって、それが同じ方向で明確な厳格化している。これが社員に腹落ちしていて、個々が個々の頭の中で進化させているのです。
■要諦
・リボンモデル
・9つのメソッド
ステージ1 0→1
①不の発見 ニーズとは違う。不は、誰もが目をつけていなくて、既存の産業構造を変えるほど大きくて、収益に繋がるもの。
②テストマーケティング
③New RING
志は本人の心の中からしか生まれない
ステージ2 1→10前半
④マネタイズ設計 勝ち筋を見つける。つまり、勝ち筋を見つけるとは、クライアントが明確で、支払うお財布が見えていること、利益を生むオペレーションモデルが確立すること。
⑤価値KPI 良いKPIとは、全てのメンバーが答えられるものかどうか。良いKPIには、最終目標との整合性、KPIとしての安定性、単純性の3つが必要。ゼクシィの例は、資料請求葉書数ではなく、ブライダルフェア来場者数とした。何を磨けばリボンの端から中央にステークホルダーが動くか見極める。良いKPIが見つかればメンバー自身、やるべきこと、やるべきでないことが明確判断できる。必ずしも最後のステップがKPIではなく、本質ではない。
⑥ぐるぐる図
なぜ成功したか、なぜ失敗したか。縦ぐるぐると横ぐるぐる。縦ぐるぐるはホウレンソウではない。縦ぐるぐるはボトムアップ。横ぐるぐるは部門を超えたもの。
ステージ3 1→10後半
⑦価値マネ 顧客価値の認識を統一することは大事。そして、価値KPIを磨きながらPDSサイクルを回していく。なぜをマネジメントする。その結果を型化して、改善に活かす。
⑧型化とナレッジ共有 価値マネを実践するためのもの。型化して、横展開。型化は均一化が目的ではなく、型を、超えた次元のためのもの。
⑨小さなSの積み重ね 衰退しないために。持続的成長のために、現場から次の成長の兆しを捉えること。ホットペッパー、情報誌から予約サービスへ。
→不確実性の高い市場環境(アダプティブ型環境)で生き残ることに効いてくる。
そうした環境下での罠。自分自身の考えを過信する、反対意見を封じる、計画できないことを計画する、硬直した方向性、行動の遅れ、社運を賭ける、失敗を罰する、流行によって戦略を選択する。※最後の流行によって〜はよくあるのでは。
・10から先
-競争軸にスピードを加えるタイムベース競争。コスト×品質×タイムスピード。これが競争を決める要素。
-0.05-5の法則(価値を生んでいる時間は全体の0.05-5%に過ぎない)、3分の3の法則(価値を生んでない時間は、前の工程の待ち・手直し・次の工程への待ちに3分割できる)、4分の1と2と20の法則(デリバリーの時間を1/4に減らすと、資本、労働の生産性が2倍、コストが20%減る)、3×2の法則(タイムベース競争により業界平均の3倍の成長率と2倍の利益率を実現できる)
-マネタイズポイント じゃらん、GEの航空機ビジネス、ベンツのトラックリース
-自走するアジャイル Alignment(一致団結)とAutonomy(自律)の両立。
・マネジメントによる環境整備
現場の能力を最大限に伸ばすために何をすべきく考え、必要なリソースを投入することが、リクルートの経営層の一番のミッション。
人を生かす 個の尊重、お前ならどうするで抑圧から解放。高次の視点を植え付ける
若さを保つ 称賛と成功原因の飽くなき追求
器を作る ディスラプターも取り込む
Posted by ブクログ
●感想
リクルートが、課題設定もテストケースも、具体的に突き詰めることを大事にしていることが分かる本。
●なぜ読んだか
・リクルートの仕組みの強さを学びたい
●学んだこと
・「不」は顧客のニーズだけでなく、リクルートが考えるあるべき姿も反映している
・撤退するハードルもあらかじめ設定し、ドライに運営している
・誰のどのお財布からお金を持ってくるか具体的に落とし込む
・テストケースの段階でKPIを発見するところまでやる
・「型」は将来より早く成長するための基礎体力
・他者に壊されるくらいなら、自分で壊しにいく
●今後やること
・撤退のハードルも決める
・誰からどのお金を持ってくるかまで具体的に想像する
・テストケースでもKPIを発見することをやりきる
Posted by ブクログ
正直、リクルートの規模でないと成立しない気もしますが、とても刺激的な内容でした。こういった文化のない会社では、経営陣がどこまで本気になってくれるかどうか、会社が後押ししてくれるかどうかがとても重要だと思います。転職しようかな…
Posted by ブクログ
リクルートGr.における新規事業開発と、ローンチされた事業の育て方について書かれた本。
正直読む前は、Rならではの社風や社員のマインドがあるからこそなし得た功績が書かれているのかなと思ったが、
(確かにそういう部分は実際あるにしても、)
普段自分の担当業務に向き合う上で必要な視点、押さえておくべき数字感や、当事者意識の持ち方については個人レベルでも参考になった部分が多かった。
Posted by ブクログ
実践的でかなり面白かった。
■3つのステージと9つのメソッド
「0→1」世の中に、まだ存在していないモデルを生み出すステージ
メソッド①不の発見…新規事業の起点となる「不」を探す
メソッド②テストマーケティング…発見した「不」がビジネスとして成立するのかを見極める
メソッド③New RING…アイデアを事業に育てるサポート
「1→10」前半 ビジネスの種を、単なるアイデアから「事業」に成長させるステージ
メソッド④マネタイズ設計…圧倒的な収益を獲得するためのモデル設計
メソッド⑤価値KPI…勝ちにつながる行動や指標を発見・特定する
メソッド⑥ぐるぐる図…PDSを高速に回しながら、勝ち筋を探る手法
「1→10」後半 ステージ2で発見した勝ち筋やKPIを実行し、爆発的な拡大再生産につなげる
メソッド⑦価値マネ…発見した価値KPIに基づき、拡大させていくためのマネジメント
メソッド⑧型化とナレッジ共有…価値マネを実践するための行動を「型」に落とし込んで共有する
メソッド⑨小さなS字を積み重ねる…現場でつかんだ“兆し”を吸い上げる仕組み
■単なるニーズと「不」は違う
「ニーズ」は、言葉通り、お客様が求めているもの。一方の「不」には、それだけでなく、リクルートが考える、あるべき社会の姿が反映されている。
■「不」を見極める3つの条件
・見過ごしがちだが誰も目をつけていなかった「不」かどうか
・その「不」は、本当に世の中が解決を求めているものなのか。既存の産業構造を変えるほどの、大きな可能性を秘めているのか。
・その「不」を解消することが、収益につながるかどうか。
■勝ち筋の定義
・クライアントが明確であること
・「お財布」までが見えていること
・利益を生むオペレーションモデルが確立できること
『ザ・プロフィット』などの著作で有名な米国のコンサルタント、エイドリアン・スライウォツキー氏は、既存顧客のすぐそばにある需要を掘り起こすことが、イノベーションの成功のカギだと述べている。
流行だからといって、自社の基幹産業から遠い分野の新規事業へと手を出して失敗する企業も多い。きちんと既存顧客の「不」を見つめ直し、そこからしみ出していくことが、領域を拡大するときのポイントだと言えるだろう。
Posted by ブクログ
実践的でかなり面白かった。
■3つのステージと9つのメソッド
「0→1」世の中に、まだ存在していないモデルを生み出すステージ
メソッド?不の発見…新規事業の起点となる「不」を探す
メソッド?テストマーケティング…発見した「不」がビジネスとして成立するのかを見極める
メソッド?New RING…アイデアを事業に育てるサポート
「1→10」前半 ビジネスの種を、単なるアイデアから「事業」に成長させるステージ
メソッド?マネタイズ設計…圧倒的な収益を獲得するためのモデル設計
メソッド?価値KPI…勝ちにつながる行動や指標を発見・特定する
メソッド?ぐるぐる図…PDSを高速に回しながら、勝ち筋を探る手法
「1→10」後半 ステージ2で発見した勝ち筋やKPIを実行し、爆発的な拡大再生産につなげる
メソッド?価値マネ…発見した価値KPIに基づき、拡大させていくためのマネジメント
メソッド?型化とナレッジ共有…価値マネを実践するための行動を「型」に落とし込んで共有する
メソッド?小さなS字を積み重ねる…現場でつかんだ“兆し”を吸い上げる仕組み
■単なるニーズと「不」は違う
「ニーズ」は、言葉通り、お客様が求めているもの。一方の「不」には、それだけでなく、リクルートが考える、あるべき社会の姿が反映されている。
■「不」を見極める3つの条件
・見過ごしがちだが誰も目をつけていなかった「不」かどうか
・その「不」は、本当に世の中が解決を求めているものなのか。既存の産業構造を変えるほどの、大きな可能性を秘めているのか。
・その「不」を解消することが、収益につながるかどうか。
■勝ち筋の定義
・クライアントが明確であること
・「お財布」までが見えていること
・利益を生むオペレーションモデルが確立できること
『ザ・プロフィット』などの著作で有名な米国のコンサルタント、エイドリアン・スライウォツキー氏は、既存顧客のすぐそばにある需要を掘り起こすことが、イノベーションの成功のカギだと述べている。
流行だからといって、自社の基幹産業から遠い分野の新規事業へと手を出して失敗する企業も多い。きちんと既存顧客の「不」を見つめ直し、そこからしみ出していくことが、領域を拡大するときのポイントだと言えるだろう。
Posted by ブクログ
タイトルは大げさにあらず。このリクルートであれば有名なイノベーションのジレンマも克服できるのではないかと思った。一人一人の力を生かす仕組み作りが凄い。上意下達なんてどこにもない、そこには温かくも厳しい上司の目があるだけ。やる気をかき立たせ、アイデアを共有することがかっこいいと思わせる社風に仕立て上げているリクルートの経営陣恐るべしである。
Posted by ブクログ
リクルートの「リクルートらしさ」を超シンプルに解説された感じです!さすがフレームワークのBCG!あまりにもわかりやすいので出来そうな気がしますがきっと無理。現在の結果論だとこういう「型」だけどこの「型」を作り出すための時間と努力と失敗と血と汗と涙はとてつもないものだと推測します。言及はないですが創業者、江副浩正から繋がるバトンなのだと思います。それは徹底的にKPIにこだわる姿勢です。そしてKPIを創造的に設定する姿勢です。事例にあったホットペッパービューティのKPIを「広告売上」から「サロンボード活用サロン数&予約数」に転換するくだりは圧巻でした。KPIってクリエイティブな存在なのだと改めて確信しました。しかし、そんなリクルートでさえGAFAから見れば小さな存在…現在、進んでいるindeedを始めとするグローバル展開を注目したいと思います。
Posted by ブクログ
2024/02/02読破
一言:「型」を作り、成功した要素を抽出し組織に広げていくノウハウが学べる
感想:リクルートの精鋭部隊の業務の「型」を学べます。エリートたちが集まって、洗練された「型」で業務を行なっていく姿を想像すると、他を追随させない圧倒的なパフォーマンスがイメージできました。
下記は印象に残ったページ
p157
「型」はあくまで組織全体のパフォーマンスを上げる基礎力を付けるもの。新入社員や中途が入ってきても組織に馴染み、馴染んだ後に発展しやすいような基礎のこと。
p221
WCMシート
will,can,mustで自分の未来や可能なこと、やらなければいけないことを言語化しやすいシート
Posted by ブクログ
・感想
リクルートの成功モデルをわかりやすく書籍化した本。
BCGの方がわかりやすく書いていて理解早く楽しく読み終わりました。
・Todo
社会実現の不を探す。
→これによって世の中、業界構造が変わるほどのインパクトがあるのな。収益をどこから得るのか。
人の心を動かす事業なのか検証。
→人、お金をいつまでに達成すれば次に進むかを具体的に。
ボトムアップ。
→アイデア出しを称賛すること。
・KPIの設定は勝ちに繋がるものの検証し続け、オペレーションにしっかり落とし込めるか。
撤退時はキッパリと撤退する。
・KPIは愚直に高速に検証しながら回し続ける。
・どんなビジネスモデルも衰退するので次のビジネスモデルを考える。
・変革のためにスピードを意識。
・市場の不を見つめ直し、スピードで圧倒する。マネタイズポイントを変える。周辺領域に拡大する。他社のビジネスプロセスに入りこんで進化させる。
・人を活かすために共通理念を徹底的に刷り込み、個人を追い込むことで潜在力を発揮させる。
・成功者を称え、全員がそこから学べる仕組みを埋め込んでおく
Posted by ブクログ
1.自分に足りないアイデアを出す力が何なのかを知るために読みました。
2.リクルートという会社がなぜここまで成長を遂げたのか、それには社内で9つのメソッドが確立しているからです。このメソッドを基に、社員達は「自分はどうしたいのか?」を常に自問自答し、様々なフレームワーク、現場検証を徹底的に行っていきます。そのような文化が醸成されることで、挑戦することが文化として根付いていき、新規事業を多く生み出しています。
現代企業の象徴とも言えるリクルートの内面が見える一冊になってます。
3.コンサルの方が書いたので、ビジネス用語を用いながらも整理されておりました。しかし、フレームワークを使いこなすことではなく、社員の方達が持ってる情熱や継続力の方が大事だと思いました。この本の書き方だと、バリバリ綺麗に仕事をこなしてるイメージが先行してしまいます。現場はもっと泥くさいことをやってると思いますし、本当にフレームワークを使用しているかは悩ましいところだと思いました。
ですので、大切なことは、いかに社会の不満を見つけるか、そのために自分がどれだけ体験を重ねていき、感性を磨いていくかが大切だと改めて実感しました。なので、これまで以上に外に出てもっと人間らしさを追求していきたいと思いました。
Posted by ブクログ
リクルートは本当に偉大な会社だと思うし、そんな、リクルートのすごいポイントの要点がきれいに整理されてる書籍。なんだけれども、きれいに整理されすぎていて、表層的で、本日がみえてこない。リクルートの中の人間ではなく、外から見た、リクルートの要点が書かれているので、リクルートの実態、なにが、原動力になってるのか、どうやって人が動いているのかがみえづらい。個人的には、リクルートには、常に入れ替わり立ち替わりの新陳代謝があって、若くして定年みたいな、お尻に常に火がついてる文化がいちばん大きいのではないかと思う。これによって、マンネリもなくなり、既得権益もなくなり、自分ごと化、責任感、リーダーシップが生まれてるのではないだろうか。逆に言うと、辞める人が少なくなった時、定年まで居座る人が多くなった時、リクルートとはいえ、危なくなるのではないだろうかと感じた。
Posted by ブクログ
必要にかられて急遽読んだ本。
リクルートの「不」の解消の話はなんとなく聞いたことがあったが、体系的に読んだのはこの本が初めてで、スムーズに理解することができた。この概念はその後も折に触れて出てくるので、早めに読んでおいてよかったように感じる。
Posted by ブクログ
リクルートといえば
ゼクシィ、SUUMO、ホットペッパー、タウンワーク等
たくさんの新しい事業を立ち上げている会社です。
本日ご紹介する本は、
次々と新しい事業を生み出す
リクルートの仕組みを紹介した1冊。
ポイントは
「手法としつこさ」
リクルートは、天才ではない多くの普通の社員からの、
名案ではないアイデアを集め、
それを名案に磨き上げる”手法”と”しつこさ”
を持っているに過ぎないと言います。
「不」
事業とは、顧客の不便や不満を解消するためのもの。
まずは、顧客の「不」を発見し、その事業性を見極めるところから始めます。
誰も目をつけてなく
かつ、それなりの事業の大きさがあり
収益につながるかどうかを見極めます。
「リボンモデル」
リクルートは自社の技術や製品をもっているわけではないので
企業や個人を繋げるビジネスが基本です。
これをリボンモデルと言います。
左側の個人と、右側の企業を多く集め、
これらをリボンのように真ん中で結びつける
「マッチング」の仕組みを作ることがリクルートの役目です。
「新規事業提案」
新規事業提案に関しては
いいアイデアがあれば応募するのではなく、
「応募する」と決めてからアイデアを練るそうです。
なにがうまくいくかは、やってみなければわからない。
新規事業の成功には「数」と「スピード」が不可欠。
「数」と「スピード」、「手法」と「しつこさ」
それらが仕組みになっていることが、新規事業のカギのようです。
ぜひ、読んでみてください。
◆本から得た気づき◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
綿密に練り上げられた手法によって、総合的かつスピード感をもって事業を育てている
新規事業において、計画を柔軟に軌道修正できいないことは、致命的
言い出しっぺに失敗の責任を取らせるのでは、新規事業のアイデアを出さなくなる
収益を生み出す事業性があるかどうかが見えないと事業化へのステップに進めない
「だれがお金を出すか」だけでなく、「誰がどの財布からお金を出すか」まで突き詰める
何を磨けば、リボンの左右両端から中央の結び目にむかってステークホルダーが動くのかを見定める
現場でつかんだ兆しを吸い上げる行動があるから、小さな革新を積み重ね、競合優位性を保てる
とにかくスピーディーに数多く実施して、「当たり」の施策を増やすしかない
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆目次◆
序 章 なぜ、あなたの会社の新規事業はうまくいかないのか
第1章 ステージ1「0→1」──「不」を発見し、事業性を見極める
第2章 ステージ2「1→10」その1──勝ち筋を見つける
第3章 ステージ3「1→10」その2──爆発的な拡大再生産
第4章 10を超えて、さらに飛躍するために
第5章 経営陣の役割――「リクルートモデル」を活かすために
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Posted by ブクログ
主になるビジネスを新規で上げられている点はもともと強みとして理解していたが、既存ビジネスをより強固にする点においても長けていることがわかった。
基本的に、構想の段階で力を入れている。
社内でここまで考えられ試せることができる環境があるのはすごい。また、そこにいる人材も優秀。
リクルートの採用戦略、人材ターゲットが伝わってくる。
Posted by ブクログ
リクルートの事業の進め方は本当に素晴らしい。
日本のコチコチの企業とは違うんだと改めて思う。
もし日本のコチコチ会社が危機を感じて
この手法を取り入れようとするならば、
経営層も社員も含めた「変えてやるぞ!」
という力強い信念が「全員」に必要。
「変えてみよう」という意識程度じゃ
リクルートには追いつけない。
真似もできない。
Posted by ブクログ
まぁまぁかな。
リクルートの手法は興味深いけれど、常に応用が効く様にも感じられない。むしろ、常に知恵を働かして、こうした考え方を生み出し続けているリクルートに感心する。