【感想・ネタバレ】水やりはいつも深夜だけどのレビュー

あらすじ

セレブママとしてブログを更新しながら周囲の評価に怯える主婦。仕事で子育てになかなか参加できず、妻や義理の両親から責められる夫。出産を経て変貌した妻に違和感を覚え、若い女に傾いてしまう男。父の再婚により突然やってきた義母を受け入れきれない女子高生……。思い通りにならない毎日。募る不満。言葉にできない本音。それでも前を向いて懸命に生きようとする人たちの姿を鮮烈に描いた、胸につき刺さる6つの物語。

小説で誰かを救う。そんな大それたことは言いづらい。
だけど、それに本気で挑戦している作家は確かにいるのだと、
窪美澄を読むといつもそう思う。
――朝井リョウ(作家)

文庫化に際し、オリジナル短編、一編追加!

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Posted by ブクログ

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連作部分もある短編集。読んでいて苦しくてたまらない。心の内側を描くのが本当に上手い。
「ちらめくポーチュラカ」田舎育ちで現在は豊かな暮らしをする妻が、ブロガーとして人に認められつつも他人の目を気にしてしまう…妻の名前が出てこないところも、話とリンクしていて辛い。
「ゲンノショウコ」娘、風花の知的障害を疑う美幸。障害を持つ妹が自分を追いかけ線路で事故に遭った経験があり、上辺だけで大変だね、という人に対して我慢ならない気持ちと、実際の苦しみの間で揺れ動く。
「かそけきサンカヨウ」父が幼い子連れの女性と再婚。自分がその年齢の頃、すでに産みの母親がいなかったこともあり、早くから大人になるしかなかった主人公の事を思うときゅっと胸が締めつけられる。それなのに、あんなに大人の態度をとれる陽はステキだ。
せめて陸の前だけでも心のうちをさらけ出してほしい。
家族って自然体では成り立たない。
水をやり育てていかないと枯れてしまうもの。どんなに忙しくても時間が合わなくても、みずやりを忘れちゃいけないのね。

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2024年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

水遣りはいつも深夜だけど

家族にまつわる短編集。

サボテンの咆哮 と かそけきサンカヨウ
がすごくすごくよかった。

サボテンの咆哮
自分の子育ての事や家庭の事、いろいろなことが心に浮かんで涙が流れた。
育児物の小説ってどうしても母親目線のストーリーになるが、この話は父親メインの話で、父親も母親同様に葛藤を抱えて悩み苦しむんだと知り、切なくなった。
奥さんの方も優しい人で、お互いに許し合うことができてよかった。

かそけきサンカヨウ、
これもとても良かった。
全体的にとても静かなトーンで話が進んでいくが、最後の美子さんの「陽さんのお母さんは素敵な絵を描く方なんだね」と言うセリフひとつに涙腺が崩壊した。美子さん本当に素敵な人。
心がとってもとっても広いんだと思った。
陽さんは、美子さんのようにもっともっと透明になりたい、と表現したけれど。私も透明で人に優しい強い人になりたい。
陽さん、最後、「お母さん」言えてよかった。ここでまた涙(;_;)

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2024年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何度読んでもゲンノショウコとサボテンの咆哮で泣いてしまう。私にも重度障がいをもった妹がいて、状況や抱いている感情は違えど、線路でねーねの手を離そうとしなかった妹、線路で亡くなった妹、胸が締め付けられる。サボテンの咆哮は、お父さんの言葉が本当に心にくる。お父さんの息子への愛情、今まさに子育て真っ最中の自分、色々なものが重なって何度見ても涙が自然に溢れてしまう。家族の難しさ温かさをしみじみ思わせてくれる大好きな一冊。読後感◎!!

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2024年02月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

家族の形について問いを投げかけるような短編集。
なんとなく記憶に残ってるのは「ゲンノショウコ」
障害を持った妹をもつ女性が大人になって家族をもつが娘に障害があるのではないかととか不安に駆られながら生きていく物語。本人にしか分からない苦悩で、周りの人間とのすれ違いがすごく悲しい。
あとは「サボテンの咆哮」
バリキャリの妻が子供を産んで、産後うつになり、自分の意義について考える旦那を描いた作品。
これは、男女でだいぶ受け取りかだが違うと思う。
例えば、「育児を手伝う」という言葉が地雷を踏む可能性があるとか…。

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2024年07月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ


不倫の話だけは、読んでいてきつかった...
他はとても面白くて
心あたたまる瞬間がたくさんあった。
様々な家族の形があるんだな。
わたしに家庭ができたら、どんな
家庭ができるんだろうか。
辛いことがもちろんあるだろうが、それを乗り越えて愛のある家庭にしたいと
思わせてくれる1冊だった。

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2024年02月28日

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