あらすじ
この物語さえあれば、他に何もいらない。この小説『十四歳』と、その中に確かに息づく主人公、トキコがいれば―― だが、彼女は俺の前に現れた。灰色の毎日の始まりになるはずだった、新学年のホームルーム。黒板の前に立った彼女こそは、俺が手にした物語の中にいたはずの「トキコ」だった。不器用に近づいていく二人の距離。物語の中にいる「トキコ」と、目の前にいる「柊時子」のあいだで、奇妙に絡まってゆく想い。出会うはずがなかった読者と主人公の物語。その結末にあるものは――。
...続きを読む感情タグBEST3
何とも不思議な感覚に囚われた作品。
過去の失敗から人付き合いを閉ざした少年が、小説から抜け出してきた少女に出会い、心惹かれるお話し。
ファンタジーではなく、その少女をモデルにして書かれた小説が、偶々少年のお気に入りだったのだけど…。
小説から抜け出した少女に途惑う少年を、外から見る事になる筈なのに、不思議な没入感のある作風でした。
この少年、相手の気持ちに気付けなさ過ぎなところが度が過ぎていてサイコパスかと途中で疑ってしまいましたが、平和な世界感で安心しました。
Posted by ブクログ
1冊。
hitenの描く時子は神々しい。
主人公クラス二人以外の物語にもおもいを馳せた。膨らませ方次第ではドロドロの愛憎ライトノベルになったかも。
ラストシーンに悶える
ラノベではなく文学
この作品、もっと推敲してラノベ感を減らせば、本気でもっと上の文学賞獲れるんじゃないですか?
そう云う意味で勿体無い作品かと。
そのくらいに思えるほど、個人的に物凄く良い作品だと感じた。
参った、侮り過ぎた。
Posted by ブクログ
三角の距離~とキャラが繋がっていたので読んでみたが、きらきらとした宝石のような描写が印象的な所や主人公だけでなくヒロインの心情も魅せる展開が面白かった。
すっきりした読み応え
物語の設定が非常に面白い。
それをうまく使った主人公とヒロインの行動が合わさり魅力的な作品だった。
展開は王道的で驚きは少なかったが、綺麗にまとまっておりすっきりとした読み応えだった。
超おすすめ! というほどではないが、恋愛小説が好きな友人がいたら問題なく紹介できる一冊だと思う。