【感想・ネタバレ】さあ、気ちがいになりなさいのレビュー

あらすじ

記憶喪失のふりをしていた男の意外な正体と驚異の顛末が衝撃的な表題作、遠い惑星に不時着した宇宙飛行士の真の望みを描く「みどりの星へ」、手品ショーで出会った少年と悪魔の身に起こる奇跡が世界を救う「おそるべき坊や」、ある事件を境に激変した世界の風景が静かな余韻を残す「電獣ヴァヴェリ」など、意外性と洒脱なオチを追求した奇想短篇の名手による傑作12篇を、ショートショートの神様・星新一の軽妙な訳で贈る。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

フレドリック・ブラウンの短編集で訳者は星新一。
短編なのでサクッと読み終わりますし、どれもハズレなしの面白さでした。
中でも好きなのは
「みどりの星へ」
孤独の中でずっと生き延びてきた主人公。肩に乗せている相棒と、何より地球の緑の美しさを想うことが彼を生かしていたんだなぁ…。星新一っぽさも感じました
「おそるべき坊や」
風が吹けば桶屋が…的な展開、みんな好きなヤツ。
「さあ、気ちがいになりなさい」
何度か、え?今どっち?結局どっち?となりながら読みました。結末がちょっと意外。
「電獣ヴァヴェリ」
これが一番好きでした。ある侵略者になすすべもない地球人、と思いきや。スムーズに適応していくところ。逆に豊かになってるんじゃないの?と思わせる静かな余韻。

0
2025年09月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

星新一翻訳のSF掌編小説
随所星新一や筒井康隆が影響受けたであろう話が多いが、両者と違ってわかりやすく結論が明白なオチが少なく結論を読者に委ねるような余韻を残す話が多い印象
また随所ロジカルな要素を含んだ話も多くウィットに富んだインテリな印象も見受けられる
ただしそういった部分が要因である事からか翻訳に苦労した部分もあるようで星氏が創作した作品より読みづらい箇所も多くそこが難点と言える

各作品の感想

みどりの星へ
表題に便乗してる事もあってなのか主人公は正気か狂気か曖昧な話であった
叶えられぬ夢がある故に希望を望み続けたいと思うのは狂気か正気か

ぶっそうなやつら
日本の掌編小説にもありそうな話で作中で最もわかりやすい話だった
誤解が誤解を生み最終的に・・となるがそこからさらに一捻りある話

おそるべき坊や
世界を救ったヒーローが・・というオチ
子供のした事といえばそれまでだがそれにしても余りの仕打ち
割と最初から展開は想像できる仕様になっている

電獣ヴァヴェリ
もし現代文明に電気が奪われたら?のIFストーリー
この手のジャンルは大体バッドエンドで終わりそうではあるが、この話だと文明が衰退した事でかえって人類が豊かになり心暖まる話になっている
読後感も牧歌的でいい余韻にしたれる

ノック
ノックの音がしたら・・?というよくあるテンプレート文から想像される話
ラストは普通に考えたらハッピーエンドになりそうだが、捻くれて考えると後味が悪くなるのでは?と思うのは自分だけか?

ユーディの原理
メタフィクションの要素がある話
現代のプログラミングやAIにも通ずるような発明品でリアルでも高速自動化が出来るのは非常に便利ではあるが実際それらの作業を行ったのが小人かそれとも暗示にかかった自身かで印象が変わる話

シリウス・ゼロ
星氏の著作でもよく書かれる惑星着陸のストーリー
ユーモラスな出だしから一転してスリリングな展開になるのは見所

町を求む
最後の最後で読者に呼びかけるとは思わなかった
意外な展開も薄くこのまま終わるかと思った、まさかの展開

帽子の手品
ホラー映画を鑑賞後に起こる不可解でかつ不気味な出来事の話
結末が少しわからなかったが、手品やっていた友達は擬態された地球外生物という事か?

不死鳥への手紙
人類は何度か滅亡しかかってもその度に何度も不死鳥のように再生するという話
都市伝説でも古代遺跡は文明が栄えた核戦争後の跡地とも言われてるのでそれもあり得ないとも言えない話

沈黙と叫び
ロジカルな要素がありつつもサスペンスタッチな話
気ちがいとか狂気を描いてる割に本作品集では残酷描写が少ないが、この作品は想像すると割と残酷な話でもあった
この話もラストは読者に委ねる形で終わる

さあ、気ちがいになりなさい
最後になるまで主人公が正気か狂っているかハッキリとしなかった
オチとして壮大で哲学的な話となったが、職場の上司の思惑など明らかになっていない謎もありより一層訳がわからなくなった
ちなみに作中で集合知が言及されているが、人類補完計画の元ネタはこの集合知であろうか?

0
2025年05月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

星さん訳なのでそのテイストは感じながら、人物の描写や話の切り口が違っていて、面白かった。

「電獣ヴァヴェリ」が特に印象に残ったかな。
読み始めは少しピンと来なかったが、設定が面白く、読後感も良い。
生命体?というものを前提や先入観なく受容できるのか。
幸福感と利便性の相関性は、どのくらいが適当なのか。

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2024年09月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

そう来たか、という展開が多く、一つ一つが楽しめた。

敢えて一つ選んで触れるならやはり表題作。
正直、話として面白いわけではない、ただ、妄想や記憶喪失と聞いた時に、単に病気と判断できない、本当はどうなのかと考えだすと頭がこんがらがってくるようになる。そんな話。

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2018年02月02日

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