【感想・ネタバレ】日本の弓術のレビュー

あらすじ

的にあてることを考えるな、ただ弓を引き矢が離れるのを待って射あてるのだ、という阿波師範の言葉に当惑しながら著者は六年の歳月を過ごし、その体験をふまえて講演を行なった。ここには西欧の徹底した合理的・論理的な精神がいかに日本の非合理的・直観的な思考に接近し遂に弓術を会得するに至ったかが冷静に分析されている。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 論理的かつ合理的といわれるドイツ人である著者が日本の弓術から日本人に根付いている禅の精神を分析した本です。

 現代の日本では弓道という単語を耳にする機会はありますが、弓術と言う単語を耳にする機会は少ないと思います。まず、この2つの違いはどのようなものなのでしょうか。この本によると、弓術は的を射る一種のスポーツであり体を鍛え筋肉で弓を引くものだと述べられています。一方で弓道は的を入ることが目的ではなく精神修行の一種であり、精神で弓を引くものだと述べられています。著者が弓術という単語を使用しているのは著者にとって自分の弓はまだ弓道の弓に達しておらず、的に当てようとするスポーツであると言う気持ちがあったため弓術という単語を使用しているのではないかと思います。

 この本では日本語は文章の裏に隠れた意味が多くあり、西洋人にとってはそれがわかりづらいとあります。この隠れた意味を読み取ることこそが禅ではないかと思います。そして、禅の終着点は己を消して流れに身を任せる状態、いわゆる無心であると思います。己を消すには己を知らなくてはなりません。その手段が日本の道とつくものではないかと思います。弓道、柔道、華道、茶道など様々なものがありますが、全てにおいて型というものが重要視されています。これは己の身を律しようとすることにより、自分の身の隅々を知り、最終的に自分の心を知ることが可能だからではないかと私は考えています。

 この本の著者は西洋の方です。西洋の方から見たら日本の武道は理解しづらいものなのかもしれません。著者は日本に滞在し武道を学ぶことによって日本人を理解しました。他国を理解するには本や映像を見るのではなく現地に足を運ぶことが重要であると私は考えています。西洋に一度も行ったことがないのに西洋哲学を語ることは可能なのでしょうか。東洋に行ったことのない人間が東洋の考え方を語ることは可能なのでしょうか。私は現地の風土や香りなどを知ることなくその土地の文化や考えを語ることは難しいのではないかと思います。だからこそ、この本の著者のように実際に現地に赴き、その土地の文化を学ぶフィールドワークのような行動が大切なのだと思います。

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2016年11月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

的を意識し、狙って射るのではなく、
無意識の中で矢を放つ。

まさに東洋の神秘。

「禅」が何かも分からない時に、
弓を引いていたのが懐かしく思いました。

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2018年07月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大正から昭和にかけて東北帝大に滞在したドイツ人哲学者(作者)が,日本をより深く知ろうと考え,弓道(本書では弓術と表記)を学ぼうと決意,幸い日本でも指折りの指導者から学ぶことができることとなった.
武道はどれもそうだと思うのだが,その根本には禅の思想が深く絡んでいる.我々も普段は意識しないが禅の思想に無意識に絡め取られている.これに論理や合理を生業とする哲学者がいどむのであるから,なかなか難題である.
しかし,かれは5年間これに真摯に取り組み,帰国時には5段と認められ,指導者からは秘蔵の日本刀も贈られた.
こういった到達点は作者の努力のたまものであるのだが,一方,指導者にも恵まれたこそであるともいえる.
35年前の高校生時代に弓道部に所属していたおかげで,書いてあること(弓術の神髄)はよくわかる.また,当時上達できなかった理由もよくわかったように思う.

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2021年09月03日

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