感情タグBEST3
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非常に良質な連作集
1巻を再読し、この巻に取り掛かりました。
やはり戦時下の話とかも印象的です。
巻頭は女は産む機械としか見ていないっぽい夫やその家族に対する鮮やかな復讐も決まっていましたし、後半は短編同士の思わぬつながりも。学生運動、中には本物もいたでしょうが、自己顕示欲が先走っていただけの輩とかも多々いたでしょうし……
精巧なラブドールに託したある熱烈な純愛も良質な作品でした。
この水準の連作はそうそう簡単には描けないでしょう。
この巻にはあとがきもあり、巻末の桜木紫乃氏との対談も興味深かったです。
点が線に
1巻の話も含めて繋がるかは分かりませんが、明確に2つの話が繋がりました。
元々、各話単体でも十分引き込まれる内容でしたが、共通の登場人物が明確に出てくることで一気に奥行きが出てきて、今後どんな展開になるのかとても気になります。
匿名
二巻目
時代は高度経済成長期。
男女同権などと叫ばれているが田舎にはそんなものはなかった。
古い造り酒屋に嫁いだ妙子もそんな価値観の中で生きざるを得ない日々を送っていた。
夫にいいように扱われ義母にはいびられ散々な扱いに拍車をかけていたのは結婚後3年経っても子宝に恵まれないからだった。
しかしある日、妙子は夫から衝撃の事実を聞かされる……。
ラブドール技師をしている八代光彦は美大時代に先輩から無理やり乗っかられて酷い初体験をした。
そんな彼はトラウマから人形しか愛せないでいた。
ある日八代の元に自分をモデルにしたラブドールを作ってほしいという若い女性が訪ねてくる。
その女性、麻生遥が所望しているのは八代が手掛けている天使タイプという生々しいのが苦手な人向けだった。
彼女の熱意に押された八代は依頼を受けるが……。
昭和40年代、田舎から上京してきた椎名順子は学生運動に勤しむ彼氏の森川からの金銭要求に応えるためにある画家からのモデルの依頼を受けるがそれは縛られた状態でというものだった……。
三巻を先に読んだので色々つながっていることに気づけた。