あらすじ
火事で家が燃え、嗄井戸が住む銀塩荘の一階に引っ越した奈緒崎は、嗄井戸の部屋に入り浸る日々を過ごしていた。夏休みが終わり、大学に赴いた奈緒崎は同級生にかけられた『スタンド・バイ・ミー』窃盗容疑を晴らすため、さっそく嗄井戸のもとへ向かうが――。実力派女優の家に残されたピンク色の足跡の謎、中古ビデオ屋の査定リストに潜む秘密……相変わらず部屋から一歩も出ずに、圧倒的な映画知識で不可解な事件を解決してみせる嗄井戸。その中には彼自身の過去が隠されていて――?!
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Posted by ブクログ
キネマ探偵第二作
前作では奈緒崎を救うために外に出た嗄井戸だけど、今作はまた安楽椅子探偵として事件を解決していく、人情味溢れる連作短編でした。
終わり方がとにかく気になる…
次作で最後だけど、どんな幕引きになるのかドキドキします。
Posted by ブクログ
筆者あとがきの「役割を委託される奈緒崎と友人として協力する嗄井戸が揃うと探偵になります」という言葉がなんとなく好きだ。探偵と助手ではなく、二人合わせて探偵なんだな。
前作では何かと物騒な事件が多かったので、今回の3本は「不思議な出来事」くらいのエピソードが多くて穏やかに楽しかった。(そう思ってたから余計にラストでゾッとしたわけだけども)
お人好しで物事をいい方向に考えがちな奈緒崎は、そう上手くはいかない何かを抱える人にとっては時に残酷に見えるかもしれないけれど、その無責任な明るさが何かを救えることもあるのだと思う。
嗄井戸と束ちゃんだけでは友好的ながら停滞していただろう関係が、全くタイプの違う奈緒崎を加えることによって回り出したのが面白いし、バランスのいいトリオだ。
Posted by ブクログ
窃盗容疑の同級生を助ける「スタンド・バイ・ミー」、舞台女優と演出家のいざこざ「アーティスト」、中古ビデオ屋の査定の謎「バグダッド・カフェ」と、今作も映画知識が謎を解く鍵となるミステリー。
1918年のノアの箱舟の事故とかよく知ってるな...(ググッても出てこない)。スタンド・バイ・ミーはテレビ版とDVDで吹替違うとか、白黒映画の天才カール・ドライヤー監督は白に拘って壁をピンクにしたとか、バグダッド・カフェのニューディレクターズカットはBluRay用に色編集したものだとか、DVDの隠しコマンドの話とか、最早配信主流の時代に忘れられた媒体によくスポットライトが当たっていた。
「演出からカメラワークまで完璧に手を入れられたもののほうがいい。観客の視点がコントロール出来ない舞台よりも、一から十まで作り手の意図があるほうが好み。」というカレイドとは趣味が合う。