【感想・ネタバレ】男ともだちのレビュー

あらすじ

誰よりも理解しながら決して愛しあわない二人

冷めた恋人、身勝手な愛人、誰よりも理解している男ともだち……
29歳の女性のリアルな姿と彼女をとりまく男たちを描く直木賞候補作。

29歳のイラストレーター神名葵は、
関係の冷めた恋人・彰人と同棲をしながらも、
身勝手な愛人・真司との逢瀬を重ねていた。

仕事は順調だが、ほんとうに描きたかったことを見失っているところに、
大学の先輩だったハセオから電話がかかる。
七年ぶりの彼との再会で、
停滞していた神名の生活に変化が訪れる――。

解説・村山由佳

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Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルに惹かれて購入。
読み始め数分して、自己投影を全然させてこないタイプの主人公だ!と何故か安心しました。
それくらい自分と言うものを根底で持っていて、でも不器用で乾きがある貪欲な女性と、負けないくらい自分の軸がぶれなさそうな食えない男性が出てきて、普通に恋愛に進んで…とならないのがまた安心。
異性のともだちだからこその、ドライな気楽さに少しの湿っぽさが絶妙に描かれてるのがすごく良い。

最後に残るのが恋人でも愛人でもなくて、自分の描きたかった絵での仕事と男ともだちなのが、清々しさもある。
神名と美穂の対比は、大切だから触れない/触れたの先で、それぞれ別の強かな女になっていくのが印象に残った。

今年一冊目に読んで良かった!好きな本です

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2026年01月22日

匿名

ネタバレ 購入済み

リアルで考えさせられた作品です

男と女の関係
セックスって何のために
好きな人ってどんなポジションにいるのだろうか

色々と考えさせられた作品でした。

自分も似たような経験があります。相手にとってどのような自分でいたら良いのか、どんな言葉をかけたら良いかなどを神名目線で一緒に考えながら読むと面白いです。

欲望って誰にでもありますね。

#切ない #共感する

0
2024年08月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「登場人物全員、ものの見事に屑ばかりだ」
村山由佳さんの解説の1行目に大きく頷いた。

主人公の神名も男友達のハセオも愛人も友人も浮気に対してなんの罪悪感もない、世間的には間違いなく屑ばかり。完全に読む人を選ぶ小説で、面白いのに絶対映像化はされないだろうなと思った。

神名とハセオには、恋愛に似た感情があったと思う。お互いにとって1番大事な異性で、性的に見れなくもない。でも、友達だから上手くいく関係だから、後半は2人が寝ないようにずっと祈っていた。

歳をとって、結婚して子供ができて守るものができたら、どうせ今の関係は続かないとしても、体の関係だけは、越えてはいけない一線に思えた。それくらい、2人はいい関係だと感じる。

神名とハセオと美穂は屑だから、1番大事な人とは一緒になれないのが、元女王様の霜月が言った「傷つけたら自分に返ってくる」のアンサーになっていて上手いと思った。神名は「報いなんてない」と言い返していたけど、報いは他人から受けるものではなく、自分が自分に対して起こすものだから気付きにくいだけなのではと感じた。

千早茜さんの作品を読むと、恋愛小説なのに、ハッピーエンドは恋愛だけではないと思わせてくれる。もっと他の作品も読んでみたい。

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2026年03月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「男女の友情は成立するのか」という問いに、ひとつの答えを見た気がした。

葵は、恋人の彰人と同棲しながら、セフレの真司との関係を断つ気はない。

そして葵には、ハセオという“男ともだち”がいる。
友情と呼ぶには深すぎる。けれど体の繋がりはない。
そんな関係だ。

この二人は一度もセックスをしない。
それなのに、言葉のやり取りや、性的ではない触れ合い、濃密な心理描写によって、セックス以上の深い繋がりを見せてくる。

それが、とてつもなくエロい。
セックス描写だけがエロではないことを思い知らされる。

誰とでも寝る葵も、女遊びに罪悪感のないハセオも貞操観念に関してはかなりのクズだ。
けれど、その危うさやダークな魅力、匂い立つような色気に惹かれてしまう。

唯一まともに見えて、実は相当に狡い。
そんな葵の恋人 • 彰人の心情もよくわかるから、読んでいて苦しい。

結局、誰に共感しても苦しいのだ。

もしこの物語に嫌悪を覚えるなら、きっと誰にも共感できない。
変愛に正論を持ち、生き方に自信のある人にとっては、かなり胸糞の悪い物語かもしれない。

そのくらい極端で、だからこそ面白い。

どのベクトルにも振り切れない、不器用な葵の人間くささがいい。
クズでありながら、完全なクズにもなりきれず、イラストレーターとしての自己を模索し苦しみ続ける。

その姿は脆く、ハラハラする。

そんな葵にとって、“男ともだち”という言葉でしか表せないハセオの存在は、痛いくらいにあたたかい。

救いなのか。
いや、もっと生々しい。
もっと、ぎゅうっと繋がっているような感覚だ。

物語の終盤、葵がハセオへの想いを語る。
その描写の美しさ。

そして葵は強くなっていく。

ただ溜め息がこぼれ、ほんの少しだけ口角が上がった。

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2026年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

神名は新進のイラストレーター。
仕事も増え、彼氏とも同棲し、愛人だっている。
昔から男と寝るのは厭わない。
そんな神名を見守る男ともだちハセオ。
このハセオがいい。
風俗好きだし、女はやるもんだと思っているが、神名だけには手を出さない。
そんなハセオと、危なっかしいが好きな仕事に邁進する神名の成長の物語。

「やっと思いだした。好きなことを好きにできるようになるために生きているのだ。うまくいかない時でもそのイメージを失ってはいけなかった。私の武器は、私だけだ。」

私の武器は、私だけだ。
そうだ、その通り。
私も数年後には還暦だが、まだまだやれる。

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2025年12月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ふたりの関係性はどこに落ち着くのかと思っていたが、最後の終わり方がハッピーエンドなのが少し残念だった。こういうきれいな言葉で落ち着かない関係性は世の中にはあるのだろうと思う。が、自分がその立場ではないのでなかなか共感できない部分もあり、新たな知見や感覚は掴めなかった。

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2025年10月20日

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