あらすじ
誰よりも理解しながら決して愛しあわない二人
冷めた恋人、身勝手な愛人、誰よりも理解している男ともだち……
29歳の女性のリアルな姿と彼女をとりまく男たちを描く直木賞候補作。
29歳のイラストレーター神名葵は、
関係の冷めた恋人・彰人と同棲をしながらも、
身勝手な愛人・真司との逢瀬を重ねていた。
仕事は順調だが、ほんとうに描きたかったことを見失っているところに、
大学の先輩だったハセオから電話がかかる。
七年ぶりの彼との再会で、
停滞していた神名の生活に変化が訪れる――。
解説・村山由佳
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Posted by ブクログ
ハセオが最後まで友達だったことに少し残念と思う反面、安心する気持ちになった。こんな乱れた生活を送ったことがないのに共感できる所があり、没頭して読み進めることができた。
Posted by ブクログ
千早茜さんの「男ともだち」読んだ
登場人物のキャラクターが毎回良く立ってて凄いなあって思う。食べ物の表現もお上手だから、そういうあるものの言語化が良くできるのが凄い。
神名の表現者としての苦悩とか、人からの見られ方、どうありたいのかみたいな。あと、ハセオとの関係性はどうしていったらいいのか分からなくなったり、彰人との別れだったり、真司のいる意味だったり、その時々の心情が描かれていて、自分とは全く違う女の人だけど、何だか分かるとこもあり、、。うーん、とにかく感じたこととしては、ハセオとの関係性が羨ましい!男ともだちってずるくて、いいな!笑
Posted by ブクログ
2025/4/19- 千早茜さんは、読みたいと思いつつ読めていなかった作家さんだ。先日エッセイを読み始めて、表現や感じ方に自分としっくりくるものを感じ、代表作といわれるこの作品を手に取った。全体的に感情表現や描写が生々しく、リアルに感じられた。舞台の場所を知っていることもあるかもしれないが、シーンが容易に頭のなかで再生されるような読書体験だった。異性との恋愛と友情について考えているところでもあったので、ヒリヒリと突きつけられるように考えさせられる部分もあった。
匿名
リアルで考えさせられた作品です
男と女の関係
セックスって何のために
好きな人ってどんなポジションにいるのだろうか
色々と考えさせられた作品でした。
自分も似たような経験があります。相手にとってどのような自分でいたら良いのか、どんな言葉をかけたら良いかなどを神名目線で一緒に考えながら読むと面白いです。
欲望って誰にでもありますね。
Posted by ブクログ
神名は新進のイラストレーター。
仕事も増え、彼氏とも同棲し、愛人だっている。
昔から男と寝るのは厭わない。
そんな神名を見守る男ともだちハセオ。
このハセオがいい。
風俗好きだし、女はやるもんだと思っているが、神名だけには手を出さない。
そんなハセオと、危なっかしいが好きな仕事に邁進する神名の成長の物語。
「やっと思いだした。好きなことを好きにできるようになるために生きているのだ。うまくいかない時でもそのイメージを失ってはいけなかった。私の武器は、私だけだ。」
私の武器は、私だけだ。
そうだ、その通り。
私も数年後には還暦だが、まだまだやれる。
Posted by ブクログ
ふたりの関係性はどこに落ち着くのかと思っていたが、最後の終わり方がハッピーエンドなのが少し残念だった。こういうきれいな言葉で落ち着かない関係性は世の中にはあるのだろうと思う。が、自分がその立場ではないのでなかなか共感できない部分もあり、新たな知見や感覚は掴めなかった。