【感想・ネタバレ】木洩れ日に泳ぐ魚のレビュー

あらすじ

恩田陸にしか書けない、緊迫の舞台型ミステリー

舞台は、アパートの一室。
別々の道を歩むことが決まった男女が、最後の夜を徹し語り合う。
初夏の風、木々の匂い、大きな柱時計、そしてあの男の後ろ姿――共有した過去の風景に少しずつ違和感が混じり始める。
濃密な心理戦の果て、朝の光とともに訪れる真実とは。
不思議な胸騒ぎと解放感が満ちる傑作長編!

「一つの部屋に、男女が一人ずつ。具体的な登場人物はこの二人だけ。そして、章ごとに男の視点と女の視点が入れ代わる。
読み進むうちに、どうやら、二人は今まで同居していて、引っ越しを決め、最後の夜を共に過ごそうとしていると分かってくる。
そして、さらに読み進めれば、二人はある殺人事件に関わっているのかもしれないという予感がしてくる。
……まだ、小説を読まないまま、先にこの解説を読み始めた人に伝えられるのはここまでです。」
(解説・鴻上尚史)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

一見、静かなのに、読み進めるとどんどん強い感情がなだれ込んでくる小説。
読む前の印象とは全く違った。そして、ものすごく面白かった。

疑いあって、探り合って。
真実を突き止めようとしたり、余韻を残そうとしたり、相手の気持ちをはかろうとしたり、感情的になったり、記憶を整理したり。
終わりに向けて、ありとあらゆる作業が展開されていた、たった一晩で。

なにも共有できていなかったことが共有され、相手への気持ちがかたちを変える。相手の素性がわかる。そして、朝がくる。

秘密の共有や障壁で成り立っていた関係性が、実は別物だったとわかるとき。
それも意識的な選択でもあるように思えた。恋愛のおわりを見届けた、という感覚。

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2026年06月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ひとつの謎に対する真実を追う中で写し出される人間の感情
恋愛モノなのかミステリーなのかサスペンスなのか 全体で見たらどこかの括りだと捉えられるかもしれないけど
ひとつは純愛であって ひとつは人間のありのままが否応にも描かれてる
「2人で大きな罪を共有したら 今ここで彼に殺されて2人で死んだら、一生自分と彼を繋ぎ止めるものが出来るかもしれない」という焦燥感が痛くて苦しいほど伝わってきた
最後に薄れていった相手への興味は保身からか真実の発覚からか分からないけど
その時の感情全てがあまりにもリアルで
視点が交互に入れ替わるのに「今どっちだっけ?」ってならなくて自然に話と動作主の感情が入ってくる書き方が凄く上手かった
構成も綺麗で内容というか心情描写が結構好み

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2026年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最後に読んだのが6年前の大学生の時。
そのときは、喰らいすぎてメンタル不調に陥った。
いつか恋愛が終わることが悲しすぎて。恋心はただの幻想でしかないんだと思ってしまって。
6年経た今ならわかる。たしかに恋愛期間はいつか終わる。だが、その輝きはとても素晴らしくて、終わるからダメなのではない。
とても良い読後感でした。大好きな小説です。
「見上げたときの木洩れ日が、海の底から見上げる魚のように見えた」なんて美しい描写だろう。

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2026年05月14日

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ネタバレ

おそらく新刊で買ったものだと思うんだけど(15〜6年前?)まったく読んだ記憶なくてびっくり笑
結局のところすべてが「こういうこと(だはず!)」っていう、朧げな記憶と仮説で完結って感じだけど…
男女の心理戦がおもしろかった!
人間の生々しさがじっとり伝わってきて、ぞわぞわが止まらなくて一気読みしたから首と背中が痛い…

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2026年04月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

好きな作家さんです。
恩田さんの作品の中でもこの作品は文章の綺麗さや巧みな表現などがぎゅと詰まったお話だなと思いました。
登場人物はほぼメインの2人だけですが、交互の視点でお互いの心の機微を描いていて、どんどん先が気になり物語に引き込まれていく感じがしました。
互いの事情や性格を知れば知るほど、男の狡さが見えて腹を立てながら読んでいましたが、最後は彼女が彼に対する愛が違うものだと気づき、それを絶妙なやり取りで彼に思い知らせることができたので、私もスッキリしました。
男女の別れの物語として、男女の色々が詰まったとても素敵な作品でした。

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2026年03月04日

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ネタバレ

推理は推理のままで、真相はわからず仕舞いでしたが、情景と感情の描写の美しさが私好みでした。

特に、朝、に希望を感じ、絶望を感じる、という部分に深く共感しました。
何度も眠れない夜を過ごし、また朝が来てしまったと嘆いて、それでも今日は何か変わるかもしれないと期待せずにはいられない、そんな過去を思い出し、癒されました。

田舎のバス停、小雨の田んぼ、木洩れ日の森、静かで深い湖。
爽やかな気持ちで読み終えました。

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2026年02月08日

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ネタバレ

「 やっぱり、死は『生きる』ということの無数の選択肢の中の一つなんだよ。生と死が別個にあるんじゃなくて、死は生の一部分なんじゃないかな」

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2026年05月14日

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ネタバレ

あらすじの「別れる男女の心理戦」という言葉に惹かれて手に取る。どこか気まずい雰囲気が会話の節々に出ている前半、ある1ページから「ん?」となった途端に、読み進める手が止まらなかった!千浩と千明は双子の兄弟で、山登りのインストラクターが父親という事実。そして、「許されない恋」と燃え上がるほど嫉妬心も生まれる愛。付き合うのか、死ぬのか、と期待しながら読む後半。思っていたより詩的な終わり方で、もっと劇的な展開を望んでいた私には肩透かしをくらってしまった。

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2026年04月18日

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ネタバレ

2人が恋人ではないとわかったあたりから読むのが止まらなくなった。恋人ではないとはいえ双子には違和感あり。それは離れて暮らしていたからなのか、2人がの距離感からきょうだいであってほしくないという願いからなのか、はたまたもう1段ありそうという期待なのかはわからないけれど、願いは届いてきょうだいではなかった。きょうだいではなかった結果、恋愛しているときは誰もが道化であることを思い知らされる。自分すらも騙してしまう恋愛のやるせなさ浮き彫りになって戸惑ったけど、恋愛の真実だなと思った。

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2026年04月05日

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ネタバレ

サクサク読めた。
次々と事実が明らかになっていく展開が面白い。

「〜だわ」というアキのセリフ口調が気になった。
今時そんな喋り方しない。

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2026年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

双子の兄妹の2人の間の禁断の恋愛と、父親の死を巡るミステリーちっくな話。
2人が別居する前日の夜に父の死に関する話をメインとして1章ごとに2人の視点が切り替わって進む。
初めはお互いが、父親を殺したのではと相手を疑いあっている所から始まり意外な終着点につく。
ただ、結局2人は兄妹なのか、実際は兄妹じゃなく従兄弟だったのか、父親は他殺なのか不慮の事故なのかが何も分からなかった(憶測だけでおわった)ので、そこは少しモヤモヤした。
ただ話が2転3転して進む感じや、恋愛に関する内容が面白いと感じた。(兄妹じゃない、禁断の恋愛ではないと思った瞬間相手の事が好きではなくなる、等)
なのでジャンルとしてミステリーというより、2人の男女の興味深い話を盗み聞きしてる感じ

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2026年02月26日

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