あらすじ
長篇の合い間をぬうようにして書かれた小品とよばれる一群の短篇がある。小品とはいうが、しかしその存在は大きく、戦後の新しい漱石論は『夢十夜』の読み直しからはじまったと言っても過言ではあるまい。ここには荒涼たる孤独に生きた作家漱石の最暗部が濃密に形象化されている。『文鳥』『永日小品』を併収。 (解説 阿部 昭)
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
夢十夜:1908年(明治41年)。
こんな夢を見た、で始まるシュールで幻想的な十の物語。ソウセキなんて難しいと思っていたけど、こういうのは好きかも…と、学生時代に思った。
Posted by ブクログ
第一夜が美しすぎる。
一度読んだ後に本を閉じ、余韻に浸りながら眠りました。え? 夏目漱石ってこんな綺麗なの? こんな綺麗なんだ……続きは翌日に。
「こんな夢を見た」
話の切り替わりのフレーズで気が引き締まり、ハッと現実に戻った後、次の夢に入っていく感じがする。
後半はそのフレーズが無いので、夢から覚めずにずっとふわふわと夢を見続けているような感覚がする。
楽しい。
他収録されている作品ですが、
「文鳥」の、文鳥の姿・動き・生きる様子……死んだ鳥の姿勢って、ああだよな、という部分まで鮮明に書かれていて、元鳥飼いとしてはリアルに想像してしまいました。
普通に悲しい。
そのときの感情の動きもとても鮮明。
誰かのせいにしたいのと、認めたくないのと、受け入れられない罪悪感。
普通に悲しい。
最初から最後までずっと美しい冬の早朝みたいな空気感があって、沁みます。
■最後に
小品の詰め合わせのため一つ一つが読みやすく、後半は「事実を卓越した技術力で描写したエッセイ集」という雰囲気。
個人的にはもうちょっと夢十夜の幻想に浸りたかったな。
Posted by ブクログ
夢は抑えられている感情が表れるものとよくいうけれど、漱石自身の社会に対する見方とか生命に対する考えを、夢という形で読者に訴えた作品のように感じた。