あらすじ
少なくとも、ここには「負けたくない人間」しかいない――。
地区大会個人戦にて対局する怜と竜華。大切な友達だからこそ、本気で挑む怜。大切な友達だからこそ、本気で潰す竜華。互いの想いが激突する勝敗の行方は――…。
(C)2025 Ritz Kobayashi┴(C)2025 Mekimeki
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Posted by ブクログ
怜と竜華が公式試合にて本気で対局する。それは現状における二人の実力差を計るに丁度良い機会となるかと思っていたけど、いやはやまさかこうなるとは……
竜華が和了った倍満はこれ以上無いほどの明確なメッセージとなるね。他の対局者からもっと高い点数で和了る事が出来た。そこをスルーして怜狙いのロン
それは怜を飛ばすという明確な敵意の現れ。友人からそのような感情を向けられたら普通はショックに沈んでしまうだろうにここで怜はむしろ喜びを覚えるのか
良い意味で怜は好戦的且つ勝負を楽しめる人物へと成長してきているようで
竜華と怜が本気の対戦をした経験は少ない。それは竜華が強すぎるという面もあるし、親友だから全力でぶつかるのが怖いという面もあったのだろうね
それが公式試合という場を通して貴重な本気を互いにぶつけられると成れば本当に良い機会
互いに裸単騎になる場面とか、互いに名前呼びになるシーンとか本当に良かったよ!
……そこに七実の思惑が混じっていなければ
七実の言葉って本当に恐ろしいね。彼女の言葉にはそれと知れるような罠はないし、従う方が正しいように思える
けれど、そもそも彼女が他人の益になるような言葉を吐くと思い込まされた時点で罠に掛かっていると言えて
七実の言葉は間違いではない。強敵から怜を守るには地区大会で怜を潰してしまえば良い
ただし、竜華が怜を潰す現象にこそ盲点が潜んでいて
二人の実力が伯仲しているなら竜華が怜を潰そうと思ったとしても、そう簡単に成立させられる話ではないから問題はなかった
問題は竜華と怜の間に実力差が有りすぎた点。3人を相手にしながらたった一人を狙い撃って飛ばすなんて尋常じゃない
悪い意味で二人の実力差が白日の下に晒されてしまった気がするよ……
誰もが酷いと思わざるを得ない竜華の和了り方。だから怜を慰め竜華を非難するのは不思議ではない
怜自身だって「自分は悪くない」とか「竜華は酷い」とかそんな思考に陥る可能性は有った。けれど彼女は自分を弱すぎた、情けないと言うけれど、竜華を責めはしなかった
そこには高い山を前にして登る事を諦めない不屈の心が見えるね
それは才能が無い者にとっては当たり前でありつつも、持ち合わせるのが難しいかもしれない姿勢
そんな怜の姿は弥生を奮起させるものとなったようで
弥生が本編に登場しないという事は本当の高みには登れない程度の実力者なのだと何となく決めつけるような目線で彼女の物語を見てきた。それだけにこの個人戦は弥生が誰も想像できない程の覚醒を遂げる舞台となり得るのかもしれないと、ラストシーンを見てそう思えましたよ