あらすじ
スティーブン・ピンカー、マルコム・グラッドウェル、マット・リドレー……世界最高峰の知性が語る「人類の明日」の姿とは? AI、人口爆発、IoT、気候変動、テロ、核戦争――21世紀、世界を待っている未来は繁栄か滅亡か。「知」の大論戦が明らかにする人類の歴史の真実!
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Posted by ブクログ
賛成派と反対派に知識人を分けて、ディベート開始!その内容を記録したエキサイティングな本で面白い。知識人同士が対談すると、妙に気を遣い合って議論にはならず、相互補完的な意見交換に終始する。そんな日和見な論壇風景が生温いと感じるなら、この本は最適だ。ひろゆきの論破シリーズも本にしてみては?と思い付いたほどだ。お題は、「人類の未来は明るいか」さて自分はどちら側で参加しよう。
と、上記が読み始めた前半。で、読み進めると、ディベート特有の噛み合わない空中論争。テレビタックル読書編。意味のない揚げ足取りと一方的主張にだんだん辟易してくる。あー、そうか。ディベート番組のエンタメとしての醍醐味は、揶揄中傷、煽り発言を発した、あるいは受けた時の「顔」が重要なんだ。それが無い、空回りの言葉の応酬は、トップクラスの知識人の無駄遣いであろう。グダグタ感が目立つ。
それでも、面白かったのと、最後の方、結局、肯定的な内容を示すデータが多い中でのペトロフ事件の引用。マルコム・グラッドウェルのターンだ。ペトロフ事件とは、韓国の民間機がソ連に爆撃された後、ソ連のペトロフ中佐がコンピュータ上に、その報復とも取れる、アメリカからの核ミサイルの発射メッセージを受け取った。アメリカから先制攻撃を受けたら、核を用いて反撃しなければならない。しかし、ペトロフは、これをコンピュータの誤作動としてボタンを押さなかった。
テクノロジーの進化が齎らす未来は明るいか。技術力やグローバル化により規模が拡大し、誤った判断で一撃に未来が損なわれるリスクは高まった。乳児死亡率や貧困率は下がり、教育、健康、衛生水準は上がり、人類は過去よりマシに暮らしている。しかし、テクノロジーの使い道を誤らないようにしなければならない。会場が息を飲む、そうした雰囲気が伝わるようだ。明るい未来への警鐘である。
Posted by ブクログ
短時間でサラッと読めるディベート。
マルコムグラットウェルのジョークが冴え渡りなかなか楽しい。
しかし結果は予想に反していた。
現場の臨場感はまた違うのだろう。
ともあれ、進歩によって一人の人間が及ぼす事のできる影響は過去に例のないほど大きくなっているのかどうか。
なかなか面白かった。