【感想・ネタバレ】紐結びの魔道師のレビュー

あらすじ

紐結び(テイクオク)の魔道師リクエンシス。紐を蝶結び、漁師結び、釘結びとさまざまに結ぶことで、幸福をからめとり、喜びを呼びこむかと思えば、巧みに罠をしかけ、迷わせもする。あるときは腹に一物ある貴石占術師を煙に巻き、魔道師を目の敵にする銀戦士と戦い、あるときは炎と大地の化け物退治に加勢する羽目になり、またあるときはわがままな相棒の命を救わんと奮闘し、果ては写本の国パドゥキア目指して危険な砂漠を横断する。コンスル帝国衰退の時代、招福の魔道師とも呼ばれるリクエンシスの活躍を描く、〈オーリエラントの魔道師〉シリーズ第6弾。/解説=池澤春菜

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Posted by ブクログ

ネタバレ

紐の結び方で色んな魔法が発動する魔導士の話。今回は前向きな主人公が日々楽しそうに過ごしているイメージで、読んでいて楽しいです。
理不尽な死というのが今回ないので、余計にとても私好みです。

0
2017年12月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

好きだなあ。おそらくシリーズ中で一番好き。

何百年も生き続けなくてはならない魔道師たちの
苦悩と悲哀を感じて切なくもあるけれど
エンスの生き方のひょうひょうとしたところが
心地いい。

帝国の権力者や私利私欲に目のくらんだ魔道師たちと
魔法を正しく行おうとする魔道師たちの凄惨な戦いも
いわゆる王道ファンタジーとして心躍ったが 
この物語の時代には帝国の力は衰え なんとなく
人々がつましくも平和に暮らしている ゆるゆるした
空気感があって それに包まれる感覚が好き。

何よりもほとんど血は流れず 人が死なないのがいい。

一方で

普通の人間たちの短くも穏やかな一生を
エンスはどこかで渇望している。
日々出会う小さな美しいものへの感動を
積み重ねて暮らしたいと願っている。

 
盟友リコの死の危機に直面したことで
エンスの中に深まってゆく エンスだけの苦悩が
手に取るように伝わってくる。

彼の孤独を癒せる者は もうこの時代にはいない。

そう思っていたところに 物語は魔道師たちの
長い歴史を巻き戻すかのように 太古の昔へと
回帰してゆく。懐かしい色合いを帯びてゆく。

エズキウム。ギデスディンの魔道師ケルシュ。

第1作「夜の写本師」へと 歴史はめぐり
エンスの心に生きることの喜びがよみがえる。

素敵なラストでした。
懐かしさと人間らしさと魔道師の誇り。
このシリーズでわたしの心を最もとらえた
場面はやはり ケルシュとエンスの邂逅でした。

0
2016年11月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オーリエラントの魔道師シリーズの第五作。

紐結びの魔道師エンスの物語。
腕は立つし、懐も深いし、魔法も達者(?)だし、
ファンタジーらしからぬ明るいくキャラクターで楽しかった。
招福の魔道師だからか。
祐筆のリコとのコンビも面白いし。

何百年も死なないのは、どんな人生なのだろうか。
年齢よりずっと若く見えるが、永遠に若いわけではない。
若く見られて嬉しくはならないだろう。
ほとんどの人を見送ることになる。
別れに慣れてしまうのだろうか。

長生きだからといって、
必ずしも金持ちになれるわけではない気がする。
そもそも金は必要だとして、金持ちになりたいのだろうか。
物に執着するだろうか、広い館に住みたいだろうか。
自分はスナフキンのように、旅から旅へと暮らす気がする。

冒険をするような年ではないといいつつ、
新しい土地へ、人生へと旅をはじめる「魔道師の憂鬱」が面白かった。

0
2022年04月06日

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