あらすじ
すずは広島の江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19年、18歳で呉に嫁いだすずは、戦争が世の中の空気を変えていく中、ひとりの主婦として前を向いて生きていく。だが、戦争は進み、呉はたびたび空襲に見舞われる。そして昭和20年の夏がやってきた――。数々の漫画賞を受賞した原作コミック、待望の劇場アニメ化。戦時下の広島・呉を生きるすずの日常と軌跡を描く物語、ノベライズ版。
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Posted by ブクログ
すずさんの、微笑ましいのんびりした生活が戦争によってあっという間に変わっていく。
お使いに行ったら妙な人攫いに遭い、そこで運命の男の子に出会う。
子供だけで浅瀬を歩いて親戚の家に遊びに行ったら、不思議な座敷わらしに出会う。
お兄さんを海難事故で亡くした幼馴染を気遣う。
急に来た嫁入りの話。
お義父さんもお義母さんも優しいけど、出戻りの意地悪なお義姉さんに虐められながら頑張るすずさん。
防空壕を作ったり、敵機が見えたあとに遅れてくる警報、「被害は極めて軽微」というラジオ放送など、戦争の中にも日常が見える。
そして、突然の晴美さんの死。
右手を失ったすずさんは、それでも一生懸命できる事をやる姿勢が凄い。
そして、8月6日。
笑顔で別れた家族は、お母さんは行方不明。お父さんは原爆症で亡くなり、妹さんも謎の目眩に…。
そんな中で、出会ったヨーコちゃん。お母さんと別れ、ずっと一人ぼっちだったのかと思うと、胸が締め付けられます。すずさんに会えて、本当に良かった…。
そして、このドラマ版は晴美さんが「ちむどんどん」の子役に、ヨーコちゃんが「舞いあがれ」の子役に登場していたのが凄く嬉しかった!
命懸け
重く,ずしんときた。
原爆の話は,決して他人事ではない。
語り継がなくてはいけない。
幸せな日常が,戦争という残酷な悪魔によって,どんどん奪い取られていく過程に胸が締め付けられた。
命懸けで時代と戦い,最後まで人間を愛し抜く。
彼女はなぜ,そんなにも強くいられるのだろう。