あらすじ
歴史は繰り返す――英国議会政治の善し悪し、三百年前の欧州における投機バブルから、米内光政など日本政治史におけるリーダー論まで、現代日本が抱える問題の相似形が、世界史を繙くことで見えてくる。十八世紀のヨーロッパや近代の日本に、「現代」と格闘するためのヒントを探る、卓抜なるアフォリズムに満ち溢れた、偉大な歴史家による最後のエッセイ集。
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Posted by ブクログ
元京都大学教授・高坂正堯氏によるエッセイ的世界観。著者曰く「私なりの旅行記」です。
約50年前の著作であり、その内容は現在の世界の状況とは多分に異なる部分はありますが、それでもなお、考察の鋭さになるほどと思わされる箇所も多々ありました。
「旅行記」と言うとおり、著者が実際に世界各地で実際に見聞きした、手触りのある物事から、独自の考察を展開していくことを私は期待していました。
しかし、惜しむらくは、その期待に沿う形式であるのは第1章「タスマニアにて」のみでした。
それ以降の章は、筆者の知識や過去の事実を元に論が展開されることが多かったように思います。