あらすじ
老舗画廊勤務の中田由紀、三十二歳。穏やかで上品な彼女が、一人旅から帰ってきた途端に豹変した。
これまでの服は全部捨て、付き合う友達も変わった。一緒に住む妹の彼氏に余計な口出しをしたかと思えば、婚約者を人前で罵倒したり――。
これは演技? だったら何のために? 翻弄される妹が辿り着いた姉の狂気の理由。明野サスペンスの真骨頂。
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Posted by ブクログ
「どうして、どうして」と思っているうちにどんどん悪い方向に転がっていく姉。プロローグで既に「姉の死」が書かれていたからこそ「でもこの人は死ぬんだな」という奇妙な安心感と共に読むことが出来た。
珍しく一気読みしてしまった話。
Posted by ブクログ
明野氏の本は初めて読んだが、読みやすく好きな作家の1人となった。
旅行後の姉の豹変…うーん、ガンって結論に納得できるようなできないような。最期の時間をいいお姉さんのままでいて欲しかったような…辛かったとしてもそれでいいような…。余命宣告をされるとこういう気持ちになるのか。
何はともあれ、引き込まれて半日くらいで読みきってしまいました。
Posted by ブクログ
老舗画廊勤務の中田由紀と妹の美久は幼い頃電車事故で両親を亡くし、それいらい2人で仲良く暮らしていた。
この度、由紀が悠介と婚約しその前にと、突然1人旅に12日ほど行った。
旅のことは何も聞かないでほしいし、話さないと美久に言っていた。
今までこんなことはなかったのに、と不思議に思いながらも姉を送り出す。
旅行から帰ってきた姉はこれまで穏やかだった性格が豹変し、暴言、暴力を振るうようになる。持っていたものも捨てて全く趣味が変わり、飲み歩くようになり、知らない友達と付き合うようになる
それが何ヶ月と続き、豹変ぶりに困った美久と悠介は密談をするようになり、同じ境遇にいる2人は由紀をどうすればいいか相談していた。
精神科、脳外科を受診しても異常なし。
結婚が迫っているのに一向に元に戻る気配はなく途方に暮れていた時に、由紀は2人がこっそり合っている場所に着て激怒する
そしてその帰りに車を飛ばして壁に衝突し、死亡する。
美久は内心、これでもう終わりだとほっとする部分があった。
遺品を整理しているときに、診察券を2枚発見する。美久は気になり、その病院へ行き詳細を調べたところ、ちょうど旅行していた時期に診察していたことがわかり、余命8ヶ月の膵臓癌だった。
由紀はそれを新進会のアンジー以外には話さず一人で嘘をつき続け、美久との思い出を壊し続けた。
2020/02/05 13:13
Posted by ブクログ
「嘘」
幸せな姉妹の生活の崩壊。
由紀は上品で穏やか、仕事も出来て容姿端麗。美久はそんな姉を誇らしく思っていた。だから姉に嫉妬することなく、2人で支え合いながら暮らしてきた。そして、まもなく由紀は結婚して幸せになる。美久はそう思っていたが、一人旅から帰ってきた由紀は、今までの由紀ではなくなった。一体なぜ彼女は変わってしまったのか。
タイトルが嘘であることから、十中八九由紀の豹変には嘘が絡んでいるだろう。明らかになった真相は、確かに嘘があり、それは美久を思ってのものだったのだが、果たして由紀の判断は正しいかったのか。美久も由紀の意図を汲む形で、人生を送っていくことになるのだが、果たして美久もこれで良かったのだろうか。
この2人の気持ちに共感出来るかどうかは分かれそうだ。個人的には、由紀の気持ちは分かるが、だからと言ってこの遣り方はとって欲しくはなかったなと。楽しい思い出があるから別れが悲しくなるのではなく、楽しい思い出があるからこそ悲しみを受け入れて、残されたものは生きていけるのではないか。
恐らく由紀は美久が自分の嘘を見抜くことを予想していたのだろうが、その嘘に気づいてしまった美久は、由紀の気持ちに応えたいとは思いながらも、それは悲しいよ、お姉ちゃんと思ったに違いない。今は良くても数年後、美久はきっと後悔してしまうのではないか。それは相手が仲が良かった、好きだった姉だからこそ、きっと。
Posted by ブクログ
以前読んだ「廃墟のとき」がいわゆるイヤミス的な内容だったので(多分…5年も前なのでうろ覚え…)ずっと敬遠していたのですが、何となく手に取ってみました。
内容は大方予想がつく結末ではありましたが、姉の由紀が実際のところどんな理由で急に態度を変えるようになったのかは、状況証拠レベルでしかないのでややボンヤリしているという印象。
確かに、美久のことが心配で万事上手く行くようにあのような行動をとったのかもしれません。ただ、いくら妹のことが(そして悠介のことが)心配でも英則と無理矢理分かれさせるようなことを由紀が実行するというのがどうにも腑に落ちないんですよね。
美久の気持ちを無視するような、また英則をないがしろにするような利己的な行動をとるような人に思えないので、この点は未だにモヤモヤしている始末。
ある意味、とても印象に残ったことは確かですが…