あらすじ
脊柱管狭窄症で尿道に管を入れられ自宅で寝たきりの状態を強いられている男性は、嫁に浣腸を頼むのが憂鬱だ。あげくに嫁は看護婦や医師にわたしが痴呆だと嘘をついて嫌がらせをしている。きっと施設送りにしようと企んでいるに違いない。そんなことはさせないと叫ぶが――「寝たきりの殺意」。豊胸手術に失敗した運の悪い女を描いた「シリコン」他、現役医師による背筋が凍るミステリー全6篇。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
面白かった!
医療系の短編小説は特に読者と有識者の知識の乖離が起きやすいように思うが、今作はわかる、推察できるギリギリの用語が多く、興味深く読めた。
汚い部分や倫理観から外れている欲望なども小説内にあり、それは人の生死を見てきた人間が故なのかもなと考えさせられた。
しかしながらちゃんとした正義の軸もあり、人の多面性を感じられた。
嘘はキライ!内で出てきた本物親子丼、自分は良く思ったので食べられる場所があったら食べたい。
今まで読んだ中で1番巻末の書評が面白い。大体読んだ時に感じる感想はこの巻末の中野さんが書いてくれているから書くことが無い。
Posted by ブクログ
短編集。
手術シーンとか妙にリアルやと思ったら作者もお医者さんらしい。
1番面白かったのはシリコンと至高の名医かなあ。
シリコンは豊胸手術に失敗した女性がシリコン除去手術を受けるものの適当な処置をされて胸まるごと失ってしまって絶望…ていう話。
あまりにも女性が哀れやし手術にあたった医師と看護師が嫌な奴やねんけどちゃんと報復もあってスッキリするラストで良かった。
至高の名医は主人公の医師が自分にも他人にも厳しくてなんかいいキャラしてた。
そんな彼が心底怯える出来事に初めてぶつかることで角が取れて丸くなるのが面白かった。
理由もまさか周りが聞くと彼が?!て思うようなことで…(女遊びに無縁やったのに看護師に誘惑されてワンナイトしてその女性がまさかのエイズやったという)
名医の微笑みは謎が残ったな。
最後のシーンで看護師に襟の乱れを指摘されるシーン。あれなんの意味が…??
わざわざ書いてるからには何かしらあるんやろうけどどうしても分からんかった。