【感想・ネタバレ】LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略のレビュー

あらすじ

誰もが100年生きうる時代をどう生き抜くか。
働き方、学び方、結婚、子育て、人生のすべてが変わる。
目前に迫る長寿社会を楽しむバイブル。

世界で活躍するビジネス思想家が示す、新しい人生のビジョン。

みんなが足並みをそろえて教育、勤労、引退という
3つのステージを生きた時代は終わった。

では、どのように生き方、働き方を変えていくべきか。
その一つの答えが本書にある。

100歳時代の戦略的人生設計書。

《本書の主な内容》

●人生はより長く、健康になる。
●エクスプローラー、インディペンデント・プロデューサー、ポートフォリオ・ワーカーという新しいステージが出現する。●スキル、知識、仲間、評判、健康、生活、友人関係、アイデンティティ、人的ネットワーク、オープンな姿勢が大事
●労働市場に存在する職種は、これから数十年で大きく入れ替わる。
●100歳になった自分がいまの自分をどう見るかを考える。
●男女の役割分担が変わる。質の高いパートナー関係が必要になる。
●数十年単位での役割の調整が必要。高度な信頼関係と徹底した計画が不可欠。
●各人のアイデンティティが変わっていく。

《世界を代表する知識人が称賛!》
明快でタイムリー、オリジナルで書きぶりも素晴らしく、そしてとても恐ろしい。
ニーアル・ファーガソン(『劣化国家』著者)

より健康で長寿になる私たちの人生に関する迫真のケーススタディ。
私たちの知っている世界とはまったく別の未来がくるだろう。
ダロン・アセモグル(『国家はなぜ衰退するのか』著者)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

先進国の寿命がどうやら大分伸びている、否、今後も伸びてゆく(100歳超えるのが普通)、という想定のもと、生き方を考えるべし・変えるべし・備えるべし、と説くのが本書。

LBS(ロンドンビジネススクール)の教授二人が書いたものです。

そうした背景からも、今後MBAに行くようなひと、ないしは高給取り、ないしは世のリーダーたちから生き方を変えてゆくことが想定されますね。

・・・
私なんて、「俺は30歳になるまでにはこの世にいない」とかうそぶいていましたよ。うちのこどもがそんなこと言ったらぶん殴って教育しますが…。本当に親不孝な子どもでした。でも寿命は延びているらしい。

・・・
で、本書、平均寿命が100歳に迫るという前提で、今後の生き方を変えましょう、というのが主旨です。

それを分かりやすく提示するために、ジャック(1945生)、ジミー(1971生)、ジェーン(1998生)のモデルケース三世代を想定して話を進めます。私は1975生ですのでジミー世代です。

で、これまで一般的だった、学生・労働・引退後、という3ステージはもう機能しない、というのがひとつの帰結です。

・・・
寿命が100まで行けば、当然の事ながらそれなりのお金が必要です。生活をするために、引退して自由に隠居生活、という未来はなくなるそうです。

むしろ「ゆるやかな引退」というモードになると想定されます。仕事の頻度・ペースを落としつつお金を得ると。

また、専業主婦(夫)は金銭的にもリスクが多く、共働きをして生活を支え合うということも必要になりましょう。

加えて言えば、大学を出て50-60年間、体系的知識のアップデートなくして世で金を稼ぐのも厳しいでしょう。故に、キャリアブレイクで自らを見つめなおしたり、大学(院)での再教育などが期待されるようです。

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更に、新卒即入社しない・自分の可能性を外国で試したりするexplorer(探索者?冒険家?)みたいなステージも社会が許容してゆくことになろうという話も。

何しろ、中途もこれだけ多くなったのですし、そもそも新卒の純血キャリアに価値がある時代でもないのでしょう。だからより意図をもって試行錯誤をして、「学ぶ」必要がありましょう。

ある意味、若者にとってはより厳しい時代になりましょう(考えないといけないからね)。主体的に動ける人と受け流される人との差異は、寿命が延びるにつれて大きくなります。そしてそれを背景に貧富の差も大きくなるやもしれませんね。

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さて、お金は大事だというのは分かりますが、長寿社会で大切なのはそれだけではないでしょう。

言い古されてきたわけですが、パートナーはじめとした家族の話です。家族は大事だよと。あるいは地縁だったり、知人との紐帯ですね。

今後は夫婦が交互にキャリアブレイクをしたり、現今進んでいる核家族化が多世代集合型になり、生活とキャリアを互いに支え合う未来図も提示されています。

また、これに絡んで、子どもを持つかどうかというのも大きな争点でしょう。パートナーやその人の理解、あるいは家族の協力は可逆的ですが、出産適齢期だけは我々の努力でどうすることもできず、本書でもメンションありましたが、女性はある程度のプランを考える必要がありましょう。

・・・
で、このようなことを前提に、自分をアップデートし、きちんと準備をしよう、ということですね。

「そもそも100年も生きねえよ」と考えるのは簡単ですが、人間はどうやら将来を楽観視する傾向があるようです。ですので、備えておくことに越したことはないでしょう。

長寿社会に対して、国や会社は、より柔軟な労働環境や生き方をサポートするべきです。が、当然のことながら、動きは早くなく、自助が前提でありましょう。

本書でも、procrastinationを戒め、自分を省察し、どういうものなら意欲をもって仕事をできそうか、どういうものが好きか再度振り返る必要性について述べていました。

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ということで、自己啓発系では久々に響く本でした。

50代になった今も、「自分はどうあるべきか」ということをあーでもないこーでもないと考えてきました。未だ迷走(瞑想?)中。

子育てももうじき終わろうとする中、もう少しでほっとできるかと思いましたが、やっぱり引退できないんですね…。でも世の中の今後のトレンドが引退先延ばしとなるのならば、今ならなんとか準備する意欲はあります。だから、読んでよかったなと。

ジミー世代、ジェーン世代は読んでみて損はないと思います。

私も、自分の志向・嗜好と世の中の動き(AIやロボットの社会への浸透)、両睨みで今後も思索を続けてゆきたいと思います。

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2026年04月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2017年に購入していたのに今読んだ。なぜなら40代で初めてのサバティカル期間だから。10年経っても、新鮮に読める。ほぼ言っていることは、まだそのまま当てはまるから。

以下、刺さったことネタバレします。

・・・・・・・
・エクスプローラーとしてのステージ
エクスプローラーに適した時期は3つあり、18−30代前半、40代半ば、70−80歳。これらの時期は人生の転換期になりやすく、エクスプローラーとしての時間が明確な効果を生みやすい。
(特に若い人にとっては、自分についての理解を深め、自分がどういう人間で、なにを好み、なにが得意なのかを見出す。外的な刺激を通じて発見をおこなう時期になる。試練を与えられたり、思考を揺さぶられたり、怒りを掻き立てられたり、時には喜びを感じさせられたりする環境で自分について学ぶのだ p.236)
エクスプローラーのステージは回り道にしか感じられない、そしてリスクを嫌う人は学校教育を終えた後すぐに従来型キャリアに進みたがるかもしれない。しかし、このステージを経験することにより人生が大きく変わる人もいるのだ。エクスプローラーの時期は、綿密に計画を立てて、このステージの恩恵に浴すこと。

・「変身資産」と「活力資産」 
100年ライフでは実験する姿勢は不可欠
ageとstageが一致する時代が終わりをつげる
若さと柔軟性、遊びと即興、未知の活動に前向きな姿勢
目の前のものごとに意識を集中し続けられるか

・パートナー同士の関係性も変わってきている。
「親密さの変容」=パートナー同士の間に、言うなれば純粋な関係が生まれつつある。取引的生活をもつ旧来の夫婦関係とは異なり、その関係自体が双方に恩恵をもたらすからこそ維持される夫婦関係のことである。内政を土台とし、つねに再検討と再構築を受け入れる。それは普遍の関係でもなければ、惰性で継続されるような関係でもなく、2人の間で調整を重ねていく関係。

・結婚のリスクの分散の効果
同類婚(自分と教育・所得レベルが近い人を結婚相手に選ぶこと)が増えている。稼ぐ力にあまり差がない場合は、リスク分散を考えた方が理にかなっている。結婚によるリスク分散は、2人の稼ぐ力が近い方がうまくいく。p.321
パートナーが固定的な役割分担をせず、2人が主な稼ぎ手の役割を交互に行い、相手がキャリアの途中で仕事を中断して生産性資産を築くのを助ける方法もある。長い人生の中で役割分担を成功させるためには、2人に高度な相互補完性があり、徹底的にすり合わせを行う必要がある。スキルの更新、新しい試練、新しい人的ネットワークへの投資は、パートナーとの緊密な協力関係が必要。いいパートナーは、情緒面での支え、難しい決断をする際に意見と率直な批判を聞かせてくれる。
・シェリル・リンドバーグは、「パートナー関係は、長い目で見た公平を実現し、家族の1人だけではなく、家族全員が成功を手にするための方針を共有する関係だ。男女ともに互いに対する見方と態度を変えることが避けては通れない。そのためには多くの調整が必要になる。」と言っている。

・学生は働くのに十分なスキルを持っていない。特に、創造性、イノベーション能力、やさしさ、思いやり、という資質が足りない。p.369

・昔のように特定のロールモデルに従っていればいい時代ではなくなり、ありうる自己像の選択肢が大きく広がる時代には実験を通じて、なにが自分にとってうまくいくのか、自分がなにを楽しく感じ、なにに価値を見出すのか、なにが自分という人間と共鳴するのかを知る必要がある。実験は若者だけのものではない。それは、あらゆる年齢層の人にとってきわめて大きな意味をもつ。和達達を次の地点に導き、どのように意向を成し遂げればいいかを明らかにするのは実験なのだ。実験と探求は、1人の人間の人生を貫く要素の一部をなすものである。p.361

長寿化の議論では、所得や貯蓄の問題ばかり注目を浴びているが、真の試練は、長い人生を支えるのに必要な無形の資産をどのようにマネジメントするかという点なのだ。p.392

企業に求められること p.370
・無形の資産に目を向ける (賃金、年金、手当だけでない無形の資産)
・移行を支援する
・マルチステージの人生を前提にする
・仕事と家庭の関係の変化を理解する
・年齢を基準にするのをやめる
・実験を容認・評価する
・人事の一大改革が必要

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2026年06月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・3ステージの人生設計では、100年の人生で息切れする。もっと多くのステージを取ってもいいという考えは共感できる。

・一方、2016年に書かれた本であるため仕方ないが、テクノロジーや社会情勢について、的外れなほど楽観的な予測が多い。
例えば、「テクノロジーのイノベーションが進んだとき、職を失いやすいのは、高スキルの人よりも低スキルの人だ。」と何の理由も根拠も示さず連呼している。実際は、筆者の言う高スキル(=ホワイトカラー)の方がAIで代替可能で、筆者の言う低スキル(=ブルーカラー)の方がAIによる代替が困難という状況になりつつある。

・この本の根幹をなす「平均寿命の100歳までの増加」の根拠も「過去増加し続けているから」というだけである。筆者の主張は示唆に富んでいて考えさせられる素晴らしいものだが、根拠が常に乏しい。

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2026年04月05日

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