あらすじ
小学生の時に母を亡くした民子は、父とその再婚相手との三人暮らし。複雑な想いを胸に秘めていたが、亡き母の親友からある話を聞き、徐々に心を開いていく――それぞれの想いを鮮やかに掬い取った、切なくも温かな家族の物語。
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Posted by ブクログ
ふんわりと穏やかな雰囲気が物語全体を優しく包み込む。
読んでいて何度も温かい涙を流した。
強いメッセージはないけれど、そっと静かに心に刻まれていく。
小学生の時に母をガンで亡くした民子、民子の継母の宏子、民子の亡き母の友人の祥子、民子の父の亮太4人の視点による連作短編。
大人びていて冷静な民子と、カラリと明るい宏子。
正反対の性格の、一見合わなさそうな二人が徐々に打ち解けていく様子がとても良かった。
民子の優しい祖母と宏子の豪快な母親も素敵で二人のエピソードに泣けた。
「人は生かされている」
「本当の優しさは、自分のことは自分で全部背負い込んできっちり落とし前をつける強さがないと出てこない」
「生きていくことは自分で決めることを繰り返していくこと」
心に染み入る言葉が続く。
まんまるお月さまがいつもみんなを優しく照らして見守ってくれている。
この作品に出てくる女性達の芯の強さや優しさが清々しく、とても良かった。
亡き母も月の裏側できっと微笑んでいるに違いない。
穂高さんはこれが初読み。
他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
美智子さんが亡くなる前に夫にかけた言葉に愛が溢れてた。自分がもうすぐこの世から去ると悟ったとき、まず相手のことを想ってあんな言葉をかけられるだろうか。
血が繋がってない人同士なのに、家族になるってすごい。
Posted by ブクログ
なかなかに泣けた。
泣かされた、という疲労感もなく、
ここちよく。
妻になってももう一度読みたい。
母親になってももう一度読みたい。
祖母になってももう一度読みたい。
もし後妻になっても。
腹違いの兄弟ができても。
そんなかんじ。