【感想・ネタバレ】女帝の名のもとに ファースト・コンタクト 下のレビュー

あらすじ

植民惑星ケランを舞台に、ついに人類対クリーラの決戦の火蓋は切られた! ルフェーブル大将ひきいる人類の惑星防衛艦隊は、クリーラ艦隊の猛攻を受け苦戦を強いられるが、そのときテラの航宙軍艦隊が援軍として駆けつけてきた! いっぽう地表では、恐るべき武器を操る勇猛果敢なクリーラの女戦士たちにより、人類の宇宙軍は完膚なきまでに殲滅されつつあった……激烈な戦闘シーン満載! 壮大なスケールで描く傑作戦争SF。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

宇宙と地上を舞台に、人類と異星人クリーラとの壮絶な戦闘を描いた戦争SF。

本作の魅力は、壮大なスケール感と緻密な世界観にある。クリーラの歴史や文化、さらには人類側の思惑が複雑に絡み合い、物語に深みを与えている。特に心に残るのは、クリーラの「血に流れる歌」という概念である。この歌はクリーラにとってのアイデンティティであり、人類との間に横たわる深い溝を象徴しているように感じた。

また、ミリタリーSFとしても楽しめる要素が満載だ。宇宙艦隊の戦闘や地上での激しい戦闘シーンは、まるで映画のような臨場感がある。しかし、その一方で、戦争の残酷さや無意味さも描かれており、深く考えさせる場面も随所に存在する。戦闘の迫力と共に、戦争がもたらす悲劇的な側面が強調されている点が印象的だった。

他にも、各キャラクターが抱える葛藤や目的が丁寧に描かれているのもポイントだ。クリーラの目的や彼らが抱える内面的な問題が物語の進行と共に明らかになり、緊張感が増していく。

残念なことに、このシリーズは未完のままであり、続きが読めないことが非常に歯がゆい。物語の終わりを迎える際も、さらなる謎が残されており、続編を期待したいところ。

総じて本作は、宇宙を舞台にした壮大な戦いを描きつつ、同時に人間ドラマや戦争の本質を問いかける内容となっている。宇宙の広大さと、そこに生きる者たちの葛藤が見事に融合しており、このような要素が交錯することで、作品全体に強い引力が生まれているのだ。

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2024年10月22日

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