あらすじ
貴女は私の劣情を知らない。
幼い頃に目の病を患ったフェリシアは、その間自分を支えてくれた叔父に恋心を抱いていた。だがある日、彼が婚約者のいる女性と駆け落ちしたと聞かされる。女性の婚約者は、叔父の親友で、フェリシアも兄と慕うエセルバート。「叔父を許してくれるなら何でもする」とエセルバートに謝罪する彼女だが、彼はいつもの優しげな表情を一変させ、劣情を露わにし――。彼の欲望を注ぎこまれる日々の中、フェリシアは再び目が見えなくなってしまうのだが……。
感情タグBEST3
ヒーローに同情してしまう
この作者様の丁寧な心理描写や語彙の豊富な(それでいて読み辛くない)文体が好きでファンなのですが、本作もそれが遺憾なく発揮された秀作だと思います。
ヒーローは序盤のうちから読んでいてヒロインのことだけが一途に好きなのだと伝わってくるのですが、当のヒロインが鈍感…というか、思い違いで叔父に恋してしまっているので他の男性を意識することが無い(眼中に無い)為、私としてはヒーローの壊れっぷりに同情を禁じえませんでした…(笑)でもそれも自業自得なんですよね。だからこそ行き場のない情愛が歪になってしまったのでしょうけど。
読んでる中、ヒーローに肩入れし過ぎてしまいましたが、ヒロインもヒロインで優しく考えのしっかりとした芯の強い女性で好感が持てます。でも自己犠牲精神故に脆く危うい面もあり、途中何度も胸が痛むほど可哀想な目に遭って、その時々のヒーローの行動にも、辛くなったり同情したり「おいおいそれはやり過ぎだろ」と諫めたくなったり、とにかく話に引き込まれていきました。
自分のしたことに後悔でのたうち回る歪みきれない系ヒーローが好きな方はオススメです。
また、手探りで繊細な美しいシーンが幾つかあって、私は薔薇園での最後、ヒロインの「綺麗ですね」に「ああ、とても」と答えるところがとても素敵だなあとしみじみしました。作者様の書かれるヒロインとヒーローの、こわごわと優しくそっと寄り添うような、慈しみ深い情が滲み出る話作りがとても好きです。
あと個人的には叔父の裏表のない太陽のように明るいキャラが駆け落ちという大胆な選択をとる展開が好みで、もう少し叔父と婚約者の仲睦まじいような(そしてヒロインが二人を見て嫉妬し、そのヒロインを見てヒロインが更に劣情を拗らせていくような笑)話を広げて欲しかったなと思いました。叔父のイラストもイメージぴったりでした。
もう何度か読み返したくなる作品です。
イラスト買いです
ソーニャらしさもありました
しかし、好き過ぎて暴走も過ぎると嫌われかねないのに
Sっプリがすごかった
自分の周りの大人たちに幻滅し感じなかった男の子に初めて「純粋さ」と「愛おしいさ」を
感じさせた
良かった
Posted by ブクログ
プロローグからピンとくるものはありましたが、暗闇設定が活かされていたと思います。ヒロインがヒーローに無理矢理やられちゃうお話は好き嫌いが分かれるかも知れませんが、ヒーローの罪悪感を責める流れが出てくるので納得もできます。
ただ、叔父と恋仲になったヒーローの元婚約者、2人の周囲を省みない天然さにイライラしました。ヒーローが過去を振り返る独白時に「ヤッてしまえば良かったのに…」なんて思いました(笑)
そんなに酷い男ではない
好きな作家さんです。この作品もよかったです。
前半の思いのすれ違いが、私には少し歯痒すぎましたが、エセルバートのSぶりは最高でした。
掛け違えたボタンのようだった思い違いがあるべきところに戻っていく様子と、エセルバートの生い立ちなど、後半の展開は息をつくのも忘れて一気に読みました。
酷い男の話?だったのかもしれないけれど、そんなに酷い男だったという印象は残りませんでした。
あと、挿絵のエセルバートがかっこいい!とてもときめきました。
途中まで耐えられれば…
途中までエセルバートさんがフェリシアをこれでもかってほど虐めまくるんで、「そこまでしちゃう…?」って若干引いちゃいましたねー。
前半それ系の描写ばかりだったので、ちょっと飽きてきた…と思ったんですが、やっとヒーローが後悔する展開になり美味しくなりました笑
散々心身ともに痛めつけたんだからもっと苦しめ!!って感じで楽しかったです。
展開は「そんなことだろうな〜」、って読める感じでしたが、反省してからのエセルバートは可愛くて良かったです。