あらすじ
日露戦争時、実はロシアと清国は「露清密約」を結んでおり、“連合軍”として日本と戦ったのであるが、このことは日本人には教えられていない。終戦の調停役であったアメリカも、当然オトボケで条約を結ばせたため、グルだった。これが知られていれば日本は清国に賠償を要求できたのだ。この一事でも分かるとおり、満洲国建国をめぐって、日本が国際連盟脱退に至る歴史は、一般的解釈とされている「日本の侵略」ではなく、清国利権を狙う、アメリカを始めとする欧米列強の謀略であり、国際的な「日本イジメ」だったのである。本書では、アメリカのジャーナリストであり、満洲国の顧問を務めていた著者が、列強の言動のあまりの理不尽さに憤慨し書き残した、「満洲国をめぐる真実」である。特に、著者は、「アメリカの意図はどこにあるのか」を厳しく追及している。アメリカ政府が日本人に最も読まれたくないであろう歴史の証言を、詳密に新訳した一冊である。
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Posted by ブクログ
(内容)
米国の政治的・経済的保護と拡大の観点から見た満州国建国の支持の理由について米国の極東情勢介入の不利益や判事の非中立性、軍事的拡大と民衆の弾圧を続ける支那共和国の虚構性、共産主義勢力からの日本の自衛的行為の正当性の以上のことを論じる。
全五部五十二章で構成されている。一部では米国のアジア問題介入の有益性の是非。二部では判事の非中立性。三部では日本の自存権と支那共和国の虚構性。四部ではアジアにおける共産主義勢力の拡大と脅威。五部では米国が日本との決戦か協調のどちらの選択を取るのか。等が各部で述べられる。
◯本書の題名は『「満州国建国は正当」である』だけれども原文は『The case for Manshukou』で、直訳すると(満州国支持の理由について)となるそう。
つまり本書はあくまで*米国の国益から見た*満州国建国の正当性が述べられていると言うことだ
。当たり前の事を言っているようだけれども例えば共産主義者が満州国について述べるなら「満州国の非正当性について」となるわけだ。何故なら共産主義者にとって満州国建国を巡って資本主義陣営が争うのは利する事だし、満州国が建国されると南下して支那な日本海に進出する事が難しくなるからだ。要するに国際社会において各国の政策方針が一致する事は決して無く最終的な決着は軍事的優位性によって決まるという事だ。
(感想)
この本の面白いのは述べられる予測がことごとく当たっている事だ。例えば日本と米国の決戦、大英帝国の勢力損失、支那の共産化などが挙げられる。
本書の最終的な目的は日米戦争の回避であった。しかし残念ながら、それは避けれなかった。だから本書を読むことの意義は日本が大東亜戦争を遂行せざるおえなかった現実的な理由や民主主義政治の限界を知れる事だと思う。
Posted by ブクログ
GHQが報道を厳禁した30項目、ソ連への批判、朝鮮人への批判、支那の批判、満州での日本人処理への批判など。
そして、サンフランシスコ講和条約締結で日本が主権を回復した後も、GHQのこの命令を日本の左翼が忠実に引き継いで報道規制し、未だに報道されずにいるため、「満州国に係る重大な事実を米国人ジャーナリストが見た歴史の真実」を現代日本人の大多数は知らなかったのである。
米国が、フィリピン、キューバにおいて、スペインと争った歴史的事実を日本、支那、満州国との関係に当てはめれば、何ら、当時の国際法上問題ないことであるにも関わらず、米国の誤った政治選択によって、翻弄された日本の苦悩がよくわかる。
当時の欧米列強が抱く、東洋への無理解が根本なのだが、それにしても、米国がとった、ソ連に対する態度がその後の米ソ対立生んでしまうのだが、英国から分離独立した成り上がり新興国アメリカという国の底の浅さはなんともしがたいものがあったようです。
そんな歴史的伝統はいまだに引きずっていますが(笑)。