【感想・ネタバレ】カラマーゾフの兄弟(中)のレビュー

あらすじ

19世紀中期、価値観の変動が激しく、無神論が横行する混乱期のロシア社会の中で、アリョーシャの精神的支柱となっていたゾシマ長老が死去する。その直後、遺産相続と、共通の愛人グルーシェニカをめぐる父フョードルと長兄ドミートリイとの醜悪な争いのうちに、謎のフョードル殺害事件が発生し、ドミートリイは、父親殺しの嫌疑で尋問され、容疑者として連行される。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

いよいよ中巻。

この巻で特に印象的だったのは、泥棒と卑劣漢の対比に表されているように、高潔たろうとすること、名誉、恥辱なのではないかと思う。あるべき姿、ありたい姿が自分の中で明確になっていないとこういった考えや感情は湧いて来ないと思うので、やはりこの本の登場人物たち、特にミーチャは自分をしっかり持っている人なのだと思う。

私自身は、高潔、名誉、恥辱という言葉は普段は使わないものの、誠実でありたいとは思うし、自分の信念に反することをしたら落ち込むし、人からの評価を気にするし、、ともっと身近な言葉で置き換えて行くと、登場人物たちの考えや気持ちが少し身近に感じられた。


加えて、赦しという言葉も印象的だった。他人に対してどれだけ寛容になり、愛することが出来るか。『カラマーゾフの兄弟』全体を通して、さまざまな対象に対しての愛が語られていると思うが、赦しも愛の一つの形だと思う。

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2024年03月09日

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ネタバレ

ゾシマ長老の神秘性が、死後の腐臭によって最も容易く覆っていくのがゾワゾワした。世間って怖い。
その後の闘士になった?アリョーシャは実際どうなってしまったんだろう。
ミーチャへの尋問、受け答えがもうわけわからなくて好き。取り調べするほうも怒りを通り越して笑えてくるんじゃないかと思うくらい破綻してて好き(実際は破綻してなかったりするの…?)
色々謎を残したまま、下巻へ。

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2025年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ついに親殺しの場面。
ドミートリィには不利な状況証拠ばかり。でも、ドミートリィが犯人であるという確たる証拠はない。
これから、どう展開するのか。

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2021年12月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

20代の時に読むが、文字やストーリーが重厚。
想像力を必要とする。

30代以降で再読を試みるも難しい。
こういう本はホント若いうちだけだなと思った。

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2021年08月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻よりさくさく読めた。
そしてだんだん面白くなってきたとこ。
ゾシマ長老の修道僧をなる道のり(若くして死んだ兄の死がきっかけ)や死後の俗人の証のような腐臭、スメルジャコフとイワンの庭先での意味深な会話(スメルジャコフの不気味な予言)
そしてドミトリーの父親殺しの殺人容疑での逮捕。
まるではめられたようにドミトリーには不利な証人ばかり。
私的にはドミトリーは殺ってないと思う。
直情的で乱暴者かもしれないけど、根はいいやつで嘘はつかないと思うから、じゃあ怪しいのはスメルジャコフ
か。
訳本だからしょうがないと思うけど、とにかくセリフがまわりくどい。意味が?のとこも。
言ったすぐそばから否定したり肯定したり、でも名著だということはわかる。
中巻に限っていえばドミトリーが主役だ。
そしていよいよ下巻に。
ドミトリーは状況証拠で犯人にされてしまうのか。

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2020年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2020年9月21日 再読

前半はゾシマ長老、中盤はグルーシェニカ、後半はミーチャ。神秘的な客、一本の葱、証人たちの供述。童、読み応えのあるエピソードが複数ある。


上巻の後宮部みゆきをはさみ、中巻へ。
べミハイルの話が印象的である。
いわゆるこの物語の中心をなす出来事が中心に据えられ、ミーチャの成り行きを進めていく展開であり、上巻に続き読み応えがあり、そしてどんどん引き込まれてしまう。
印象的なのは「神秘的な客」の編。
神は全ての罪を赦し、全ての罪人を救うというなら、神によってこれほどの葛藤が生まれるのは何故だろう。べミハイルはともすると若かりしゾシマ長老を殺しかねなかったのである。また、全ての罪が赦されるのであれば、この世は罪人だらけになる。神は、神秘的な態度をとり我々を苦しめるのではないのか。そう思ううち、何故か神を強く意識してしまう。というこの宗教の仕組みが垣間見える。

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2020年09月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大体のストーリーが掴めてきて上巻に比べたらスイスイ読めた。相変わらず登場人物が多い。ドストエフスキー自身はどうやって管理してたんだろうなぁ、脳内完結なのか紙に起こしていたのか。

イワンも怪しいけどフョードルがすんなりドアを開けて部屋に入れてくれるとも思えず、アリョーシャが怪しいってことになるよなぁと推察。あとページを増すごとにドミートリーがフョードルと同じような発言や行動をしていて、血は変えられない同族嫌悪とはこのことか...と思った。

ゾシマ長老のシーンで、人は信仰に奇跡を求めがちだけどあまりに傲慢だなとも思う。奇跡が起きた時はそれに縋るのに、奇跡が起きなかったら急に不信者になり、今までのゾシマ長老の活躍がすべて水の泡になるようで。
ただ、自分に置き換えてみても、例えばお坊さんが何かしら問題を起こすと「お坊さんなのに!」って思ってしまうわけで。
となると、人が人に布教するものであり続ける限り、信仰は非常に曖昧で不安定なものなのだと思う。

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2025年04月12日

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